犬がおもちゃを離さない主な理由

犬の育て方 16週間で行う犬のしつけ

まだ遊び足りない! もっと遊んで!

犬 おもちゃ持ってくるけど離さない

わんちゃんがおもちゃを持ってきたのに、なぜか離してくれない。
そんな経験、飼い主さんなら一度はあるのではないでしょうか。
実はこれ、犬の習性や心理が大きく関係しています。
ただ遊びたいだけではなく、所有欲や信頼関係も影響していることが多いのです。
ここでは、犬がおもちゃを離さない理由を具体的に解説していきます。

まだ遊び足りない!

犬にとって、おもちゃはただの物ではなく、エネルギーを発散するための大切なツールです。
普段から活発なわんちゃんは、遊びの時間が足りていないと「もっと遊びたい!」とアピールすることがあります。
そのため、おもちゃを持ってきても、離したくないという気持ちになるのです。
特に、コーギーやレトリバーのような遊ぶのが大好きな犬種は、この傾向が強いでしょう。
興奮しやすい犬は特に、遊びに夢中になるあまり、途中でおもちゃを離すことを忘れてしまうこともあります。
犬にとって遊びは、単なる時間つぶしではなく、飼い主さんとのコミュニケーションのひとつでもあります。
遊びが十分でないと、犬は「もっと一緒に遊びたい!」と考え、離したくなくなるのです。

おもちゃは僕の宝物

犬は本能的に「自分のものを守る」習性があります。
これは所有欲と呼ばれるもので、特にお気に入りのおもちゃだと「これは大事な宝物だから、誰にも渡したくない!」という気持ちが強くなるのです。
これは、食べ物を守るのと同じ行動パターンともいえます。
飼い主さんが何気なく手を伸ばしただけで、わんちゃんが警戒する場合は、この所有欲が関係している可能性が高いでしょう。
特に、過去に兄弟犬や他のペットと物を取り合った経験がある犬ほど、強く執着する傾向があります。
また、飼い主さんがよくおもちゃを片付ける習慣がある場合、「また取られてしまうかも!」と考えて、余計に離さなくなることもあります。
犬にとっては、お気に入りのおもちゃは単なる遊び道具ではなく、安心できる存在なのかもしれません。

飼い主さんともっと遊びたい

わんちゃんは、飼い主さんと遊ぶのが大好きです。
そのため、「おもちゃを持ってきたのに離さない」のは、「もっと遊んでほしい!」というサインの可能性もあります。
特に、普段あまり構ってもらえていない犬や、ひとりで過ごす時間が長い犬は、このようなしぐさをすることが多いでしょう。
これは、犬からのコミュニケーションの一環でもあります。
たとえば、おもちゃをわざと見せびらかしたり、飼い主さんが手を伸ばした瞬間にサッと引っ込めたりする行動は、まさに「遊びたい!」という気持ちの表れです。
犬の目がキラキラしていたり、しっぽを大きく振っていたりする場合は、そのサインといえるでしょう。
「もっと構ってほしい!」「まだ終わりたくない!」という愛犬からのメッセージかもしれませんね。

自分の力を試しているのかも

「引っ張りっこ」を好む犬も多くいます。
これは、飼い主さんとの遊びの中で、自分の力を試したり、主導権を握ろうとしたりするためです。
「ちょうだい」と言っても離さない場合、犬にとっては「これが楽しい!」という認識になっていることもあります。
つまり、わんちゃんにとっては、ただの遊びの延長ということもあるのです。
また、犬は群れで暮らす動物であり、群れの中での序列を意識する本能があります。
そのため、飼い主さんとの関係性を試している可能性もあります。
「このおもちゃは絶対に離さないぞ!」と粘るのは、自分が優位に立ちたいという気持ちの表れかもしれませんね。
この場合、ただ力ずくで取り上げると、逆に執着が強くなってしまうので注意が必要です。

見せびらかす犬 VS 渡さない犬

犬がおもちゃを持ってくる

犬がおもちゃを持ってくる行動には、見せびらかすタイプと渡さないタイプがいます。
「ほら、すごいでしょ?」と自慢気に持ってくる犬もいれば、「あげないよ!」と頑なに渡さない犬もいるでしょう。
それぞれの行動には、どのような心理が隠れているのでしょうか?

見せるだけで満足する犬の心理

犬の中には、おもちゃを持ってきても、実際には遊びたいわけではないケースがあります。
ただ、「これ、すごいでしょ?」とアピールしたいだけなのです。
特に、新しいおもちゃを手に入れたときや、お気に入りのおもちゃを持っているときに、この行動が見られます。
飼い主さんが「すごいね!」とリアクションを取ってくれることで、犬は満足するのです。
見せびらかしたいタイプの犬には、無理に奪おうとせず、リアクションを楽しんであげるのも良いでしょう。

くわえたままウロウロ…何を考えてる?

