今日は、犬のなかでもとくに賢いと評判のパピヨンについてお話しします。
パピヨンは、その小さな体と美しい飾り羽のような耳が特徴的な小型犬ですね。
フランスの貴族たちにも愛されていたこの犬種は、実は非常に高い知能を持っていることで知られています。
ではパピヨンがなぜ賢いとされるのか、その理由を7つご紹介します。
パピヨンってどんな犬? 寿命は?
パピヨンの名前の由来はもちろん、立ち耳から被毛がたれた形が「蝶」のように見えるからですね。
パピヨンの祖先は、スペイン原産のトイ・スパニエル。
例によって王侯貴族に寵愛を受けてまして、マリーアントワネットが愛した犬種としても有名なんです。
でも、貴族に愛されたのでフランス革命のときには貴族とともに多数のパピヨンが殺されたと言われています。ひどい話です。
立ち耳のスピッツとの交配によって実現されたんですが、実はたれ耳のパピヨンもいます。知ってました?
こちらはファーレンと言います。ファーレンはフランス語で「蛾」。同じ犬種なんですが、その名前の付け方が絶妙というか、エスプリが効いているというか。
日本ではこの2種類を分類しておらず、同じ犬種として扱っているのです。
実はマリーアントワネットが処刑される直前まで抱いていたのが、このファーレンとも言われているんです。
また、パピヨンは長生きすると言われる犬種の一つです。パピヨンの寿命は日本の家庭圏の平均寿命よりも長い13−16歳と言われていますよ。
パピヨンの体の特徴
体高は約28cm、体重はオス1.5〜4.5kg、メス1.5〜5kg
立ち耳と尾に長い飾り毛があり優美で気品があります。長毛で手足が細く、とても華奢に見えますが、実際は丈夫な犬種で非常に活発です。
パピヨンの毛色
パピヨンの毛色は大きく2種類です。
3つの色が入った「トライカラー」と、2色だけの「パーティーカラー」です。どちらにもひたいに「ブレーズ」(白い模様)があり、模様が左右対称です。
2色のパーティーカラー
「ホワイト&レッド」「ホワイト&セーブル」「ホワイト&ブラウン」「ホワイト&ブラック」の4パターンがあります。
3色のトライカラー
ホワイトを基調にセーブル・ブラックが混ざった3色の毛色です。
「クラシックトライ」
ブラックが多め。目の上に眉毛のようなタンが現れます。
「ハウンドトライ」
クラシックトライと比べてセーブルが多く、明るく華やか。
どちらのタイプも顔だけではなく、腰、飾り毛にトライカラーが現れます。
ただし、パピヨンは成長期から成犬にかけて毛色が変化するんですね。
生まれたてはパーティーカラーだったのに、成長するとトライカラーになることも少なくありません。好みの毛色にならない可能性があることも認識しておきましょう。
パピヨンの性格は?
頭がいい
パピヨンは人間の行動や言葉を観察しながら多くのことを学習できるほど聡明です。
そのため知能が高く、訓練がしやすいとされています。
しつけをしっかりと行うことで、素晴らしい家族犬になることが期待できます。
好奇心が強い
パピヨンは、好奇心が強く、何でも知ろうとするタイプの犬種です。
そのため、外に出ることが大好きで、新しいものに興味を持ちます。好奇心旺盛で気になるものにはすぐに近寄っていきます。
他の犬に対しても自分から挨拶にどんどん行ってしまうので、喧嘩にならないように注意しましょう。
プライドが高い
パピヨンは、貴族犬として歴史があり、その気品や優雅さから、自分自身にもプライドを持っています。
しかし、そのプライドの高さがワガママな行動につながることもあります。
飼い主には愛されたいと思い、意図的ないたずらを行うことや、プライドの高さから主従関係がはっきりしていないと言うことを聞いてくれないことも。
愛情深く接して信頼関係を築いていってください。
警戒心が強い
パピヨンは、小型犬ではありますが、警戒心が強く、見知らぬ人や犬に対しては、警戒心を示します。そのため、しっかりと社会化を行うことが大切です。
イタズラ好き
パピヨンは、好奇心旺盛で、やんちゃな面もあります。そのため、物をかじったり、飼い主に対して意図的ないたずらを行ったりすることがあります。
運動量が必要
パピヨンは、小型犬ではありますが、活発で運動量が必要です。散歩や遊びを通じて、ストレス発散や健康管理を行うことが大切です。散歩は、1日2回、1回につき30分程度が好ましいでしょう。 距離にすると、1~2kmほどですね。
では、本題であるパピヨンがどれだけ頭がいいのかという話に移りましょう。
賢い犬種ランキング
1994年に犬の知能に関する研究で有名なスタンレー・コレン博士が発表した賢い犬種は次のとおりです。
