犬って、みんな頭がいいんでしょう?
そんなふうに思っている人が聞いたら、腰を抜かすかもしれません。
けれど、犬にも「おバカかわいい」ランキングみたいなものがあって。
そのワースト1に堂々ランクインしたのが、アフガンハウンドという犬種です。
ただし、ここにはちょっとした誤解もあるのです。
単なる「できない子」ではない、彼らなりの生き方があるのですよ。
アフガンハウンドって、どんなヤツ?
流れるような長い被毛。
鋭い目つき。
どこか王族っぽいオーラ。
それが、アフガンハウンドの第一印象です。
犬種のなかでも、ひときわ特徴的なルックスを誇ります。
大型犬のなかでも、体高も体重も堂々たるもの。
オスなら体高70センチ近くにもなり、まさに「犬界の貴公子」なのです。
そんな見た目とは裏腹に、性格はちょっと頑固。
理解しがたい行動をとることもしばしば。
でもそこが、たまらなく魅力的だったりしますね。
まるで王族、でもマイペース
アフガンハウンドは、ビジュアルだけ見ると「さぞや従順な犬なんだろう」と思われがちです。
でも、ぜんぜん違います。
マイペース。
自由気まま。
飼い主さんの指示を無視して、気になるものにまっしぐら……そんな姿は、もはや王族というより、自由人そのもの。
この「つけ」や「待て」も通じない感じ、クセになる人にはたまりませんよ。
アフガンの原産地エピソード
アフガンハウンドは、その名の通り、アフガニスタンが原産地。
過酷な山岳地帯を駆け抜ける猟犬として活躍していました。
ペットや愛玩犬ではなく、獲物を追うための頼もしいパートナーだったのです。
独立心と警戒心が求められる環境で育ったため、現在でもその性格は色濃く残っていますね。
狩りは得意、指示は苦手
ウサギ狩りに代表されるように、アフガンハウンドは狩猟犬として一流でした。
鋭い嗅覚と、卓越した判断力。
それに勇敢な行動力。
ただ、警察犬のような「従順さ」は求められていませんでした。
そのため、訓練されることよりも、自分で状況判断することが得意なんですね。
「指示? なにそれ?」という顔をされること、間違いなしですよ。
世界がうらやむビジュアル担当
アフガンハウンドが世界中で人気なのは、その美しさゆえ。
イギリスをはじめ、ヨーロッパの貴族たちの間で愛されたのも納得です。
長い被毛は、まるでシルク。
歩くたびにふわりと揺れて、まるでファッションショーのランウェイモデルのよう。
体格も大型犬らしく、しっかりしているので、見た目だけなら「完璧」な犬種だと言えるでしょう。
ただし……中身はけっこうクセ強めですが。
なぜ「頭が悪い」と言われちゃうの?
ランキングでワーストに名を連ねるアフガンハウンド。
その理由は「理解できない」「指示をきかない」など、なかなか辛辣なものが多いです。
でも、よくよく考えると、彼らは「できない」のではなく「やらない」だけかもしれません。
犬種による性格の違いを知らずに飼い始めると、「バカ犬だ!」と早とちりしてしまうことも。
本当は、彼らなりの独立心とプライドがそうさせているだけなのですね。
言うことを聞かない=バカ?
犬の賢さって、「指示に従うかどうか」で決まるわけではありません。
ビーグルやバセンジーも、自由人タイプの犬種ですし。
アフガンハウンドも同じ。
「呼ばれたから行く」という考えがそもそも薄いのでしょう。
行動原理が「自分が興味あるかないか」になっているわけですね。
そのため、飼い主さんが「おいで!」と呼んでも、気が向かなければ動かないのです。
賢いけど自由人だった説
アフガンハウンドは、頑固なだけじゃありません。
もともと、狩猟犬として独自に判断して動く必要がありました。
「つけ」や「伏せ」を覚えないからといって、頭が悪いわけではないのです。
むしろ、独立心と集中力に長けている犬種と言えるでしょう。
ペットとしては手ごわいかもしれませんが、そこに愛情を注げるなら、これ以上ないパートナーになりますね。
テスト嫌いな天才タイプかも
学校の成績だけで人を測れないように、犬の賢さも一面だけでは判断できません。
アフガンハウンドは、いわば「テスト嫌いな天才タイプ」。
命令に従う訓練は苦手でも、獲物を追うとなれば驚くべき集中力を発揮します。
興味がある分野にはすごい能力を発揮する……そんな性格なのではないでしょうか。
「できない」じゃなく「やらない」主義
できるけど、やらない。
これがアフガンハウンドの生き様です。
興味のないことには、びっくりするほど無関心。
でも、自分が好きなことには驚くほどの情熱を見せます。
この「選び取る」態度に、彼らの誇り高さを感じずにはいられません。
だからこそ、飼い主さんも、彼らの「できること」に目を向けてあげる必要があるのですね。
性格は?ドライでクールな愛されキャラ
アフガンハウンドの性格をひと言でまとめると「ドライでクール」。
でも、そこに不思議な愛嬌があるのです。
べったり甘える小型犬タイプとは正反対。
「お前はお前、わたしはわたし」という、潔い関係を好みます。
