犬の唾液 驚きの性質

犬って飼い主を舐めるのが大好きですよね。止めなければ永遠に舐めているかもしれません。

その時、唾液が体につくのですが、なんかヌメッとしています。

これ、そのままでいいのか、洗ったほうがいいのか 迷いませんか?

1. 犬の唾液の性質

虫歯を防いでくれる

人間の唾液は中性〜弱酸性。この状態で糖分を摂取すると酸性に傾き歯のエナメル質を溶かしてしまため、放っておくと虫歯になってしまいます。

そこで食後歯磨きをして中性に戻しています。

一方、犬の唾液はアルカリ性で、虫歯ができにくい性質を持っています。ところが、アルカリ性の唾液は石灰化しやすく、歯垢が付きやすいんですね。これでは歯周病などにかかりやすいため、結局犬にも歯磨きが必要です。

このアルカリ性の性質が、犬が舐めたところにつくヌルヌルの原因。

それ、アルカリ性であることから発生する細胞膜(バイオフィルム)というものなのですね。

傷を治す

犬の唾液にはヒスタチンという物質が含まれています。ヒスタチンは、抗真菌活性・抗菌活性を持ち、傷をふさぐ役割があります。

犬は自分の傷口をしきりに舐めることがありますが、ヒスタチンの作用を理解しているのでしょう。

ヒスタチンは人間の唾液にも含まれています。私達も指先のちょっとした傷をなめてしまいますよね。

消化酵素がない

人間の唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれています。

アミラーゼはでんぷん(糖質)を分解して糖にする働きを持っています。口の中でご飯を噛んでいると甘くなりませんか? あれがアミラーゼの働きです。

犬の場合は胃液がとても強力で、口の中で消化をすすめる必要がありません。

だから犬は食べ物をほぼ丸飲みしてしまうのです。唾液は消化を助けることはせず、食べ物をスムースに胃に運ぶ働きだけをしています。

2. 舐められてもそのままで大丈夫?

舐められたところをすぐさま洗うのって、愛犬をキタナイと感じているみたいでちょっとかわいそうですよね。犬だって飼い主のことが大好きで舐めてくれているので。

でも、洗ったほうがいいです。

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犬の口の中には、現在わかっているだけでも約400種類の細菌がいます。人間の口の中にも400〜500種の細菌がいるのですが、そのうち同じ種類は15%程しかないようです。

つまり、犬に舐められると人間には馴染みのない細菌が何百万も付着する可能性があるってことです。これは人の免疫システムでも止めようがないですよね。これまでになかったのもだから、免疫システムでは防げないのです。

犬の唾液に傷口をふさぐ効果があることから、シーザーが負傷兵の傷を舐めさせるため犬を従軍した、などと言われていますが、完全に間違いですよね。犬特有の細菌に感染するだけです。そしてそれは重篤な結果を招くこともありますから、慎まないといけないと思います。

3. 犬からの感染症

犬とキス
犬に少し噛まれて感染症にかかる例としてカプノサイトファーガ感染症があります。これは犬や猫の唾液に含まれているカプノサイトファーガの3種の細菌(カニモルサス・カニス・サイノデグミ)の一つで、犬が健康であっても、咬まれたり引っ掻かれたりすれば感染して発症することがあるといいます。

厚生労働省によれば、カプノサイトファーガ感染症は感染しても発症は稀だそうですが、重症例では敗血症や髄膜炎に至ることがあり、敗血症では約26%、髄膜炎では約5%が死亡する、とされています。

日本では1993年から2017年末までに93例が確認され、うち19例が死亡。発症者のほとんどが中高年齢者でカニモルサスへの感染が原因です。そして動物・人ともに予防ワクチンはないのだそうです。

国内では、カプノサイトファーガのうちカニモルサスの保菌率は国内のイヌの74~82%、ネコの57~64%。サイノデグミの保菌率はイヌの86~98%、ネコの84~86%とされていて、保菌自体は一般的なものですから、なおさら気をつけなければいけません。

もちろん、唾液だけではなく、人獣共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれるものにはいつも注意してください。

2006年に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」では、「ズーノーシス/人獣共通感染症の知識を持ち、予防することが飼い主さんの責務である」と定義されています。

どんな病気があるのか調べてみるとWHOで確認されているのは約150種。このうち日本では50種のズーノーシスがあると言われています。

犬からうつるズーノーシスの主なものは、先程の狂犬病や回虫症、疥癬、Q熱などです。

なので愛犬といえども過剰な接触は避けたほうが賢明です。例えば

・口移しでご飯をあげたり、同じ食器は使わない。また、一緒に寝ることなどは避ける。

・予防薬の投与や予防接種を行う。

・犬の体や飼育環境を清潔に保つ。

・犬に触ったら手を洗う。

・犬が病原菌を媒介する昆虫やどうぶつを口にしないように気をつける。

・犬のトイレでは糞尿をすみやかに処理。

などは常に意識をしておきましょう。

※詳しくは→犬と一緒に寝たり、チューはダメなんですっ!

4. 犬のよだれが止まらないとき

よだれを垂らす犬

犬はよだれを流すものですが、普段と比べてあまりにも量が多いとか、それが長く続く場合は病気のサインかもしれません。獣医師の判断を仰いでくださいね。

もちろん、よだれ以外でも、普段と違う仕草に注意しましょう。

たとえば、

前足で口のまわりを掻く

口のまわりが腫れている

片方の歯でしかものを噛まなくなった

歯垢・歯石が多く付いている

口臭がする、よだれが臭い

口の中にできものがある

よだれに血がまじっている

口を触られるのを嫌がるようになった

などなど。病気ではなく普通のときでもやりそうな仕草もありますから判断が難しいですね。気になるようであれば病院につれていきましょう。

5. まとめ

犬の唾液、結構深いですね。人間と同じようで違うのが興味深いです。

人間と犬の距離をどう保つかも、ソーシャルディスタンス同様大切ですね。

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