以前ラブラドール を飼っていました。ラブラドール って短毛で毛なんて抜けないだろうと思っていたのですが、抜けるんですね。
これを掃除機で吸うと、掃除機の後方排気がすぐ臭くなる。
そして、その掃除機、頻繁に壊れました。
なんてことがあると、毛が抜けない犬種がいい! となりそうですが、犬が好きだとそうもならないんですよね。現にあんなに抜け毛で苦労したのに、またラブラドール飼いたいですもの。わたし。
とはいえ、自分が欲しい犬は毛が抜けやすいタイプかどうかは、あなたにとって飼いやすい犬種かどうかに関係するかもしれない情報だと思うのでまとめておきたいと思います。
犬は本来、「オーバーコート(外側の被毛)」と「アンダーコート(肌に近い被毛)」の2層からなる「ダブルコート 」の被毛を持っていました。
実はこの「ダブルコート 」の犬種はよく毛が抜けます。ラブラドール も「ダブルコート 」なのです。
犬のペット化が進み、人間の生活環境の中でも飼いやすい「シングルコート」が作られるようになり、こちらの被毛を持つ犬種の毛が抜けにくいのです。
ダブルコート は比較的短毛。
オーバーコート(上毛)は太くてしっかりした剛毛、アンダーコート(下毛)は柔らかい毛で保湿、保温の役割を持っています。
換毛期になると生え変わるため、驚くほど毛が抜けます。
ゴールデンレトリバーなど、毛が長いうえに抜けますから、西部劇に出てくるタンブルウィードのようなものが部屋を転がっているという話はよく聞きます。
シングルコートの場合はまるで抜けないわけではありませんが、ダブルコート の犬と比べれば大幅に手間は減ります。
一方、シングルコートの被毛は抜けないで伸び続けるために、トリマーにお願いして整えてあげる必要があります。
アレルギーなどを持っている場合は、毛が抜けないことを優先した犬種選びが大切かもしれませんね。
ただし、「ダブルコート 」か「シングルコート」かで毛が抜けやすいかどうかが完全に決まるわけではないらしいです。
大きな目安として被毛のタイプを捉えることが大切ですね。
では、毛が抜けにくい犬種の例を挙げると・・
プードルは毛の量が多いですよね。でも、シングルコート、毛はあまり抜けません。春や秋の季節の変わり目の抜け毛はありませんが、毛が伸び続けます。トリミングが必要です。毛がぬけないので、抜け毛の掃除には困りませんね。
※詳しくは→トイプードルってどんな犬? 特徴を調べてみた
マルチーズはシングルコートの毛の抜けない犬です。換毛期はありませんが、しっかりとトリミングするなどの手入れが必要な犬種なんです。マルチーズの被毛はとても細いため、抜け毛を取り除かないでいると毛がもつれやすくなります。そこで、ブラッシングはできれば毎日してあげましょう。最低でも週に1~2回は行い、抜け毛を取り除いてくださいね。
※詳しくは→マルチーズってどんな犬? 特徴を調べてみた
シュナウザーはダブルコートの犬種です。しかし、ワイヤーヘアーという特殊な毛とふわふわの毛を持つ犬なため、毛が抜けない犬と言われています。家の中でも飼いやすく、抱っこしても服につきにくいなどのメリットがあります。抜け毛はすくないのですが、肌が丈夫ではないのでトリミングが欠かせません。ブラッシングは毎日の日課にしたいところです。
※詳しくは→ミニチュアシュナウザーってどんな犬? 特徴を調べてみた
ヨークシャーテリアも、シングルコートで、毛の抜けない犬です。ヨークシャーテリアの毛はとても細く伸びるので、からまりやすく、フケなどのが毛の間に溜まりやすい。結果、毛玉ができやすく、皮膚病になりやすい性質を持ちます。
そのため、ブラッシングは毎日やってあげたいですね。ヨーキーの美しいシルキーヘアーを保つにも大切です。
※詳しくは→ヨークシャーテリアってどんな犬? 特徴を調べてみた
シーズーは毛量の多いダブルコートですが、毛周期が長く、毛が生え変わるサイクルが短毛種に比べて長いので、抜け毛が少ない犬種です。
シーズーの毛は非常に細く、室内で飼う際は掃除機で吸い切れないなど、やや手間がかかるかもしれません。毎日のブラッシングが必要不可欠となります。
※詳しくは→シー・ズーってどんな犬? 特徴を調べてみた
ビションフリーゼは、巻き毛のダブルコート。巻き毛な為、抜け毛が出にくい犬として知られています。毛が抜けても、巻き毛に絡んでしまうので、下には落ちにくいと言われています。抜けた毛が他の毛にからまって落ちないでいると、蒸れや細菌繁殖の原因になります。ブラシを欠かさず、抜け毛を取り除き、風通しのよい状態にしておく必要があります。
最も毛量の多い犬と言われており、「1回掃除機をかけたら紙パック式なら間違いなく満タン」とか「空気清浄器はあっという間に目詰まり」などの伝説があります。日々の抜け毛はもちろん特に換毛期には大量の抜け毛が発生しますね。また体も大きく毛の量も豊富なため、さらに抜け毛の量は多くなります。ゴールデン・レトリバーを飼う時は抜け毛に対する覚悟が必要ですね。