ただし、心を開いた相手には、とびきりの愛情を見せることも。
このツンデレ感、クセになる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
一途だけどツンデレ気味
アフガンハウンドは、一度心を許した飼い主には、深い忠誠心を見せます。
ただし、あくまで「自分が認めた相手」にだけ。
誰にでもなつく従順タイプではありません。
ツンツンした態度の裏には、確かな愛情が隠れているのです。
このギャップがたまらなく可愛いと感じる人もいるでしょうね。
他の犬とも人間とも距離感大事
アフガンハウンドは、他の犬種、たとえばブルドッグやチャウチャウのような、がっちり密着系とはちょっと違います。
どんな相手に対しても、一定の距離を保とうとします。
ベタベタした関係を好まないのは、彼らの独立心ゆえでしょう。
無理に近づきすぎると、逆に警戒心を刺激してしまうかもしれませんね。
甘えモード発動は気まぐれ
ツンデレなアフガンハウンドですが、たまに甘えモードを発動させることも。
それはもう、レアイベント。
膝に頭を乗せてきたり、そっと寄り添ってきたり。
そんな瞬間は、飼い主冥利に尽きるでしょう。
でも「もっと甘えてよ!」と強要すると、一気にテンションダウンするので注意が必要ですね。
プライド高めな犬付き合い
アフガンハウンドは、犬同士の関係でもプライドを忘れません。
大型犬でも小型犬でも、中型犬でも、相手が誰であろうと自分を曲げないのです。
とくに闘犬タイプのマスティフなどと張り合う気はありませんが、必要以上にへりくだることもありません。
この高潔さ、どこか貴族的な気品すら感じさせますね。
しつけってできる?できない?いや、できる!
アフガンハウンドはしつけが無理!と、最初からあきらめる人もいます。
でもそれ、ちょっと早計かもしれません。
彼らにも理解する力はちゃんとあるのです。
ただ、頑固で集中力にムラがあるため、アプローチを工夫する必要があります。
子犬の頃から、愛情たっぷり、根気よく接することが大切ですね。
一緒に頑張れば、きっと彼らも応えてくれるでしょう。
子犬時代が勝負どころ
アフガンハウンドのしつけは、子犬時代が超重要。
このころに社会性を身につけるかどうかで、その後の生活が大きく変わります。
個体差もありますが、興味津々な時期を逃すと、どんどん「自分流」が強まってしまいます。
飼い主さんは、遊び好きな子犬に合わせて、楽しいトレーニングを心がけるとよいでしょう。
叱るより褒めちぎれ作戦
アフガンハウンドにとって、叱られることはプライドを傷つける大事件。
だから、叱るよりも「褒めちぎれ作戦」が効果的です。
できたらすぐに褒める。
大げさなくらい喜んでみせる。
この「嬉しい」という感情が、次の行動へのモチベーションになりますね。
ごほうび最強説、ここにあり
おやつ、ごほうび、遊び。
アフガンハウンドの心を動かすなら、これらが最強アイテムになります。
訓練においても、ごほうびをうまく使えば、集中力をぐっと引き出すことが可能です。
ただし、興奮しやすいタイプなので、落ち着いた状態をキープすることも大切ですよ。
できたら奇跡!と思うくらいで
しつけのハードルは、低めに設定しましょう。
できたら奇跡!くらいの気持ちで取り組むと、飼い主さんの心も軽くなります。
叱らず、焦らず、根気よく。
今日一歩進んだら、それで十分と考えることで、楽しいトレーニングになりますね。
そのためにも、家族みんなで協力することが必要になってきます。
ケアがすごい!被毛のお手入れ地獄
アフガンハウンドと暮らすうえで、避けて通れないのが被毛ケア問題です。
あの美しい長い毛、ただ眺めているだけでは維持できません。
日々のブラッシング、週1のシャンプー、ドライヤーとの死闘。
これって犬というより、モデルのヘアメンテでは?と錯覚するレベルです。
しかし、その苦労があるからこそ、アフガンハウンドの輝きは保たれているのですよ。
シャンプーは週1、覚悟して
アフガンハウンドの毛は、細くて柔らかいため、汚れやすく絡まりやすいです。
そのため、シャンプーは最低でも週1回が理想。
大型犬なので、洗うだけでもひと苦労。
でも、これをサボると、毛玉ができたり、肌トラブルの原因になったりします。
シャンプーは、彼らの健康を守るために、必要不可欠な習慣なのです。
ドライヤー1時間コース
洗ったあとのドライヤータイム。
これがまた、壮絶。
普通の小型犬なら10分もあれば乾きますが、アフガンハウンドは1時間コースを覚悟してください。
根元までしっかり乾かさないと、カビや皮膚病のリスクも出てきます。
忍耐力と、ちょっとしたプロの美容師気分が求められるでしょう。
ブラッシングは愛の修行
ブラッシングは毎日が基本。
放置するとすぐに毛がもつれ、悲惨な状態になります。
最初はめんどうに感じるかもしれませんが、だんだんとブラシを通す時間=愛情タイムになっていきます。