おもちゃをくわえたまま、部屋の中をウロウロする犬もいます。
これは、「お気に入りのものを取られたくない!」という気持ちの表れかもしれません。
また、「どこに隠そうかな?」と考えている可能性もあります。
特に、食べ物を隠す習性のある犬は、おもちゃも「大切なもの」として、どこか安全な場所に持ち運ぼうとすることがあります。
こうした行動を見せる犬には、安心できるスペースを作ってあげると落ち着くかもしれませんね。

渡したくないのは“試されている”から?

犬がおもちゃを持ってくるのに、なかなか離さない場合、それは飼い主を試しているのかもしれません。
「この人は、ちゃんと遊んでくれるのか?」とチェックしている可能性があります。
犬にとって、遊びはコミュニケーションの一環です。
適当に対応してしまうと、信頼関係に影響することもあります。
遊ぶときは、しっかりと向き合ってあげることが大切ですね。

しつけ次第で改善できるって本当?

「おもちゃを持ってくるけど渡さない」問題は、しつけ次第で改善することができます。
基本的なしつけの一環として、「ちょうだい」や「離して」のコマンドを教えておくと便利です。
最初はおやつと交換する形で練習し、少しずつ指示だけで手放せるようにしていきましょう。
根気強く続けることで、犬も「渡した方がいいことがある」と理解してくれるようになります。

※くわしくは「犬がおもちゃを持ってくるのはなぜ?

おもちゃを離さないときの対処法

犬 おもちゃ持ってくるけど離さない

犬がいつまでもおもちゃを離さないのは、心理的な理由があるとはいえ、毎回のこととなると飼い主さんも困ってしまいますね。
そのままにしておくと、おもちゃを持ったままウロウロしたり、取り上げようとすると唸ったりすることもあります。
そこで、無理なくおもちゃを離してもらうための具体的な対処法を紹介します。

無理やり取らないで

おもちゃを離してほしいからといって、力ずくで奪おうとするのは逆効果です。
犬は取られそうになると余計に執着し、場合によっては興奮してしまいます。
特に、強引に引っ張ると「引っ張りっこ遊び」と勘違いしてしまい、さらに離さなくなることもあります。
犬の中には、強引に奪おうとすると本気で守ろうとして唸る子もいます。
これは犬にとって「絶対に取られたくない!」という気持ちの表れです。
そうならないためにも、無理に奪おうとするのではなく、犬が自然に離すように仕向けることが大切です。

おやつと交換作戦

「おもちゃを離さない犬にどうすればいいの?」と悩んでいる飼い主さんにおすすめなのが、おやつと交換する方法です。
犬にとって、おもちゃは楽しいものですが、大好きなおやつの誘惑には勝てないことも多いです。
「ちょうだい」と声をかけながらおやつを見せると、「あれ? こっちのほうがいいかも?」と自然におもちゃを離してくれるでしょう。
ただし、ここで重要なのは「おもちゃを離したらいいことがある」と学習させることです。
毎回おやつと交換していると、「おもちゃをくわえたらおやつがもらえる」と間違った学習をしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
適度にメリハリをつけながらトレーニングすると良いですね。

無視してみるのも手

犬は飼い主さんの反応をよく見ています。
おもちゃを離さないときに構ってしまうと、犬は「これをやればもっと遊んでもらえる!」と勘違いしてしまうのです。
そこで、無視する作戦が有効です。
犬が執着している間はあえて関わらず、興奮が落ち着いたタイミングで声をかけてみましょう。
これを繰り返すことで、「おもちゃを離さないと遊んでもらえないんだな」と学習するようになります。
特に、興奮しやすい犬には効果的な方法です。
ただし、完全に無視し続けると犬が困惑するので、状況を見ながら対応することが大切です。

「ちょうだい」の練習をしよう

「ちょうだい」というコマンドを教えるのも有効な対策です。
ドッグトレーナーの指導でもよく使われる方法で、適切なタイミングで「ちょうだい」と声をかけ、犬がおもちゃを離したらすぐに褒めるようにします。
最初はおやつを使いながらトレーニングをすると、スムーズに覚えてくれるでしょう。
根気強く続けることで、犬にとって「ちょうだい=おもちゃを離すこと」という認識が定着していきます。
おもちゃを離したら、すぐに新しい遊びを始めてあげると、犬もストレスを感じにくくなりますよ。

犬がおもちゃを離さないときに唸る理由

犬がくわえた物を離さない 噛む時

犬がおもちゃをくわえたまま唸ると、少し怖いと感じることがあるかもしれません。
「怒っているの?」とか「噛まれるかも…」と不安になる飼い主さんも多いでしょう。
しかし、犬が唸る理由は一つではありません。
本気で「取られたくない!」と思っている場合もあれば、「遊びの一環」として唸ることもあります。
そのため、犬の気持ちを見極めることが大切です。
ここでは、犬がおもちゃを離さないときに唸る理由や、正しい対処法について解説します。

唸るのは怒っている? それとも遊びの一部?