シベリアンハスキーは寒い地域の犬なので、寒さから身を守るための被毛がたくさん生えています。ダブルコート なので、毛が生え変わる時期は頻繁にブラッシングをしてあげないといけません。ただ、絡まりにくく毛玉になりにくい毛質のためお手入れは比較的ラクだそうです。
柴犬は日本犬でもっとも抜け毛が多い犬と言われています。被毛はダブルコートで、冬場になると分厚い被毛に生え変わります。夏場になると、その冬毛がごっそり抜けてしまうので、抜け毛が多いのですね。
この抜け毛を取り除かないと被毛が蒸れやすくなり、皮膚疾患を引き起こす可能性があります。柴犬は皮膚疾患にかかりやすく、換毛期は特にこまめなケアが必要ですね。
※詳しくは→柴犬ってどんな犬? 特徴を調べてみた
コーギーも、ダブルコートの犬種で、換毛期には、多くの抜け毛がでます。対策は毎日のブラッシングです。こまめにブラッシングすることで生え変わる毛をあらかじめ取り除け、部屋に散らばる毛を減らしたり、抜け毛掃除の負担を軽減したりできます。
※詳しくは→ウェルシュ・コーギー・ペンブロークってどんな犬? 特徴を調べてみた
ビーグルは被毛の量が大変多く、掃除が大変です。被毛はダブルコートで、季節の変わり目などの抜け毛が大変多いですね。
ただし、スムースコートと呼ばれる短毛の毛質なので、毛がからまって毛玉ができてしまったり、カットをしてスタイルをキープしなければいけないということはないそうです。そのため比較的被毛のケアが楽な犬種だといわれています。
※詳しくは→ビーグルってどんな犬? 特徴を調べてみた
一般的に愛犬のケアを指す「グルーミング」とは、シャンプー、ブラッシング、耳掃除、爪切りなど体の衛生を保ち機能維持のために行うこと全般のことをいいます。
一方「トリミングサロン」などで使う「トリミング」とは被毛を可愛らしいデザインにカットすることなんですね。
トリミングサロンでグルーミングもしてもらうので、ちょっとこんがらがってしまいますよね。
グルーミングは成犬になってから習慣づけようとしてもなかなかうまく行きません。子犬のときからブラッシングや耳掃除に慣れさせておくことが大切です。
グルーミングにはいくつかの目的があります。
犬を清潔に保つことが第一の目的です。犬の毛に付着したゴミやホコリ、汚れをしっかりと洗い落とすことで、雑菌の繁殖を防ぐことができます。また、ブラッシングで定期的に皮膚をチェックすることは皮膚の病気を早期発見できる可能性を高めます。腫瘍(しゅよう)やノミ、ダニなどの寄生虫の発見につながります。
できるだけ小さい頃からグルーミングをしてあげることによって人間とのスキンシップに慣れ、社会性が身につきます。
2週間から1ヶ月に1回、グルーミングのためにサロンに行くことになると思います。
では、トリミングサロンなどでグルーミングを行った場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
定期的に行わなければならないとすると気になりますよね。
私の経験からいうと、もうショップによって、また、犬種によってまちまち。
大型犬では洗う面積も労力もかかるし、長毛種なら小型犬だってそうかも知れません。料金は手間に応じてということだと思います。
たとえば チワワ などの小型犬であれば3,000円から4,000円くらいでしょうか。
柴犬 や ビーグルなどの中型犬では5,000円から6,000円。
大型犬になると場合によっては10,000円を越す場合もあるようです。
さらに様々なオプションを用意しているサロンもあります。
必要時間ですが、シャンプーとトリミング、爪切り、肛門腺などでだいたい1−2時間くらいでしょうか。
以上の値段と時間を一応の目安に、行こうと思っているトリミングサロンに、「何をしてもらいたいか」を伝えて予め確認してくださいね。
また、お店によっては施術できないこともあります。
たとえばテリア種に必要な「プラッキング」(不必要な毛を抜いていく)はやってくれるお店が極端に少ないです。
ちなみに、横浜市内では9店舗しかないので予約がなかなか取れないのが現実です。
※詳しくは→横浜市でテリアをプラッキングができるトリミングサロンは9店だけ!神奈川県内では?
「4ヶ月後なんてまだまだ先」なんて思っていると慌ててしまいますから、予約などもしっかり準備しておきましょう。
トリミングサロンとは別にお家でもグルーミングをしてあげましょう。
そのためのブラッシングの用品は犬の毛質によって揃えるものが違います。
子犬を迎える準備で代表的5つのブラシの特長をまとめました。
※詳細は写真をクリック!