お互いにリラックスしながら、少しずつ信頼を深めていける瞬間でもありますね。
美しさは、努力の賜物だぜ
テレビや雑誌で見るアフガンハウンドたち。
あの完璧な姿は、裏にものすごい努力があるからこそ。
飼い主さんたちは、日々コツコツとケアを積み重ねています。
どうせ生まれつきでしょと思ったら大間違い。
美しさとは、飼い主と犬との共同作業なのだということを、改めて感じさせられます。
アフガンハウンドと暮らす日々は冒険
アフガンハウンドと一緒に暮らすということは、毎日がちょっとした冒険になります。
穏やかな温厚犬とは一味違う、自由すぎるハウンドとの生活。
朝起きたらソファでくつろいでいたり、突然ランウェイのように家を駆け回ったり。
予定調和なんて、アフガンハウンドには通じません。
でも、それこそが彼らと暮らす醍醐味ではないでしょうか。
家の中をランウェイにする犬
アフガンハウンドの歩き方は、とにかく優雅です。
リビングを横切るだけで、まるでトップモデルの登場みたい。
その毛並みが風を受けてなびくさまは、思わず「おお……」と見惚れてしまうほど。
家の中が彼らにとってはステージ。
飼い主さんは、日々小さなショータイムを楽しめるでしょう。
散歩は気まぐれトラベル
アフガンハウンドとの散歩は、ちょっとした小旅行になります。
気分が乗ればぐんぐん歩くし、興味がないとその場から動かない。
あるいは突然、目に留まったものを追いかけようとすることも。
ビーグルやボルゾイと同じく、ハンター魂がふと顔を出す瞬間ですね。
安全には十分気をつけつつ、気ままな旅を楽しみましょう。
「呼び戻し」って何語?
犬にとって基本中の基本ともいえる「呼び戻し」。
ですが、アフガンハウンドにとっては、もはや異国の言葉のよう。
飼い主さんがどんなに必死に呼んでも、「今、無理なんで」とスルーされることも珍しくありません。
こればかりは、犬種の特徴だと割り切るしかないでしょう。
でも、愛おしくてたまらない
自由すぎる行動。
マイペースな性格。
わが道を行くアフガンハウンド。
それでも、一緒に暮らしていると、だんだんとそのすべてが愛おしくなってきます。
お互いにペースを合わせるのではなく、尊重し合う関係。
そんな不思議な絆が、いつのまにか生まれているのです。
飼う前に覚悟してほしいこと
アフガンハウンドは、見た目に一目ぼれして迎えたくなる犬種ナンバーワンかもしれません。
でも、その美しさの裏には、なかなか骨の折れる現実も隠れています。
生活の中で必要になるケア、性格の理解、家族全員の協力体制。
かわいい!だけで飛び込むと、後悔するかもしれません。
だからこそ、飼う前にはじっくり考えてほしいのです。
それでもこの子と一緒に生きたいと思えたなら、大丈夫ですよ。
本気で「見た目」に惚れた?
アフガンハウンドは、単なるペット感覚では付き合いきれない犬種です。
かっこいいから、かわいいからだけでは、途中でつらくなってしまうかもしれません。
彼らの特徴を理解し、性格のクセをまるごと受け止める覚悟が必要になります。
見た目だけに惚れたのではなく、中身も愛せるか、自問してみてくださいね。
忍耐力とユーモアは必須アイテム
頑固なところ。
マイペースな行動。
突然の興奮。
これらに一喜一憂していたら、心がもちません。
忍耐力と、ユーモアのセンスは必須です。
たとえば、思うように訓練が進まない日も、今日は自由演技の日だったんだなと笑えるくらいの心の余裕がほしいところです。
家族全員で支える覚悟を
アフガンハウンドを迎えるなら、飼い主一人ががんばるだけでは足りません。
家族全員でこの子を支えようという気持ちが必要になります。
生活環境を整えたり、毎日の運動量を確保したり、しつけに取り組んだり。
ときには、大型犬特有の問題行動に悩むこともあるでしょう。
そんなとき、孤立せずに支え合える体制が、とても大切になりますね。
それでも一緒にいたいと思ったらOK!
いろいろ大変なことを書きましたが、それでもなお一緒に暮らしたいと思えたなら、もうそれが答えです。
アフガンハウンドは、自分をしっかり持った犬です。
だからこそ、人間側も本気で向き合う必要があります。
互いに尊重し合いながら暮らしていく日々は、きっとかけがえのない冒険になるでしょう。
まとめ:自由すぎる天使、それがアフガンハウンド
アフガンハウンドは、まさに自由すぎる天使と呼ぶにふさわしい犬種です。
ランキングでワーストに入ろうと、犬種として頭が悪いなんてことはありません。
ただ、独立心が強くて、頑固で、判断基準が自分であるだけ。
そのため、一般的なペット感覚で接すると、なかなか理解しきれない部分が出てくるのです。
でも、そこにこそ、アフガンハウンドと暮らす面白さが詰まっています。
彼らをありのまま受け入れること。
それが一番、大切なことなのではないでしょうか。
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