犬といえば肉。
そもそも犬には肉がついていた骨をいつもかじっている漫画のイメージがありますもん。あんまり魚をあげるイメージはないですよねー。
でも、ご存知の通り、魚は様々な栄養素が注目されていて、犬にあげてもいいならその効力をあてにしたい! と思っている方もいるかもしれません。
基本的には総合栄養食のドッグフードを与えるとして、魚についてどんなものが与えて良くて、どんなものは犬が食べてはいけないのかを調べてみました。
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犬は魚を食べてもいいんだそうです。人間がさかなを食べる時に言われるメリットは犬に対しても有効。すなわち、DHA(皮膚粘膜の健康を保ち脳の働きを活発にする働きがあります。認知症予防にもなるそうです)やEPA(血栓ができることを防いでくれるので、それが原因の心筋梗塞や脳梗塞になる確率を下げてくれます)などのメリットですね。
また、魚自体は高タンパクで肉よりも消化しやすい良質のタンパク源です。さけやイワシの皮はコラーゲンが豊富で、犬の被毛を美しく保ってくれるメリットもありますね。このへんは人間と同じですね。
一方、寄生虫や、アレルギーなどの中毒を起こす可能性もあるので、慎重に与えるべきだそうです。
実際、ドッグフードの材料になっているわけですから、その点は心配しなくてもいいですね。
魚に含まれる栄養素が犬にとってどんな効果があるのかをまず知っておきましょう!
魚のタンパク質は動物のものより吸収しやすく、また余分な塩分を排出してくれる機能もあるんだとか!
カルシウムの効能はご存じですか? 骨を作るのはもちろん、ストレスの解消にも効果的なんですね。
人間にとってのDHAは記憶力の改善などが言われますよね。犬にとっては認知症予防などに効果があるようです。
EPA(エイコサペンタエン酸)は、コレステロールや脂肪分を減らす効果があります。血栓ができることを防いでくれるので、それが原因の心筋梗塞や脳梗塞になる確率を下げてくれます。
また、高齢犬の認知症予防にも効果があるといわれていますね。
タウリンは目の疲労の回復を助け、そのうえ血管をきれいに掃除してくれるんですよ。
赤身魚とは身が色素タンパク質によって赤く見える魚のことを言います。
カツオやまぐろ、カジキ、さばなどですね。
こってりとしたうま味があり、とても良いタンパク質です。
ただし、赤身魚はヒスタミンという中毒物質がついている可能性に注意しましょう。鮮度のよくない赤身魚で食あたり、というのは大抵ヒスタミンによるそうです。嘔吐や下痢などの症状から、高じると呼吸困難などに進んでしまうそうです。
岩場などで隠れていることが多いため、赤身魚と比べると色素タンパクがすくなく、身が白い魚を指します。鯛やヒラメなどですね。あっさりとした淡泊な味が特徴です。ダイエットにも向いています。
また、意外かもしれませんが鮭も白身魚。鮭の身は赤く見えますが、色素タンパクではなく、アスタキサンチンという色素が原因です。
青魚ってずっと理解できなかったんですよ。
身が青い魚なんていないじゃないですか。なにが青魚なんだー? と調べてみると、「背中の青みなど表面的な色が青」ということらしいですね。
まあ、青というか銀というかそんな色ですね。
どちらかというと小型で単価の安い大衆魚をいうので、まぐろやぶりなど大型の魚は「背が青くても」青魚とはいわないそうです。へー。
魚の骨は口の中を傷つけたり、そのまま丸呑みされて胃腸に負担がかかったりということになりがちです。たとえばうなぎやカレイ、さんまなどは小骨がとても多い魚です。でも、犬が骨に気をつけて魚を食べるわけはないので、骨を取り除いてから魚をあげるようにしてくださいね。
赤身魚のところでも触れましたが、白身魚ならまったく起きないわけではありません。ヒスタミン中毒は魚を常温の中で長時間放置したことで細菌が増え、ヒスタミンが増加して起こります。
症状は摂取後2、3時間で下痢や嘔吐、じんましんなどが出てくるそうです。一度ヒスタミンが生成されると、熱で分解することも難しいため、とにかく新鮮な魚を手に入れて、新鮮なうちに食べさせてくださいね。
最近やたらに聞きませんか? アニサキス中毒。これにかかると人間では嘔吐や激しい痛みの症状が出ますが、犬の場合も同じだそうです。
アニサキスは寄生虫の一種で、サバやイワシ、カツオ、鮭、イカ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生しています。
内臓に寄生しているなら身を食べる場合には問題なさそうですが、宿主が死んでしまうと筋肉、つまり身の方に移動するんですね。