犬用ブラシで最もポピュラーなのがこのスリッカーブラシ。ロング、ショート、ワイヤーコートとほとんどの犬に使えます。
密集した細いピンで、一度にたくさんの抜け毛が取れます。
ソフトとハードタイプがありますが、家庭で使用する場合はソフトタイプを選びましょう。ハードの方が素早くブラッシングできるのですが、力加減が難しく、犬の肌を痛める心配もあります。弾力性のあるソフトタイプはその心配がありません。スリッカーのサイズはSS・S・M・Lと分類されていることが多いです。大型犬以外はM,Sサイズのような小さめが使いやすいと思います。
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主に長毛の犬のブラッシングに適したブラシです。
ピンが太く、また密集率が低いため、被毛のもつれをほどいたり、抜け毛、ホコリ、フケを取り除くことができます。
スリッカーブラシに次いで、2番目に広く使われています。
クッション性があるので手首への負担が少ないため、毎日ブラッシングする必要があるロングコートの犬の場合などには重宝します。
長い期間使用するとピンがクッションに埋もれてしまい、柔らかさが失われます。毎日使用するような場合は、2~3年を目安に買い替えましょう。
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ラバー素材のブラシで、ショートコートやワイヤーコートなどの短毛の犬種に使います。
ラバーが毛を吸着するので、簡単にお手入れができます。また、そのままシャンプーやドライヤーに使用することもでき重宝します。
ゴムでできているので非常に柔らかく、皮膚を傷つけることがありません。
ただし、ゴムの引っ掛かりで毛を取り除くので使いすぎは毛を痛めてしまうので注意してください。
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獣の毛を使ったブラシです。
主に豚やイノシシの毛が使われていて、毛の艶を出す仕上げ用として使用されます。
獣毛100%のものや、ナイロンが混合したものがあります。
犬の毛に静電気が起きやすかったり、フケが出ていたりする時には、獣毛100%を選びましょう。獣毛の油分が、付着したフケや埃を除去します。毛玉や抜け毛を処理する用途には使えないので、ピンブラシやラバーブラシなどと合わせて使います。
静電気が起きにくいので、ロングコートにオススメですが、その分ホコリがブラシに溜まるので、洗い流す必要があります。
獣毛は水に弱い物が多いですから、必ずぬるま湯を使用して洗い流します。アンダーコートまでブラッシングしたい場合は、硬くて弾力があるイノシシの毛根付きの獣毛ブラシを選びましょう。
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コームは金属製のピンが均一に並んでいる、主に毛の流れを整えるための道具です。
他のブラシとセットで持っておきましょう。コームは主に長毛犬種でブラッシングした後に多用します。
使用目的によってクシ目の間隔が異なっています。通常、目の粗い部分と細かい部分が一体になっていますが、粗目はクシ目の間隔が広いので使いやすく、小型犬から犬型犬、また被毛の柔らかい犬から堅い犬まで使われます。
細目はそのあとににさらに抜け毛を取るときに使います。とくに換毛期や、下毛の多い犬種に便利です。
コームを選ぶ際には高価でも毛切れを起こしたり、皮膚を痛めたりすることのない、目の先端が丸くなったものがよいでしょう。静電気を避けるために必ず金属製のものを選びましょう。
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これはブラシではなく、いわゆるバリカンです。足の裏や肛門まわり、腹部の毛を刈ったり体全体を短く刈りそろえるときに使います。
犬用バリカンを選ぶときは、刃の長さの調整ができるかどうかや水洗い可能かなど、機能面を見ておきましょう。
機能面で重要なのは、まず犬を怖がらせないこと。バリカンの音や振動が大きすぎると、怖がってしまいますからね。低騒音や低振動仕様タイプのものがいいでしょう。また、毛が散らばるので屋外で使いたい場合はコードレスタイプが便利です。
ブラッシングは被毛をとかすだけではなく、抜けた毛を取り去ったり、フケを落としたり、という役割があります。
また皮膚に刺激を与えて新陳代謝を活発にするという効果もあります。
子犬のうちから毎日ブラッシングをする習慣をつけると、成犬になってから嫌がりません。
また、体を触られることにも自然と慣れることができ、飼い主とのコミュニケーションを密にすることができます。コミュニケーションがキチンと取れている犬は大きな問題行動を起こさないものです。
はじめはあまり力を入れず、体を軽くなでるくらいで構いません。ブラッシングをしながらノミやダニが付いてないかも確認してくださいね。
スリッカーはあまり強く押し付けて使わないでください。
全体の被毛をほぐすくらいの力加減でやってみましょう。
大きな毛玉を取ったり、毛についた汚れをある程度取るのがスリッカーの役割になります。
だからスリッカーが地肌にさわってしまうような使い方はしないこと。
とくに関節や胸など段差がある部分をスリッカーで強くこすると肌が赤くなりやすいです。優しくグルーミングしてあげましょう。
スリッカーである程度とかせたら、次はコームを使います。
最初は毛先からくしを入れて流れをつくるようにしながら、だんだん根元の方へととかして行ってください。
最後に毛艶を出したいときに獣毛ブラシを使います。
ピンブラシやラバーブラシは犬の毛質や長さなどに応じて用意してくださいね。
毛が抜けるけど、この子がいいんだよなあ。結局のところ、こんなふうに思っちゃうんじゃないでしょうかねー。
でも、一応知っておけば覚悟ができますものね。
あとはこまめなお手入れですよ!