改訂 2025/01/24
ソファを掘り返す愛犬の姿を見て、「またか！」と頭を抱えたことはありませんか。
でも、その行動には実は深い理由が隠されているのです。
掘る行為は、単なるいたずらではなく、本能やストレス解消、暇つぶしなど、さまざまな背景があると考えられています。
この記事では、犬がソファを掘る理由を徹底解説しつつ、その対策方法や、飼い主さんができる工夫をご紹介します。
また、掘りにくいソファの選び方や、愛犬と上手に共存するためのヒントもお届け。
愛犬の気持ちを理解し、より良い関係を築くための参考になれば幸いです。
犬がソファを掘るのはなぜ？その心理を探る
犬がソファを掘る理由は、意外と複雑です。
祖先から受け継いだ本能や心理的な要因、環境的なストレスなど、掘る行動にはさまざまな側面があります。
掘る理由をしっかり理解することで、適切な対策が立てやすくなりますよね。
以下では、掘る行動の背景を深掘りしていきます。
祖先から受け継いだ本能的な行動とは
犬が穴を掘る行動には、野生時代の名残があるとされています。
昔の犬たちは、巣穴を掘って安全な場所を作り、外敵から身を守っていました。
その本能が、現代でも形を変えて残っているのです。
ソファを掘る行動は、自分だけの居心地の良い空間を作ろうとする一種の巣作りなのかもしれませんね。
ストレス発散としての穴掘り行動
愛犬がソファを掘るのは、ストレス解消のためという場合も多いです。
特に運動不足や退屈な時間が続くと、エネルギーを発散させる手段として掘る行動が増えることがあります。
飼い主さんが構ってあげられない時間が続くと、こうした行動がエスカレートする可能性もありますよ。
飼い主の注意を引くためのアピール行動
「私を見て！」という気持ちから、掘る行動に出ることもあります。
愛犬がわざと掘るのは、飼い主さんの反応を求めている証拠です。
叱られることすら、愛犬にとっては注目される一つの方法なのかもしれませんね。
快適な寝床を作るための習性
犬は本能的に、自分が快適だと感じる場所を作りたがる生き物です。
ソファを掘ることで、自分好みの寝床を整えている可能性があります。
また、掘る際に漂うクッションや布の匂いが、安心感を与えているのかもしれません。
「ここが私だけの特別な場所！」と感じているのかも？
遊んで暇つぶし
若い犬ほどエネルギーが余りがちで、暇を持て余してしまうことがあります。
その結果、ソファを掘る行動が「楽しい遊び」として定着する場合も。
特にお気に入りの場所がソファなら、そこで掘る行動がクセになる可能性もありますね。
穴を掘ることが好きな犬種
穴を掘るのが大好きな犬種というのもいます。
アナグマ猟に使われていた犬種などがそれで、多くのテリア種がそうですね。特にテリアは狩猟本能を色濃く残していると言われていますから処置なしです(笑
ボーダーコリー
歴史は古く、８世紀にスカンジナビアからバイキングによってスコットランドに持ち込まれ、もともとそこにいた牧羊犬と交雑が繰り返されて、現在のボーダーコリーの形になったようです。
牧羊犬としてだけでなく、非常に優れた運動能力や・訓練性能を持っており、アジリティ、ディスクドッグ競技などいろいろなスポーツを一緒に楽しめる犬種ですね。
一番の特徴は、その賢さ。覚えが早く、身につけた知識をすぐに行動に移せる能力は、他の犬種よりはるかに高いらしいですね。
活発で、作業意欲が強いです。さらに頭が良いので作業中は状況を判断して自分で動くことができます。なんだか素晴らしいですね。うちのノーフォークに爪の垢を煎じて飲ませてやってもらえないでしょうかね？
性格で言えば、ボーダーコリーは明るい性格で攻撃的な面はなく、やさしい犬種です。家族にはすごーく愛情深いのですが、他人や他の犬には関心がありません(笑。
なので人間と作業することのほうが好きらしいですね、犬同士で遊ぶより。
なんで穴を掘るんでしょうね？ 作業意欲の高さから始めるとやめられないのかもしれませんね。
ミニチュアシュナウザー
髭面がいかにもいかめしいシュナウザー。番犬や猟犬のイメージがありませんか？
シュナウザーは大きさによってジャイアント・スタンダード・ミニチュアの３種類に分けられるそうです。
ジャイアントシュナウザーとミニチュアシュナウザーでは体重で約10倍、体高に約2倍の差にもなりますねー。