その身を生で食べることで、食中毒を起こすのです。
でも、生であげなければ大丈夫。アニサキスは熱に弱いのです。慣れてくると身の中にいるアニサキスを見つけられるようなので、注意深く調理してくださいね。
魚肉ソーセージやししゃも、魚卵、塩じゃけは塩分過多になってしまう可能性があります。例えばししゃもはナトリウムの含有量が生魚の5〜6倍あるんですよ。しらすや煮干しなどの小魚も塩分が濃縮されています。与えてはいけませんね。また、魚卵には寄生虫の心配もあります。
イカ・タコ・エビ・カニ
これらはなかなか消化しにくく、嘔吐や下痢の原因になることがあります。またエビやカニは殻を誤飲する危険もあります。
わかめは繊維質が多すぎて消化できず、ひじきは豊富なカルシウムを吸収できません。
犬に与える魚はかならず当日に購入した、新鮮なものにしましょう。
2、3日経っていても、加熱をすれば問題なく食べられるでしょ? と思うでしょうけど、犬に万が一のことがあることも考えられます。
そこにリスクを取る必要はないですもんね。
合わせて読みたい→「あたりめを犬が食べても大丈夫? 生のイカはだいじょうぶ?」
魚肉ソーセージなど、魚類から作られた加工品がありますよね。これ、人間用に作られているだけに、犬には塩分過多になりがちです。
また、魚卵の製品などは寄生虫の恐れもあります。十分に注意したいですね。
一方、魚を使った犬用のおやつは、犬の体質を考慮した作りになっているため大丈夫なようです。
◆いなば ドッグフード 日本の魚 さば まぐろ・かつお入り 170g×24缶
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犬用のサバ缶とは驚きますが、アマゾンの記事には「さば原料は、一般的にまぐろやかつお原料に比べ、DHA・EPAを多く含んでいます。骨つきのさばを丸ごと柔らかく煮込んでいるので、カルシウムの補給に。緑茶消臭成分配合。緑茶エキスが腸管内の内容物の臭いを吸着し、糞・尿臭を和らげます。」とあります。ユーザーの感想を見ると、フードのトッピングに使ったり、薬を飲ませるのに使うなどの感想がありました。
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メーカーからは「たらの風味をそのままに乾燥し、シニア犬・小型犬の食べやすい形に仕上げています。愛犬の健康維持に欠かせないタンパク質が豊富に含まれたヘルシーペットフードです。無添加仕上げで安心してお与えいただけます」との記事があります。
ユーザーボイスでは「散歩中のおやつ使う」「トレーニング中のご褒美に」など身をほぐしてあることを利用した使い方をしているようです。
犬にイカを食べさせても大丈夫か? という疑問には「加熱すれば食べられないこともない」というレベルです。
とくに生のイカは犬に与えてはいけません。生のイカにふくまれる「チアミナーゼ」という酵素がビタミンB1を破壊してしまうため、ビタミンB1欠乏症を引き起こしてしまう危険があります。
また、生にかぎらず、イカは消化が悪く、犬によっては下痢や嘔吐を起こしてしまうこともあります。
イカにはアニサキスの危険もあり、犬にとってはリスクのある食べ物と理解した方が良いですね。
イカと同じく、「生」のカニの身には「チアミナーゼ」が含まれており、ビタミン欠乏症を引き起こす危険があります。
ただし、煮たり焼いたりして加熱すると「チアミナーゼ」は分解され、犬にとって害のない食物となります。「チアミナーゼ」は、カニの他に、エビなど甲殻類や、アサリなどの貝類、イカやタコに多く含まれています。犬にあげるときには注意してください。
カニの「甲羅」「殻」「足の爪」「はさみ」「スジ」などの部分は、犬は消化することはできません。嘔吐などにつながるため、犬に与えないようにしましょう。
殻を食べてしまった場合、胃を傷つける恐れもあるので、獣医師に判断を仰ぎましょう。
マグロは動物性タンパク質が豊富で低カロリー。犬にあげても問題ありません。
生であげても大丈夫ですが、念のため火を通した方が良いでしょう。
小骨を取り除いてあげると、消化の助けになります、
マグロを犬にあげても問題はありませんが、個体によっては相性が悪く、下痢や嘔吐を引き起こすかもしれません。その場合には与えることを中止してください。もちろん、大型の魚は水銀の含有量も多いです。総合栄養食のドッグフードを与えているなら、マグロを犬に積極的に与える必要性はありません。
タコは犬にあげても大丈夫です。
イカなどと同じく、タコも「チアミナーゼ」の酵素を持っていますが、含有量は少なくあまり問題になることはないようです。とはいっても、なるべく加熱したものをあげるようにしたいですね。