犬が唸る=怒っていると考えがちですが、実はそうとも限りません。
唸る理由には、大きく分けて2つのパターンがあります。

1つ目は、本気で「これは渡さない!」という防衛本能です。
おもちゃや骨を「自分のもの」と強く認識しており、取られそうになると警戒して唸るのです。
特に、食べ物やお気に入りのおもちゃに対する執着心が強い犬は、このタイプが多いでしょう。

2つ目は、「遊びの一部」としての唸りです。
犬同士でじゃれ合うときにも、うなり声を出しながら遊ぶことがあります。
特に、引っ張りっこをしているときに「うぅ〜!」と唸るのは、遊びに夢中になっている証拠です。
顔が楽しそうだったり、しっぽを振っている場合は、怒っているのではなく、単に楽しくなっているだけの可能性が高いです。

おもちゃを取ろうとすると逆効果?

犬が唸っているときに、無理やりおもちゃを取ろうとするのは絶対にNGです。
逆に執着心が強くなってしまい、次からはもっと頑なに守るようになってしまいます。

特に、引っ張りっこをしているときに突然おもちゃを奪おうとすると、犬は「もっと力を入れて守らなきゃ!」と思ってしまいます。
これは、人間が「大事なものを落としたくない」と思ったときに無意識に力を入れてしまうのと同じ心理です。

そのため、唸っているときに無理に奪うのではなく、違う方法で「おもちゃを渡す=良いことがある」と学習させるのが大切です。

唸ったときの正しい対応とNG行動

犬がおもちゃをくわえたまま唸るとき、どう対応すればよいのでしょうか?
逆効果にならないために、正しい対処法とNG行動を確認しておきましょう。

正しい対応

  • まずは、犬の気持ちを観察する(遊びなのか、本気なのかを見極める)。
  • おもちゃを取るのではなく、別のものと交換する(おやつや別のおもちゃなど)。
  • 「ちょうだい」や「離して」のコマンドを使い、スムーズに手放す練習をする。
  • 興奮している場合は、一旦落ち着かせる。

× NG行動

  • 無理やり引っ張って奪おうとする(執着が強くなる原因に)。
  • 大声で怒る(恐怖を感じて、さらに警戒してしまう)。
  • 手を突っ込んで無理やり口を開けさせる(噛まれる危険が高まる)。

犬の性格によっても対応は変わってきますが、基本的には「安心して手放せる環境を作る」ことが重要になります。

※くわしくは「犬がくわえた物を離さない 噛む時はどうする?

「ちょうだい」の教え方ステップ

犬 おもちゃ持ってくるけど離さない

犬に「ちょうだい」を教えるには、いくつかのステップを踏むことが重要です。
焦らず、楽しみながらトレーニングしていきましょう。

お気に入りのおもちゃを用意

まずは、犬が興味を持つおもちゃを用意しましょう。
お気に入りのものを使うと、学習がスムーズに進みます。
ただし、犬が執着しすぎるおもちゃは避け、適度に興味を示すものを選ぶのがポイントです。
初めてのトレーニングなら、新しいおもちゃを使うのもおすすめです。

おやつを使って誘導

犬がくわえているおもちゃを離すように、おやつを使って誘導します。
「ちょうだい」と声をかけながらおやつを見せることで、犬は「おもちゃを離せば良いことがある」と学ぶようになります。
最初はすぐに離さなくても大丈夫です。
繰り返しトレーニングすることで、少しずつ理解できるようになります。

繰り返し練習しよう

一度で覚えることは難しいので、根気よく繰り返し練習しましょう。
最初は短時間で終わらせ、成功したら大げさに褒めてあげると効果的です。
犬はポジティブな経験を通して学ぶ生き物です。
「できた!」という成功体験を積み重ねることで、より早く習得できるでしょう。

外でも試してみよう

室内でのトレーニングに慣れたら、屋外でも試してみましょう。
特に散歩中に拾い食いをしてしまう犬には、「ちょうだい」の習得がとても重要です。
屋外での刺激がある環境の中でも、おもちゃを離せるようになると、さまざまな場面で役立ちます。