シュナウザーは第一次世界大戦では、ドイツの軍用犬として用いられたほど、賢さ、忠誠心に秀でた犬ですが、もともとは１４世紀にネズミの駆除や、荷車を引くなどの使役犬として使われていました。
シュナウザーの「ヒゲ」は獲物の反撃から身を守るためのものと言われているようですね。
ドイツからアメリカに渡り、人気になったミニチュアシュナウザーですが、ブルース・リーの愛犬だったことも有名なんですねー。
調べていて驚いたんですが、ミニチュアシュナウザーはテリアではありません。
たしかに分類上テリアの仲間とされていますが、これまでの血統でテリアが入ったことはないそうです。
あの顔と「テリア独特の頑固さのイメージ」から、「飼いにくい犬なのでは？」と思ってましたが、全くの誤解でしたね。
寂しがり屋なところもあり、飼い主につれなくされるとすぐストレスが溜まってしまうそうです。それが穴をほらせるのでしょうか？
ジャックラッセルテリア
これはもうテリアですから諦める他にないのですが、ジャックラッセルです。
ジャック・ラッセル・テリアは「ジャック・ラッセル牧師の作ったテリア」のことなんです。1800年代、イギリス・デヴォンのジャック・ラッセル牧師がキツネ狩りのために、地中に潜り込める小さな白いテリアを作りだしたのがこの犬種のはじまりだったんですね。
頭がよく、陽気で遊び好き。非常にポジティブな性格です。ですが、あまりがまん強い性格ではありません。繊細なところもあり、正しい扱いをしてあげないとそれが攻撃性になって現れることもあります。
可愛らしく見えてももともと優れた猟犬なので、長時間作業ができるスタミナがあります。
愛情の不足や退屈すると、破壊活動や脱走などをする傾向もあります。
飼育を考えるのであればいつも家に誰かがいる環境が望ましいです。
また興奮しやすく噛むことにためらいがありません。小さなお子さんや高齢者などには注意が必要です。
一部では「ジャックラッセルテロリスト」という剣呑なあだ名を頂戴しており、しつけに失敗すると暴君と化す犬のようですね。
基本的には飼い主や家族に対しては愛情深く、忠誠心が強いです。
ジャックラッセルテリアは飼い主以外の人間に従うことは少ない典型的なワンマンズ・ドッグだということです。実際「ワンマンズ・ドッグ」で検索するとジャックラッセルテリアが出てきます。
それだけ飼い主に忠実なんですね。
猟犬として使われてきたので、見た目の可愛さとは裏腹に初心者向きではないとよく言われます。とても体力がある犬なので大型犬と同じくらいの運動量が必要です。
1日に1時間以上の散歩が必要ですし、さらに散歩以外にも庭でボール遊びやゲームができるといいですね。
ダックスフンド
スタンダードのダックスフントって以前はニッチな犬でしたよね。
それがミニチュアダックスが市場に出て大人気になった印象があります。
ダックスフントは原産国のドイツで、古くは16世紀ごろから「アナグマ」を狩る狩猟犬だったようですね。アナグマですね。。。そりゃあ穴掘るわ・・・。
名前のダックスフントは「アナグマ犬」という意味で、狭い巣穴の中にいるアナグマ猟のために穴の中で活動できるように手足が短く改良されています。
で、ああいう体型なんですねえ。
ミニチュアダックスは19世紀以降にイタチやウサギなどの狩猟用により小型の犬が必要になり誕生したようですよ。
これは知らなかったんですが、ミニチュア・ダックスフンドは毛質によって「スムースヘアード」「ロングヘアード」「ワイヤーヘアード」の３つのタイプに分けられているそうです。
それぞれ狩猟の目的によって使い分けられてきたんですね。
なぜ毛質が３種類あるのかというと掛け合わせた犬種がそれぞれ違うからなんです。
そして、それを聞けば納得なのですが、被毛の種類によって性格が異なると言われています。
１. スムースヘアード
これはスタンダードのダックスフントを小型化したものですね。
アナグマの狭い巣穴の中で自在に活動できるように短毛で硬く滑らかな毛質。かなり気の強い性格になります。
２.ロングヘアード
ロングヘアードタイプはアナグマの爪から身を守るために、細く長く柔らかい被毛を持っています。
温厚で人懐っこく、ユーモラスな一面を持ち合わせています。甘えん坊で神経質らしいですよ。
３.ワイヤーヘアード