また、タコはコリコリとした歯応えから消化に良くないのでは? と思われがちですが、タコはタンパク質が主体で体を作っています。犬は肉を消化できるようにタンパク質を問題なく消化吸収できるので問題ないのです。
うなぎは人間にとってと同様に犬にとっても栄養豊富な食べ物で、犬にあげても大丈夫です。
ただしタレをつけた蒲焼はカロリーが高いし、小骨が危険な場合もあります。
犬にあげるなら小骨を取り除いた白焼きを少しだけ、ということになると思います。
また、生のうなぎはあげないようにしてください。
血に含まれる「イクチオヘモトキシン」という成分が中毒症状を引き起こします。
サバは犬に与えても問題ありません。
しかし、古くなったサバには注意してください。「ヒスタミン」が増殖して中毒症状を招く恐れがあります。ヒスタミン中毒はサバを加熱しても防げません。
またサバなどの青魚を大量に与えすぎると「黄色脂肪症」を発症する可能性があります。合わせて注意してください。
生で与えると寄生虫の問題もあるので、骨を取り除き、煮込んでから与えると良いと思います。
かつおぶしの原料はカツオ。犬にとって有用な栄養素を多く持ち、ドッグフードの原料にもなっています。犬に与えても大丈夫です。
かつおぶしの原料は、カツオだけで、保存料や化学調味料等、余計な物が入っていません。ただし、加工して味を付けたかつおぶしや、顆粒だしは、調味料が入っていますので与えないようにしましょう。
あまり与えすぎると尿路結石や高カリウム症の不安があるとする記事もあります。程々にしましょうね。
犬に煮干しを与えても大丈夫です。間食としての煮干しは犬にとって重要な栄養素を持った食物だそうですよ。
サケは低脂肪で消化しやすい魚。犬にあげても大丈夫です。サケに多く含まれるEPAやDHAは、血液をサラサラにする効果があり、血栓予防や皮膚の活性化、脳細胞の活性化を期待できます。皮膚や被毛の健康に大切な、r−リノレン酸を多く含む魚でもあります。
さんまは栄養価の高い魚で、犬にあげても大丈夫です。
さんまには老化を予防するDHA、EPAが豊富。ただし、さんまには細かい骨がたくさんありますよね。犬はそれをほぼ丸呑みしてしまいます。小骨をしっかりと取り除いてから与えてください。また焼くときに塩は振らないでくださいね。犬には塩分過剰になってしまいます。
古くなったさんまはヒスタミン中毒を起こすことがあります。新鮮なものを与えるようにしてください。
ししゃもは犬にとって塩分過多になってしまうのと、小骨が多く、危険なので、犬には与えないでください。
しっかり骨を取り除き、湯がいたタイは高たんぱく、低脂肪で消化もよく、犬に与えても大丈夫です。
タイで気をつけないとけないことは、その骨。
ご存知のとおり、タイの骨は硬く鋭いです。
犬はそれに注意して食べることはないので、いつものように勢いよく食べていて口や喉、胃腸を傷つけることを心配してください。もちろん、犬に与えるときは人用に味付けしたものを与えないようにしてくださいね。
脂肪分が多いので、よく脂を落として少量だけ与えるようにしてください。
またブリにはビタミンB1欠乏症の原因となり得るチアミナーゼ酵素が含まれています。生で与えることは避けたほうが良いでしょう。
カレイは高タンパク、低脂肪で犬に与えても大丈夫です。
カレイも生ではチアミナーゼ酵素が含まれていてビタミン欠乏症の不安があるので、加熱して与えた方が良いでしょう。また、骨にも注意してください。犬は丸呑みする習性があるので、カレイの骨を丸呑みしてしまっては喉をつめたり、胃腸を痛めたりしてしまいます。骨を取り除いたものを食べさせるようにしましょう。
エビの身は加熱すれば犬にあげても大丈夫なのですが、殻を誤飲して、口の中を傷つけたり、胃腸を傷つけたりする可能性が高いです。
生で与えると、チアミナーゼによるビタミン欠乏症が心配です。
いろいろ厄介なので与えない方が無難ではないでしょうか。
いかがですか。あげるとしても少量ですね。
総合栄養食のドッグフードを与えている以上、大量に魚を犬に与える必然性はないですからね。
貝は人間にとっては美味しい食べ物ですが、犬には与えないほうがいいと言われている食べ物です。
犬にとって貝は消化しにくく、毒を持っていたりするためです。
さらに生で貝を与えてしまうと貝の持つ「チアミナーゼ」が犬のビタミンB1を壊してしまい、欠乏症になってしまう危険性があります。
とくに犬に危険と言われているのがアワビ、サザエ、トコブシ、トリ貝。
これらの貝にはピロフェオホルバイドαなどによる毒成分が含まれています。
