「パピヨンって、あまり見かけないけど、なんで人気ないの?」そんな疑問を持つ人も多いのでは?
愛らしい見た目に反して、なぜかペットショップでもあまり見かけないパピヨン。今回は、その理由を掘り下げつつ、パピヨンの魅力や特徴も合わせて紹介します。
パピヨンが人気ない理由
パピヨンは、可愛くて頭がいいため飼いにくい?
パピヨンが人気ない理由はなんでしょうか?
巷では「パピヨンは飼いにくい犬」との風評もあるようです。その原因はパピヨンの可愛さと賢さにあるとか。
あまりにも可愛いので、飼い主がわがままを許してしまうことが多いようです。
さらに頭が良いため、しつけを間違えると手に負えなくなり、初心者にはしつけが難しい犬種といわれています。
また、体も小さいため「強く叱るのはかわいそう」と思ってしまう場合もあるようです。
しかし、飼い主は犬にとってリーダーです。
わがままを許すようなしつけをしてしまうと、「あまり外に連れて行けない」状態になってしまうこともあります。
これは犬にとってマイナスです。
可愛くても、悪いことは悪いとしつけることが、飼い犬のためになりますよ。
元気すぎるため飼いにくい?
パピヨンは小型犬ですが、大変活動的な犬です。
毎日しっかり散歩に連れ出して、ストレスを発散させる必要があります。
「おしとやか」な外見にだまされて飼い始めると、たしかにしっぺ返しを受けるかもしれませんね。
「飼いにくい」と思う要因の一つとなっています。
パピヨンってどんな犬?寿命は?
パピヨンの名前の由来は、立ち耳から被毛が垂れた形が「蝶」に見えることからきています。
祖先はスペイン原産のトイ・スパニエル。王侯貴族に寵愛を受け、マリー・アントワネットが愛した犬種としても有名です。
しかし、フランス革命の際には、多くのパピヨンが貴族とともに処刑されてしまったと言われています。
ひどい話ですね。
また、パピヨンには立ち耳タイプだけでなく、たれ耳タイプも存在します。
たれ耳のパピヨンは「ファーレン」と呼ばれ、フランス語で「蛾」という意味があります。
日本ではこの2種類を区別せず、同じ犬種として扱っています。
じつは、マリー・アントワネットが処刑される直前まで抱いていたのが、このファーレンだったとも言われています。
さらに、パピヨンは小型犬の中で最も知能が高い犬種とされています。
イギリスの研究機関が発表した犬の知能指数ランキングでは、小型犬の中で1位に輝いています。
このランキングは学習能力や命令順応能力を基準にしているため、しつけのしやすい犬種といえそうです。
パピヨンの寿命は平均13〜16歳と、小型犬の中でも長寿の部類に入ります。
パピヨンの体の特徴
体型と大きさ
体高:約28cm
体重:オス1.5〜4.5kg、メス1.5〜5kg
パピヨンは立ち耳と長い飾り毛が特徴的で、優美で気品のある犬種です。
長毛で手足が細く華奢に見えますが、実際は丈夫で非常に活発です。
パピヨンの毛色
パピヨンの毛色は大きく2種類に分けられます。
2色のパーティーカラー
「ホワイト&レッド」「ホワイト&セーブル」「ホワイト&ブラウン」「ホワイト&ブラック」の4パターンがあります。
3色のトライカラー
ホワイトを基調にセーブル・ブラックが混ざった3色の毛色です。
クラシックトライ:ブラックが多め。目の上に眉毛のようなタンが現れます。
ハウンドトライ:クラシックトライと比べてセーブルが多く、明るく華やか。
パピヨンは成長するにつれて毛色が変化することがあります。
たとえば、生まれたときはパーティーカラーだったのに、成長するとトライカラーに変わることもあります。
好みの毛色にならない可能性があることも、理解しておきましょう。
パピヨンの性格
小さな体に秘めたエネルギー
パピヨンは活発で運動量が多く、毎日の散歩が欠かせません。
運動不足が続くとストレスを抱え、ムダ吠えや問題行動につながることがあります。
賢さゆえのいたずら心
パピヨンは学習能力が高く、しつけ次第でさまざまな芸を覚えます。
しかし、賢いがゆえに悪いこともすぐに学習してしまいます。
飼い主のスキをついて食べ物を盗むなどの問題行動を起こすこともあるため、適切なトレーニングが必要です。
社交的だけどマイペース
パピヨンは基本的に社交的な性格ですが、個体によっては警戒心が強い子もいます。
とくに多頭飼いを考えている場合は、事前に相性を見極めることが大切です。
パピヨンを飼っている芸能人
飼いにくいと言われるパピヨンですが、実際に飼っている芸能人も多いです。