やってはいけないNG行動

犬がおもちゃを離さないとき、ついやってしまいがちな行動があります。
しかし、間違った対応をすると逆効果になり、余計に執着を強めてしまうことも。
ここでは、絶対に避けるべきNG行動を解説していきます。

無理やり引っ張らない

犬がくわえたおもちゃを強引に引っ張ると、「引っ張りっこ遊び」と認識してしまい、さらに力を込めて離さなくなることがあります。
特に、興奮しやすい犬や力の強い犬は、ますます本気になり、飼い主さんとの力比べに発展することも。
さらに、無理に引っ張ることで歯や顎に負担がかかり、健康面でもリスクがあります。
犬の所有欲が強い場合は、無理に奪おうとすると防衛本能が働き、攻撃的な態度を取ることもあるため注意が必要です。
どうしても離してほしいときは、犬が自然に手放せるような方法を選びましょう。

怒鳴ったり叩いたりしない

犬がおもちゃを離さないからといって、怒鳴ったり叩いたりするのは絶対にNGです。
犬にとって恐怖を感じる行為は、信頼関係を崩す原因になります。
「おもちゃを持っていると叩かれる」と学習してしまうと、飼い主さんに対して不安を感じるようになり、ますます執着して離さなくなる可能性があります。
犬のしつけでは、怖がらせるのではなく、適切な方法で「こうすると良いことがある」と学ばせることが大切です。

長時間放置しない

犬がおもちゃを離さないからといって、長時間放置するのも良くありません。
犬は「ずっとくわえていても大丈夫なんだ」と学習してしまい、おもちゃへの執着が強くなってしまいます。
特に、普段からストレスを感じている犬は、おもちゃをくわえていることで安心感を得ようとすることがあります。
放置せず、適切なタイミングでおもちゃを回収し、別の遊びに切り替えるのが理想的です。

遊びを急に終わらせない

楽しく遊んでいる最中に突然おもちゃを取り上げて遊びを終わらせてしまうと、犬は「もっと遊びたいのに!」と不満を感じるようになります。
これが続くと、犬は「次におもちゃを持ったら、絶対に離さないぞ!」と学習してしまい、余計に執着するようになってしまいます。
遊びの終わりには、「おしまい」と声をかけるなどの合図を決め、徐々に終わりに向かうようにすると、犬も納得しやすくなります。

愛犬との信頼関係を築くために

犬 おもちゃ持ってくるけど離さない

犬が素直におもちゃを離せるようになるためには、飼い主さんとの信頼関係が何よりも大切です。
犬が「この人になら任せても大丈夫!」と思えるようになれば、おもちゃに対する執着も和らぎます。

毎日のコミュニケーションを大切に

犬との信頼関係を築くには、日々のコミュニケーションが欠かせません。
遊ぶ時間だけでなく、声をかけたり、なでたりする時間を大切にしましょう。
犬は飼い主さんの態度や声のトーンを敏感に感じ取るため、ポジティブな声かけを意識するとより良い関係が築けます。

遊びの時間をしっかり取る

遊び足りない犬は、おもちゃへの執着が強くなる傾向があります。
特に、運動量の多い犬種は、十分に遊びの時間を確保することが大切です。
ボール遊びや知育玩具を使ったゲームなど、犬が飽きずに楽しめる遊びを取り入れると良いでしょう。

愛犬の気持ちを理解しよう

犬がおもちゃを離さないのには、必ず理由があります。
単に遊び足りないのか、それともストレスを感じているのか、日々の様子を観察して愛犬の気持ちを理解することが大切です。
犬のしぐさや表情をよく見て、何を求めているのか考える習慣をつけると、よりスムーズな対応ができるようになります。

ポジティブなトレーニングを心掛ける

信頼関係を築くためには、ポジティブなトレーニングが不可欠です。
成功したときにしっかり褒めてあげることで、犬は「これをすればいいんだ!」と学習しやすくなります。
罰を与えるのではなく、犬が楽しく学べる環境を作ることが重要です。

まとめ

犬 おもちゃ持ってくるけど離さない

犬がおもちゃを離さない理由には、遊び足りなさや所有欲、飼い主さんとのコミュニケーション不足など、さまざまな要因が関係しています。
強引に取り上げるのではなく、適切な方法で対応することが大切です。
「ちょうだい」のコマンドを教えることで、スムーズにおもちゃを離せるようになるでしょう。
愛犬と楽しく遊びながら、信頼関係を深めていってくださいね。

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