犬が耳を舐めてくる 首も舐める しつこいからやめさせたい

犬が耳を舐めてくる 首も舐める しつこいからやめさせたい

犬が飼い主を舐めるのは?

犬が耳を舐めてくる、そんな経験ありませんか? たとえば犬を抱っこしたり、飼い主が床で寝そべっているなど、顔が犬に近づいたとき、「ぺろぺろ」と顔を舐め回されますよね。

それがとっても執拗でちょっと注意したくらいでは止める気配がないんですよ。

愛されているのかなとうれしい反面、びちょびちょになりますからね。なんとかやめさせられないかな、と思っちゃいます。

なぜ、犬は人を舐めるのでしょうか?

調べようとしている

犬はなんでも口に入れますよね。

新しい食べ物やおもちゃなどもとりあえず一度口にくわえます。

これは一度口に入れる、舐めてみることでどんなものなのかを調べようとしているのですね。

愛情表現やコミュニケーション

人間であれば「舐める」という行為は味を調べるということでしょうね。

犬の場合ももちろんその目的の場合もありますが、それ以外に「コミュニケーションとして舐めている」ことがあります。

人間ならば言葉で挨拶するところで舐めている場合がありませんか?

それから愛情の表現。飼い主のことが好きでたまらず思わず舐めてしまうのです。そんな場合にはこちらも撫でてあげて愛情を表現してあげてはどうでしょう。

しょっぱい味が好き

犬は塩味に鈍感で、より強いしょっぱい味を求めています。

人間は全身に汗腺があって汗をかけば塩分が体につきます。その味を求めているのかもしれません。

皮脂や垢の味を求めている

逆に塩味をあまり感じ取れないから、それ以外の味を求めているのかもしれません。人間の体の表面には皮脂や垢などの老廃物がありますから、そちらを求めているのかもしれません。

飼い主を喜ばせたい

犬が初めてあなたを舐めたとき、あなたはどんな反応をしましたか?

くすぐったくて笑ったり、愛情を表現してくれたと思って撫でてあげたりしたのではないでしょうか。

その行為によって犬は「舐めると喜んでくれる」と学習したのだと思います。だから飼い主を喜ばせたいときに犬はあなたを舐めるのです。

犬が飼い主の「耳」を舐めるのはどんな気持ち?

顔の部位を舐める行為は、基本的には愛情表現です。

そのなかで耳を特別に何度も、いつでも舐めてくるのであれば、やはり塩味を求めているのかもしれません。

鼻を舐めるのは?

人間の鼻の周りは汗や鼻水などが付着しやすい部分です。

その匂いや味に惹かれているのかもしれません。この場合、犬はしつこく舐めてきますよ。

口舐めるのは?

犬は母犬といるとき、空腹感を感じると母犬の口を舐めて催促します。このときの名残で飼い主の口を舐めるのだとされています。

つまり、口を舐めてくるのは母犬に対しての敬意や尊敬を飼い主に重ねているということですね。

手を舐めるのは?

飼い主の手はご飯をくれたり、背中を撫でてくれたり遊んでくれたりする、犬にとってもとても大切な部位ですから、たいていの犬は飼い主の手が大好きです。

その手をぺろぺろ舐めてくるのは

1 遊んでほしい催促

2 「安心しているよ」の表現

3 その人間の情報を得たいとき

3は飼い主ではなく、知らない人間の手を舐めたとき、ですね。

新しいおもちゃを口にくわえるのと同じですね。

足を舐めるのは?

足を舐めてくる場合も、手と同様に「遊んでほしい」の催促のようです。

さらに足には皮脂や汚れも多いので、その匂いや味に惹かれているという場合もありますね。

「降参です」と表現している

イタズラをして叱られた犬が飼い主の顔色をうかがって、顔や口の周りをペロっとひとなめ。

こんな経験ないですか?

これは「降参です。ごめんなさい」の意味です。

母犬に叱られた子犬もご機嫌伺いに同じ動作をしますよ。

自分の手足やしっぽ、家具や床をなめ続けるのは?