乙葉さん、常盤貴子さん、かとうれいこさん、菊川怜さん、嵐の桜井さん、MAXリナさん、大河内奈々子さん、小出由華さん(元ウゴウゴルーガのルーガちゃん)などがパピヨンを飼っていることで知られています。
やっぱり可愛いんですよね。
パピヨンと同じく飼うのが難しい犬種
現在人気のある犬種のなかにも、飼いにくいと言われるものがあります。
飼ってから後悔しないためにも、それぞれの特徴を知っておきましょう。
ビーグル
ビーグルは狩猟犬として活躍していたため、非常に吠えやすい犬種です。
その特徴から「森のトランペッター」とも呼ばれています。
また、体の大きさに対して運動量が多く、1日1時間以上の散歩が必要です。
この点を理解せずに飼うと「思っていたより大変!」と感じることもあるでしょう。
※くわしくは「ビーグルってどんな犬? ビーグルの性格は? ムダ吠えが多い? 特徴を調べてみた」
ボーダーコリー
ボーダーコリーは明るい性格で、攻撃的な面はなく、優しい犬種です。
家族にはとても愛情深いのですが、他人や他の犬にはあまり関心を示さない傾向があります。
人と一緒に作業することが好きなため、犬同士で遊ぶよりも、飼い主と遊ぶことを好む子が多いです。
もともと優秀な牧羊犬なので、理解力が高く、責任感があります。
粘り強く作業を行い、飼い主(リーダー)を喜ばせようとする従順な犬種です。
しかし、必要な運動量が非常に多いため、運動不足になると問題行動を起こすことがあります。
定期的に広い場所で運動させることが重要です。
※くわしくは「ボーダーコリーってどんな犬? ボーダーコリーの性格は? 特徴を調べてみた」
ジャックラッセルテリア
ジャックラッセルテリアは、可愛らしい見た目とは裏腹に、非常にエネルギッシュな猟犬です。
長時間の作業にも耐えられるスタミナを持っています。
愛情不足や退屈が続くと、破壊行動や脱走などをする傾向があります。
そのため、飼育を考える場合は、家に誰かが常にいる環境が望ましいです。
また、興奮しやすく、噛むことにためらいがありません。
小さな子どもや高齢者のいる家庭では、注意が必要です。
一部では「ジャックラッセルテロリスト」と呼ばれることもあるほど、しつけに失敗すると手がつけられなくなることがあります。
しかし、しっかりとしつけをすれば、飼い主や家族に対してとても愛情深く、忠誠心の強い犬になります。
ジャックラッセルテリアは「ワンマンズ・ドッグ(飼い主一人に忠実な犬)」の典型ともいわれており、検索するとジャックラッセルテリアが上位に出てくるほどです。
それだけ、飼い主に対して強い愛情を持つ犬種なのですね。
また、猟犬としての特性が強いため、初心者向きではないとよく言われます。
体力が非常にあり、大型犬と同じくらいの運動量が必要です。
1日1時間以上の散歩は必須で、それに加えて庭でのボール遊びやゲームなどを取り入れると良いでしょう。
※くわしくは「ジャック・ラッセル・テリアの性格は? ジャック・ラッセル・テリアってどんな犬?」
秋田犬
秋田犬はがっしりとした体格を持つ、大型の日本犬です。
耳は三角形の厚い立ち耳で、鼻は黒が基本ですが、白い個体では「肉色」の鼻も認められています。
ジャパンケネルクラブの基準では、オスの体高は67cm、メスは61cm、体重は30〜50kgとされています。
もともと闘犬だったため、頑固な気質が残っている部分もありますが、忠誠心が非常に厚く、家族には愛情深い犬種です。
しかし、家族以外の人や犬には警戒心が強いため、適切なしつけが必要です。
🐾注意点
秋田犬は、闘犬としてのどう猛さは大部分が取り除かれていますが、油断すると防衛本能が働き、事故を招くこともあります。
「アニコム家庭どうぶつ白書2012」によると、賠償責任事故の「犬の品種別事故発生率」で、秋田犬がもっとも高い結果となっています。
しっかりとトレーニングをし、事故を防ぐ対策をすることが大切です。
※くわしくは「ハチ公の犬種 秋田犬はどんな犬? 死因や本物の剥製があるって知っていた?」
まとめ:飼いにくいと言われる犬種でも、愛情を持てば最高のパートナーに
パピヨンや、ここで紹介した犬種は「飼いにくい」と言われがちですが、それは相対的な話です。
「飼いやすい犬種」と比べると手がかかる部分があるかもしれませんが、それも含めて魅力と捉えられるかどうかが大切です。
ああ、かわいいな、自分と上手くやれそうだな、と感じたら、それが最高のパートナーになるサインかもしれません。
愛犬とともに過ごす時間を、大切にしてくださいね。
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