この成分は直接的な害にはならないのですが、紫外線と反応して様々な炎症を起こす「光線過敏症」の危険性がある物質なのです。この症状が犬に出るとかきむしってしまい、毛が抜け落ちてしまいます。重症化すると耳が壊死してしまう恐ろしい病気なのです。
ホタテや牡蠣など与えて大丈夫と言われる貝もありますが、食べてはいけない部位があったり、キチンと火を通さないと危なかったりと気を使います。貝はあげないと覚えておくほうが安全だと思います。
海藻類は人間にとっては髪の毛の健康に良いと言われますが、犬にとってはどうでしょうか。
犬が食べて胃の中に海藻類が長時間留まると、タンパク質の消化が悪くなってしまいます。人間とは逆に被毛のつやが悪くなることもあるようです。
犬にあげる場合でも、刻んだものを1回の食事に水分を含んでいるものであれば大さじ1程度、乾燥している粉末昆布などは小さじの先程度にしておいてください。
さまざまなレシピサイトで「犬飯」が紹介されています。
魚の有用性を考えて、うちの犬にもなにか作ってあげたいと思われたら参考にしてください。
魚以外に果物にも「体に良い」イメージしかありませんね。せいぜい糖に注意くらいじゃないですかね。そう。人間の場合は。
ところが、犬にとっては健康を害してしまう果物があるのです。
果物こそ、ちょろっと犬にあげてしまいそうですから気をつけてくださいね。
ぶどうやレーズンが犬には危険と言われるようになったのは2000年に入ってからです。ぶどうの中毒によって腎機能不全を起こすことはわかっているのですが、実はその原因は特定されていないんですね。農薬、カビ毒などが疑われていますが確定はしていないそうです。
ぶどう中毒の症状は嘔吐、下痢や、呼吸速拍などが知られています。
致死量はぶどうで体重1キロあたり3〜32g、レーズンで11-30gと言われてます。体重が3キロくらいの小型犬で計算すると、ぶどう2〜3粒、レーズン50粒という値になるそうです。
ぶどうやレーズンは「犬に与えやすい」ですよね。それだけに危険度が高いと思いますので、家族で「ぶどうはダメ」を共有してくださいね。
いちじくって「不老長寿の果物」って言われているんですね。たしかに爽やかな果物というイメージですが、犬にはダメなんですねー。
いちじくには「フィシン」と「ソラレン」という成分があって、これが犬に中毒症状を引き起こすんですね。
フィシンはタンパク質の分解酵素。人間にとっては整腸作用を促しますが、犬には強く作用してしまいます。ソラレンは犬が摂取すると下痢や嘔吐を引き起こす中毒物質として作用してしまいます。
いちじくは犬にとって不老長寿の果物ではないようです。食べさせないでくださいね。
レモンの身の部分、果汁などはビタミンCの補充になるそうで、とくに病み上がりや毛色が優れない犬、老齢の犬にはあげても問題ないそうです。
一方、レモンの皮には繊維質が多く、消化不良を起こす場合があるそうで、犬には適さないようですね。
プルーンは豊富な栄養がある果物というイメージですよね。
普段プルーンを食べている飼い主であれば、ワンコにも食べさせてあげたいと思うかもしれません。でもやめておいた方がいいようです。
プルーンの葉や種、茎を食べたことで、呼吸困難などを起こす可能性があるそうですし、カリウムが豊富なために、「高カリウム血症」につながってしまうこともあります。
乾燥したプルーンは毒性がより強くなるそうです。プルーンのドライフルーツはさらに危険ですよ。
ドライフルーツにはレーズンやいちじく、プルーンなどが入っているものもあります。注意してください。
ワンコ元気ですかー?うちのノーフォークテリアは元気元気。人間が食事していると、「くれくれくれ」とテーブルの下で待ち構えています。ブラック魔王のケンケンの「勲章勲章勲章」のようです。ええ、しつけに失敗しました。皆さんのワンコも多かれ少なかれ「くれくれくれー」をしちゃうと思います。でもちょっと待って。人間には全面的に体に良さそうな野菜や果物のなかにも犬にあげちゃいけないものがあるんです。1. 玉ねぎ以外に食べてはいけない野菜とは玉ねぎは犬が食べてはいけないのはご存知の方も多いと思います。それから長ね... 犬が食べてはいけない野菜 食べてはいけない果物 玉ねぎ以外に食べてはいけない野... - 子犬の記念日 |
どんな食べ物でも、ワンコによってはアレルギーを起こす場合があります。
食べさせて異変があったらすぐに獣医に相談してください。
食べ物を与えるときは、細かく切るなど犬が喉に詰まらせない処理をしてくださいね。
基本的には総合栄養食のドッグフードを食べさせるのがもっとも良いと思います。
バーベキューのときに「パクッと食べられてしまった」などの時に役立ててくださいね。