ワイヤーヘアードタイプは、水に強く少しカールした硬い被毛です。テリア系の血筋を引いているので、活発で頑固な性格らしいです。
ミニチュアダックスは陽気で好奇心が強く、非常に活発です。
散歩で見かけるミニチュアダックスもそんなイメージですね。
一方、やや頑固なところがありますが、賢く順応性が高いため、しつけや訓練は受け入れやすいらしいですね。
ビーグル
「世界一有名なビーグル犬」といえばスヌーピーのことですが、ビーグルには他にも異名があるのを知ってますか？
「森の鈴」、「森のトランペッター」、「草原の声楽隊」などなど。
これらは猟犬であるビーグルが狩りの時に獲物を追いながら「追い鳴き」をするためにつけられました。
ビーグルは嗅覚の鋭いハウンドドッグ（猟犬）で、14～15世紀ごろからイギリスではスポーツであるウサギ狩りに使われてきた歴史があるんですね。
狩りの時には、何頭もの群で使われたそうですが、ビーグルたちはよく通る高い声で連絡を取り合い、逃げるうさぎを追いつめていくそうです。
そりゃあ「森のトランペッター」と呼ばれますよね。
ちなみに「ビーグル」という名前は、諸説あるようですが、フランス語で「大声を出す」という意味もあるとされています。
原産国のイギリスでも昔から人気の犬種なのですが、1860年頃にアメリカにも輸入されるようになると、たちまち人気の犬となりました。
それ以来、アメリカケンネルクラブの登録数ランキングのベスト１０入りが続く、人気の犬種なんです。
活発で、遊ぶ事が大好きな犬なので、「犬と一緒にいろいろなことをしたい！ いろいろなところに行きたい！」という方にはオススメの犬種だそうです。
体の大きさからすると、ビーグルはかなりの運動量が必要な犬種です。
できれば１日１時間以上の散歩をしたいところです。
ビーグルはとにかく穴を掘ることで知られています。室内でもカーペットや畳を掘ってしまうんですね。庭を丹精しているひとにはビーグルは向かない子もしれません。ビーグルは天気の良い日はほとんど毎日ように穴掘りするそうです。それも嬉しそうに！
ソファを掘る行動への具体的な対策方法
掘る行動を完全に止めるのは難しいですが、適切な対策を取ることで被害を最小限に抑えられます。
ここでは、愛犬の行動を理解しながら、ソファを守るための具体的な方法をご紹介します。
飼い主さんと愛犬のどちらも満足できる環境作りを目指しましょう。
愛犬専用の快適な寝床を提供する方法
愛犬が「ここが私の居場所」と思える専用の寝床を用意するのが効果的です。
柔らかいクッションやお気に入りのおもちゃを置いて、愛犬がリラックスできる空間を作りましょう。
そうすれば、ソファに執着することが減るかもしれませんね。
穴掘り行動を抑制するためのしつけのポイント
掘る行動を抑えるには、叱るだけでは不十分です。
代替行動を教えることで、自然と掘る行動を減らすことができます。
たとえば、「ここで遊んでみよう」とポジティブに誘導するのが効果的ですよ。
ソファを保護するためのカバーやプロテクターの活用
ソファを掘られても傷つかないよう、耐久性のあるカバーを使用するのもおすすめです。
特に撥水加工のカバーは、汚れやマーキング対策にも便利です。
お気に入りのソファを長持ちさせるための必須アイテムですね。
適切な運動と遊びでストレスを軽減する方法
運動不足がストレスの原因になることが多いので、適度な運動を取り入れることが重要です。
毎日の散歩やボール遊びなどでエネルギーを発散させれば、掘る行動が減ることもあります。
愛犬が満足する時間を過ごせるよう、工夫してみてくださいね。
犬が掘りにくいソファ選びのポイント
愛犬がいる家庭では、ソファ選びにもひと工夫が必要です。
掘りにくい素材やデザインを選べば、ソファの寿命が延びるだけでなく、愛犬との生活もより快適になります。
ここでは、犬と暮らす家庭におすすめのソファ選びのコツをご紹介します。
耐久性の高い素材とデザインの選択肢
犬の爪や歯によるダメージを防ぐには、耐久性の高い素材のソファが最適です。
たとえば、合皮や厚手の布地は引っかき傷に強く、長期間使用できます。
また、シンプルなデザインのソファは、掘る隙間が少ないため、掘り行動を抑えやすいでしょう。
犬の爪によるダメージを防ぐ生地の特徴
爪による傷を防ぎたい場合は、丈夫で滑りにくい生地を選ぶことがポイントです。
