犬は散歩が大好きなもの。
誰もがそう思っているかもしれませんね。
実はそうでない犬も意外にいるのです。
犬の散歩に行こうとすると、玄関から出てこなかったり、やっと連れ出したと思えば、道の真ん中で止まって動かなくなっちゃったり。
ほかの犬はあんなに楽しそうに散歩しているのに、なぜうちの犬は散歩が嫌いなんだろう。
飼い主としては落ち込むし、焦っちゃいますね。
どんな原因で散歩を嫌いになるのか
どんな原因で犬が散歩嫌いになってしまうのでしょうか? 次のような事柄に思い当たるものはありませんか?

外の世界に慣れていない
考えてみれば、見知らぬ人間や、車、犬が行き交う外の世界は、子犬にとってみれば怖くて当然ですよね。
怖い思いをした
一度散歩に出かけたときに、知らない犬に吠えられた。
クルマのクラクションが鳴った。
など、怖い経験があるときも散歩を怖がることがあります。
散歩だけでなく、音や人、ほかの犬など特定の刺激を強く怖がる場合は、犬が怖がる原因と対処の考え方もあわせて確認してみてください。
アスファルトが熱いなど不快な思いをした
真夏のアスファルトは肉球を火傷するぐらい温度が上がっています。
ましてや子犬の肉球はまだ柔らかいですから危険です。
このような経験がトラウマになっているのかもしれません。
首輪に慣れていない
首輪をしたのが、最初の散歩の日では、首輪に良いイメージを持てません。
子犬にしてみればいきなり首を絞められ、リードで引っ張られているイメージしかないのかもしれません。
4か月までの社会化期に外の世界に慣れさせよう
犬が「社会に順応する力を養う」ことを社会化といいます。
そして、生後3週間~14週間(生後3カ月半)までに体験するとすんなり順応していく傾向があるのです。
これを「社会化期」といいます。
子犬が散歩を怖がらないようにするには、この社会化期に「外の世界は怖くない」と理解させることが大切なのだそうです。

首輪をする練習をしよう
おうちの中で練習します。
いきなり散歩用のがっしりとした首輪ではなく、まずはリボンなどを使って首に巻いてやり、違和感に慣れさせましょう。
徐々につけている時間を長くしていき、慣れたところで散歩用の首輪に切り替えてみましょう。
首輪だけでなくハーネスにも少しずつ慣れさせる
散歩でハーネスを使う予定なら、首輪と同じように室内で短時間つけるところから始めます。
装着したらおやつをあげる、数分で外す、慣れてきたら室内でリードをつけて歩く、と小さく段階を分けると進めやすいです。
首輪とハーネスの特徴や安全面は、犬がハーネスを嫌がるときの対処も参考になります。
外の世界に慣れさせよう
縁側や庭でおやつを食べて過ごしてみましょう。
まずは外の空気に慣れてもらいます。
縁側や庭に出るだけで、様々なにおいや音がします。
怖がらせないようにお菓子などで誘導しゆったり過ごしましょう。
抱っこしたまま近所を回ってみる
次におうちの周りを抱っこして回ってみます。
子犬の場合、ワクチン接種後が社会化期と重なってしまう場合もあるので、その意味でも地面に触れさせず抱っこして外の世界に接することは有効です。
長い時間行く必要はありません。
本当に一回りで、おうちの周りを子犬に見せてあげてください。
散歩を始める時期とワクチンの考え方を詳しく確認したい場合は、子犬の散歩はいつから大丈夫かも参考にしてください。
| ワクチン完了前にもできること | 注意したいこと |
|---|---|
| 抱っこで家の周囲を見る | 地面を歩かせる時期は獣医師に確認する |
| 車やバイク、生活音を遠くから聞く | 大きな音の近くへ無理に連れていかない |
| 首輪・ハーネス・リードの練習 | 長時間つけっぱなしにしない |
| 足・耳・口などを触られる練習 | 嫌がったら短時間で終える |
公園などに連れていき、散歩ではなくのんびり過ごしてみる
クルマなどで公園に行き、草原に寝転がってのんびり過ごしましょう。
とくに散歩をするのではなく、おうちの庭ではない、外にいることに慣れさせましょう。
地面の感触にも少しずつ慣らそう
散歩では芝生、土、アスファルト、タイルなど、足裏にさまざまな感触が伝わります。
初めての感触に戸惑う子もいるので、いきなり長く歩かせず、落ち着いて立てる場所から少しずつ経験させましょう。
暑い時期は地面の温度にも注意します。
ほんのちょっとした用事でも外へ連れ出す
たとえ郵便ポストまで3分の行き帰りでも子犬を連れて行ってください。
そのくらいの短い時間の散歩なら怖がらず周囲の様子を学習していくはずです。
ほかの犬と遊べなくても社会化はできる
社会化というと、ほかの犬と仲良く遊ばせることを思い浮かべるかもしれません。
でも、散歩中に犬を見ても落ち着いていられる、知らない人とすれ違える、車や自転車の音を聞いてもパニックにならないことも大切な社会化です。
犬同士の交流を急ぐ必要はありません。
ドッグランで無理に交流させる前に、相手の犬と自分の犬の様子を見分ける考え方は、ドッグランで犬が嫌がるサインの見分け方も参考になります。
4か月を過ぎても散歩に慣れることはできる
社会化期は新しい刺激に慣れやすい時期ですが、4か月を過ぎたらもう手遅れという意味ではありません。
月齢が進んだ犬でも、怖がらずにいられる距離や短い時間から少しずつ経験を重ねていけます。
焦って一度に慣らそうとせず、その犬のペースを見て進めましょう。
やってはいけないしつけは?
子犬が散歩を嫌がると、焦りますよね。
気持ちはわかりますが、その結果やってはいけないしつけ方をすると、トラウマになってしまい余計散歩が嫌いになる悪循環に陥ってしまうこともあります。