犬が自分の手足や尻尾を、執拗になめつづける場合は、飼い主とのコミュニケーション不足や、なんらかの不安があるためと言われています。

なめることでストレス発散をしているのでしょうね。

また、家具や床を舐め続けることもあります。こちらは多くの場合、なにかこぼしたものの匂いや味が残っているからで、それを舐め切ってしまえばやめるのではないでしょうか。不安がある場合、床や家具をなめ続けることもあるようですね。

なめ続けるのをやめさせるには?

多くの場合ストレスが原因になっているようなので、散歩の時間や質を向上させて、ストレス発散をしてあげる、休日に遊びに連れて行ってあげる、室内でも飼い主とのコミュニケーションを充実させて、原因になっているストレスを発散させてあげましょう。

犬が長い時間ひまを持て余さないように、知育玩具などを与えて一人遊びをしてもらうのもいい方法ですね。

犬の舌ってどうなっているの?

犬が舐めてくるとき、犬の舌を意識しますが、人間の舌とは違うのでしょうか?

味を感じるのは人間でも犬でも「舌にある味蕾」と呼ばれる器官です。

人間と犬ではその数が大きく違っていて、人間の味蕾が1万個あると言われているのですが、犬のそれは約2千個だそうです。つまり、犬は人間のように複雑に味を感じ分けることはできないのですね。

味には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」があります。これに最近「旨味」が加わったことはご存知だと思います。人間はこの旨味を感じることもできますが、犬は感じられません。一方、水に反応する特殊なセンサーを持っている、といわれています。犬や猫は人間が感じない「水味(イオン濃度)」を感じることができます。また、犬は甘味が好きで、塩味に鈍感なのですが、それには理由があります。

少し詳しく言うと

甘味

意外にも甘いものが好きな犬が多いようです。ですが、人工甘味料などは苦味もあり、嫌がる犬もいるようですね。

実は、クルマの不凍液で中毒になる犬の事故がよく起こるそうです。不凍液はエンジンの冷却水の凍結を防ぐために使うのですが、これ、舐めると、すごく甘いんですね。それで甘味が好きな犬がクルマから漏れ出した不凍液を舐めて事故になるようです。

中型犬ならわずか55グラム程度でアウト。

クルマの下回りにはいつも注意することと、不凍液の素材をより毒性の弱いものに切り替えるといいですね。

苦味

野生にいるとき、苦いものは腐っていたり、毒だったりしたことから、苦手なようですよ。

酸味

犬は酸味を好みます。野生であったとき、「腐肉食者」だった犬は、残り物を土の中に隠し後で食べていたので、「ちょっと腐った」酸味を好むと言われています。

塩味

食肉目(犬もその仲間)は塩味には鈍感なようです。

犬の唾液ってなんでぬらぬらしているの?

犬の唾液も独特ですよね。なぜあんなにぬらぬらとしているのでしょうか?

涎を垂らす犬のイラスト

犬の唾液の性質

虫歯を防いでくれるアルカリ性

人間の唾液は中性〜弱酸性。この状態で糖分を摂取すると酸性に傾き歯のエナメル質を溶かしてしまため、放っておくと虫歯になってしまいます。

そこで食後歯磨きをして中性に戻しています。

一方、犬の唾液はアルカリ性で、虫歯ができにくい性質を持っています。ところが、アルカリ性の唾液は石灰化しやすく、歯垢が付きやすいんですね。これでは歯周病などにかかりやすいため、結局犬にも歯磨きが必要です。

このアルカリ性の性質が、犬が舐めたところにつくヌルヌルの原因。

それ、アルカリ性であることから発生する細胞膜(バイオフィルム)というものなのですね。

傷を治すヒスタミンが含まれる

犬の唾液にはヒスタチンという物質が含まれています。ヒスタチンは、抗真菌活性・抗菌活性を持ち、傷をふさぐ役割があります。

犬は自分の傷口をしきりに舐めることがありますが、ヒスタチンの作用を理解しているのでしょう。

ヒスタチンは人間の唾液にも含まれています。私達も指先のちょっとした傷をなめてしまいますよね。

消化酵素がない

人間の唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれています。

アミラーゼはでんぷん(糖質)を分解して糖にする働きを持っています。口の中でご飯を噛んでいると甘くなりませんか? あれがアミラーゼの働きです。

犬の場合は胃液がとても強力で、口の中で消化をすすめる必要がありません。

だから犬は食べ物をほぼ丸飲みしてしまうのです。唾液は消化を助けることはせず、食べ物をスムースに胃に運ぶ働きだけをしています。

なめられてもそのままでだいじょうぶ?