編み目が細かい布や、少し粗めの手触りの素材は掘りにくく、破損しにくいです。
逆にツルツルした素材は爪が引っかかりやすく、愛犬にとって掘る刺激を感じやすくなる可能性があります。
清掃が容易なソファカバーの選び方
清掃が簡単なカバーは、犬と暮らす家庭にとって大切なアイテムです。
特に撥水加工が施されたものや、取り外して洗濯機で洗えるタイプのカバーが便利です。
愛犬が汚してしまったときでも、手間をかけずに清潔な状態を保つことができますよ。
犬と共存できるソファ配置の工夫
ソファの配置にも少し気を使うだけで、掘り行動を軽減できることがあります。
部屋の隅や壁にソファを配置することで、犬が掘る対象にアクセスしづらくする工夫が効果的です。
さらに、ソファのそばに愛犬用のクッションやお気に入りのブランケットを置けば、ソファ以外の場所でリラックスしてくれる可能性が高まります。
愛犬の穴掘り行動を理解するためのQ&A
掘る行動を見て、どう対処すればよいのか悩む飼い主さんも多いでしょう。
このセクションでは、穴掘り行動に関するよくある疑問にお答えします。
愛犬の気持ちを理解することで、より適切な対応ができるようになりますよ。
穴掘り行動はすべて問題行動なのか？
いいえ、すべてが問題行動ではありません。
犬にとって、穴掘りは自然な本能の一部です。
ただし、家具や室内環境にダメージを与える場合には、対策が必要になるでしょう。
「問題行動」ではなく、「改善できる行動」としてとらえることが大切です。
穴掘りを完全に止めさせるべきか？
完全にやめさせるのではなく、適切な場所で行わせるのが理想的です。
庭や公園など、外で掘ることを許可すれば、室内での掘り行動を減らせる場合があります。
また、掘る場所を限定することで、愛犬の欲求を満たしながら室内を守ることができます。
穴掘り行動が突然始まった場合の対処法
今まで掘る行動をしなかった犬が急に掘り始めた場合、何らかのストレスや健康上の問題が関係しているかもしれません。
特に、頻繁に掘るようになった場合は、獣医師に相談することをおすすめします。
健康チェックを受ければ、安心して原因を特定できますよ。
穴掘り行動と他の問題行動との関連性
掘る行動と吠え癖や家具を噛む行動は、関連していることがあります。
これらの行動は、運動不足や飼い主さんとのコミュニケーション不足が原因となることが多いです。
生活環境や日々の接し方を見直すことで、複数の問題行動を改善できる可能性があります。
穴掘り行動を通じて愛犬との関係を深める方法
掘る行動は、飼い主さんと愛犬の信頼関係を深めるチャンスでもあります。
ただ「困った行動」として扱うのではなく、愛犬の個性として理解し、適切な対応をすることで関係性を強化できますよ。
以下では、掘る行動を通じたコミュニケーションのヒントをお伝えします。
穴掘り行動を活かした遊びの提案
掘る行動を「宝探しゲーム」として活用するのも一案です。
おやつやおもちゃをクッションやブランケットの下に隠して、探させてみましょう。
愛犬が楽しむだけでなく、掘る欲求を満たすことにもつながります。
穴掘り行動を理解することで得られる信頼関係
掘る行動を理解し、受け入れる姿勢を見せることで、愛犬との信頼関係が深まります。
愛犬にとって「自分の気持ちをわかってくれる飼い主さん」という安心感が生まれるのです。
穴掘り行動を通じて愛犬の健康状態をチェックする方法
掘る行動が過剰な場合、爪や肉球に傷ができていないかを確認することが大切です。
また、掘る頻度が極端に多い場合は、ストレスや病気が隠れている可能性もあるので、注意深く観察してください。
穴掘り行動に対する飼い主の適切な反応とは
叱るのではなく、冷静に行動の背景を見極めることがポイントです。
愛犬の心理や状況に寄り添い、解決策を一緒に見つけていく姿勢が、最も効果的な対応となるでしょう。
まとめ
犬のソファ掘りには、本能やストレス解消、暇つぶしなど、さまざまな理由があります。
その行動をただ「困ったこと」と捉えるのではなく、愛犬の心理を理解することで、より深い信頼関係を築けます。
飼い主さんと愛犬がともに快適に過ごせる環境作りを目指してみてくださいね。
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