引きずっていく
始めはいってきかすのですが、だんだん焦ってきてリードで引きずってしまう。
これはとても危険です。
肉球がすれて切れてしまいます。
首も痛めるかもしれないです。
肉球はいつも地面に着いているので怪我すると治りにくい部署ですし、引きずられることで犬にトラウマになってしまうことだってありますからね。
怒る
子犬に怒ったり怒鳴ったりしても問題は解決しません。
逆に怒っているあなたを怖がるようになるかもしれません。
その結果散歩まで嫌いになってしまったら本末転倒ですよ。
子犬が散歩中に怖がって動かないときの対処法
散歩の途中で子犬が固まってしまうと、つい「もう少しだから」と進ませたくなります。
でも、怖さが強いときは距離や刺激を減らして、落ち着ける状態に戻すことを優先します。

散歩中に止まる理由をさらに細かく整理したい場合は、犬が散歩中に止まる・怖がる原因と対処法もあわせて確認してみてください。
まず怖がっているものから距離を取る
犬、車、自転車、人、大きな音などを見て固まったら、その刺激に近づけるのではなく、いったん距離を取りましょう。
振り返れる、においを嗅げる、飼い主の声を聞けるくらいの余裕が戻る場所が目安です。
おやつを食べられる距離から慣らす
いつも食べるおやつを外で食べられるなら、まだ周囲を見る余裕がある目安になります。
食べられないほど緊張している場合は、もっと静かな場所や家の近くまで戻りましょう。
短時間で「楽しかった」で終える
散歩の練習は、長く続ければ早く慣れるとは限りません。
玄関前で数分過ごして落ち着けた、家の前を少し歩けた、というところで終わらせる日があって大丈夫です。
歩いた距離より怖くなかった経験を増やす
散歩の成功を「何百メートル歩けたか」だけで判断しないことも大切です。
昨日より外にいる時間が少し伸びた、車を見ても固まらなかった、という小さな変化を積み重ねていきましょう。
無理に進ませないほうがいいサイン
- その場で固まる
- 尻尾が下がる
- 後ろへ逃げようとする
- 震える
- ハアハアして落ち着かない
- いつものおやつを食べなくなる
- 特定の犬や車をじっと見続ける
- 急に激しく吠える
成犬になってから散歩を嫌がる場合
子犬の社会化期を過ぎた犬でも、外の刺激に少しずつ慣れていくことはできます。
子犬より時間がかかることはありますが、「もう遅い」と考えて一気に慣らす必要はありません。

怖がる対象から距離を取ってやり直す
ほかの犬、車、人混みなど、何を怖がっているのかを観察します。
その対象を見ても落ち着いていられる距離から始め、平気でいられるようになってから少しずつ距離を縮めます。
一度怖い思いをしても簡単な段階まで戻ればいい
散歩中に吠えられた、追いかけられた、大きな音に驚いたなどの経験があっても、同じ場面へすぐ戻す必要はありません。
静かな道や家の前など、安心できる段階まで戻して成功体験を作り直します。
急に散歩を嫌がるようになったら様子をよく見る
それまで普通に歩いていた成犬が急に散歩を嫌がるようになった場合は、怖さだけでなく、足や体の不調など別の理由がないかも確認しましょう。
痛そうにする、歩き方がおかしい、元気や食欲まで落ちているなど気になる変化があれば、動物病院への相談も考えてください。
子犬が散歩を嫌がるときのFAQ

子犬が散歩で座り込んだら抱っこしてもいい?
無理に引っ張るより、いったん抱っこして安全な場所へ移動して大丈夫です。
落ち着いたら、静かな場所で少しだけ地面に下ろすなど、簡単な段階からやり直します。
子犬が散歩でおやつも食べないのはなぜ?
緊張が強く、食べる余裕がなくなっている可能性があります。
もっと静かな場所や自宅の近くまで戻り、落ち着ける距離から始めてみましょう。
生後4か月を過ぎたら社会化は遅い?
遅すぎるわけではありません。
社会化期より時間がかかることはありますが、怖がらない距離と短い時間から少しずつ経験を重ねていけます。
ほかの犬と遊ばせたほうが散歩好きになる?
必ずしも遊ばせる必要はありません。
ほかの犬を見ても落ち着いてすれ違えるだけでも、十分に大切な社会化です。
ドッグランなどで相手の犬が嫌がる場合は無理に遊ばせず、距離を取ります。
ワクチンが終わるまで外に出さないほうがいい?
抱っこやキャリーを使って、外の音や景色に触れる方法があります。
地面を歩かせる時期はワクチン接種の状況や地域の感染リスクによって判断が変わるため、かかりつけの獣医師に確認すると安心です。
成犬がほかの犬を怖がる場合も慣れていける?
少しずつ慣れていくことはできます。
まず相手の犬を見ても反応が強く出ない距離を取り、落ち着いていられる経験を積み重ねます。
吠え続ける、逃げようとするなど反応が強い場合は、距離を広げてください。
まとめ
子犬は元気なものですが、ナイーブでもあるのですね。

飼い主が散歩に対して夢を抱いているのも理解できますが、将来散歩嫌いでてこずることのないように、子犬の時には慎重に、じっくりと外の世界を理解してもらうのが良いと思います。


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