10位 オーストラリアン・キャトル・ドッグ
9位 ロットワイラー
8位 パピヨン
7位 ラブラドールレトリバー
6位 シェトランドシープドッグ
5位 ドーベルマン
4位 ゴールデンレトリバー
3位 ジャーマンシェパード
2位 プードル
1位 ボーダーコリー
パピヨンは賢い犬種ランキングで8位にランキングされています。
コレン博士によると、パピヨンは学習能力や問題解決能力が非常に高く、わずか数回のトレーニングで新しいコマンドを覚えることができると言われています。
これだけの知能を持つパピヨンは、家庭でもトレーニングがしやすく、飼い主にとって頼もしい存在となるでしょう。
パピヨンが賢いと言われる理由
学習能力の高さ
パピヨンは、ほかの犬種に比べて新しいことを覚えるスピードが速いです。
例えば、新しいトリックやコマンドを数回のトレーニングで習得することができ、飼い主の指示を的確に理解して実行します。
この学習能力の高さは、飼い主にとって非常に魅力的なポイントです。
感情が理解できる
パピヨンは、人間の感情を敏感に察知する能力があります。
飼い主が悲しんでいるときやストレスを感じているとき、パピヨンはその感情を感じ取り、そばに寄り添って慰めてくれます。
この共感能力の高さがパピヨンが愛される理由の一つですね。
環境適応能力に優れている
パピヨンは新しい環境や状況に迅速に適応する能力に優れています。
旅行先や新しい住居でもストレスを感じることなく過ごすことができるため、飼い主にとっても安心ですよね。
順応性が高い
パピヨンは非常に順応性が高く、さまざまな状況に柔軟に対応することができます。
例えば、忙しい日常生活のなかでも、自分の役割を理解し、適切に行動することができます。この順応性の高さは、パピヨンが家庭内で快適に過ごすための大きな要素です。
飼い主の指示をよく理解できる
パピヨンは、飼い主の指示をよく理解し、それに従うことができます。複雑なコマンドやトリックも簡単に習得できるため、訓練が非常にスムーズです。
これにより、パピヨンは家庭内でのルールを守り、良好な行動を維持することができます。
状況判断能力が高い
パピヨンは、状況を的確に判断する能力が高いです。
例えば、危険な状況や緊急事態に対して迅速に反応し、適切な行動を取ることができます。この状況判断能力は、飼い主とパピヨンの安全を守るために非常に重要です。
忠誠心が強い
パピヨンは、飼い主に対して非常に強い忠誠心を持っています。飼い主のことを大切に思い、その指示に従って行動することが多いため、非常に信頼できるパートナーとなります。この忠誠心は、飼い主との絆を深める大きな要素です。
パピヨンを飼うとき気をつけること
社会化をしっかり行う
パピヨンは社交的な性格を持っていますが、子犬のころからほかの犬や人と接する機会を設けることが重要です。
社会化が不足すると、警戒心が強くなりすぎる傾向があるため、積極的にほかの犬や人と触れ合う時間を作りましょう。
日常のケア
パピヨンを飼う際には、日常のケアが非常に重要です。パピヨンの美しいコートは、定期的なブラッシングが必要です。
ブラッシングを怠ると毛玉ができやすく、皮膚の健康にも影響を与えます。
また、定期的なシャンプーも重要です。とくに、パピヨンは外耳炎になりやすいので、耳のケアも忘れずに行いましょう。
運動不足を避ける
パピヨンは非常に活発な犬種であり、十分な運動が必要です。
毎日の散歩や遊びを欠かさないようにし、運動不足によるストレスや肥満を防ぎましょう。パピヨンは運動神経が抜群なので、アジリティなどのスポーツも楽しめます。
肥満に気をつける
パピヨンは食事が大好きで、食べ過ぎによる肥満に注意が必要です。
適切なフードの選択と食事の管理を行い、健康的な体重を維持することが大切です。
肥満は膝蓋骨脱臼や関節の問題を引き起こす原因となるため、日々の食事管理は欠かせません。
まとめ
パピヨンは、その賢さと愛らしい性格で多くの犬好きに愛されています。
高い学習能力、感情理解能力、適応能力など、パピヨンが賢いと言われる理由は数多くありますからね。
一方、飼い主としては、日常のケアや運動、社会化、食事管理など、注意すべき点も多くあります。パピヨンの健康と幸福を維持するために、適切なケアを心掛けましょう。
これからパピヨンを飼うかたも、すでに飼っているかたも、愛犬との生活をより豊かにするために参考にしてくださいね。
パピヨンの魅力を十分に理解し、大切な家族の一員として、楽しい時間を過ごしてください。パピヨンとの生活は、きっと素晴らしいものになることになりますよ!
コメント