なめられたところをすぐさま洗うのって、愛犬をキタナイと感じているみたいでちょっとかわいそうですよね。犬だって飼い主のことが大好きでなめてくれているので。

でも、洗ったほうがいいです。

犬の口の中には、現在わかっているだけでも約400種類の細菌がいます。人間の口の中にも400〜500種の細菌がいるのですが、そのうち同じ種類は15%程しかないようです。

つまり、犬に舐められると人間には馴染みのない細菌が何百万も付着する可能性があるってことです。これは人の免疫システムでも止めようがないですよね。これまでになかったのもだから、免疫システムでは防げないのです。

犬の唾液に傷口をふさぐ効果があることから、シーザーが負傷兵の傷を舐めさせるため犬を従軍した、などと言われていますが、完全に間違いですよね。犬特有の細菌に感染するだけです。そしてそれは重篤な結果を招くこともありますから、慎まないといけないと思います。

やめさせるためにはなにをする?

犬のしつけはたいていの場合、大声を上げて制しても効き目がありません。犬は叱られていることを理解できず、逆に飼い主が大喜びしていると勘違いしてしまいます。

そこで、犬が耳を舐めてきたら飼い主は大騒ぎせず、静かにその場を離れるなどの行動をとってください。

犬の行為によってなにも起こらない→行為の意味がないとわからせることが大切です。

感染症に注意!

愛犬がぺろぺろ舐めてくるのはかわいい反面、感染症には注意が必要です。

たとえば、犬に少し噛まれて感染症にかかる例としてカプノサイトファーガ感染症があります。これは犬や猫の唾液に含まれているカプノサイトファーガの3種の細菌(カニモルサス・カニス・サイノデグミ)の一つで、犬が健康であっても、咬まれたり引っ掻かれたりすれば感染して発症することがあるといいます。

カプノサイトファーガ感染症

厚生労働省によれば、カプノサイトファーガ感染症は感染しても発症は稀だそうですが、重症例では敗血症や髄膜炎に至ることがあり、敗血症では約26%、髄膜炎では約5%が死亡する、とされています。

日本では1993年から2017年末までに93例が確認され、うち19例が死亡。発症者のほとんどが中高年齢者でカニモルサスへの感染が原因です。そして動物・人ともに予防ワクチンはないのだそうです。

国内では、カプノサイトファーガのうちカニモルサスの保菌率は国内のイヌの74~82%、ネコの57~64%。サイノデグミの保菌率はイヌの86~98%、ネコの84~86%とされていて、保菌自体は一般的なものですから、なおさら気をつけなければいけません。

犬とキス

人獣共通感染症(ズーノーシス)

もちろん、唾液だけではなく、人獣共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれるものにはいつも注意してください。

2006年に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」では、「ズーノーシス/人獣共通感染症の知識を持ち、予防することが飼い主さんの責務である」と定義されています。

どんな病気があるのか調べてみるとWHOで確認されているのは約150種。このうち日本では50種のズーノーシスがあると言われています。

犬からうつるズーノーシスの主なものは、先程の狂犬病や回虫症、疥癬、Q熱などです。

なので愛犬といえども過剰な接触は避けたほうが賢明です。たとえば

 

・口移しでご飯をあげたり、同じ食器は使わない。また、一緒に寝ることなどは避ける。

・予防薬の投与や予防接種を行う。

・犬の体や飼育環境を清潔に保つ。

・犬に触ったら手を洗う。

・犬が病原菌を媒介する昆虫やどうぶつを口にしないように気をつける。

・犬のトイレでは糞尿をすみやかに処理。

などは常に意識をしておきましょう。

※詳しくは→犬と一緒に寝たり、チューはダメなんですっ!

愛情表現だけど、節度を持って

犬があなたを舐めてくるのは愛情表現ですから、できるだけ許してあげたいところ。

でも際限なく、ではなくて節度を保つことで、犬との良い関係を維持していきましょう!

いっぱい遊んであげてくださいね!