犬を飼っていてショックなことってありますよね。
その最たるものが「食糞」つまりうんちを食べちゃうことじゃないですか。
すごい勢いでパクっといっちゃうのを見たときは「ガーン!」ですよね。
ミミズも結構来るものがありますけど、よりにもよってなんでうんちなんか食べちゃうんでしょうね?
1. 「犬がうんちを食べる」を研究した結果がある
こんな奇特な研究をしたのはカリフォルニア大学のBenjamin Hart氏の研究チーム。
1,000人以上の犬の飼い主に愛犬がうんちを食べる頻度を調べてもらったそうですよ。すると16%の犬がうんちを食べており、その中の62%は毎日食糞という結果でした。うわあ。
どうやらどんなうんちでも良いわけではなく、「したばかり」あるいは「してから2日以内」のフレッシュ(?)なうんちが好まれていたそうです。
2. 犬はなぜうんちをたべるのか
この結果からいろいろな分析が試みられたのですが、食糞の理由がなかなか見つかりません。食糞する犬の種類や年齢、習慣などに共通点が見つからなかったんですよね。そんな中できっかけになったのは「二日以上たったうんちは食べない」ことでした。
その意味は
犬の先祖のオオカミが、うんちにふくまれる寄生虫から自分をまもるために、卵が孵化するまえに食べてしまっていた習慣が受け継がれたのではないか、という仮説です。
うーん、卵ごと食べたら、結局感染するんじゃないのかな? それは消化されちゃうのかな? 疑問ですね。
一方、ペンシルベニア大学のJames Serpell教授は開発途上国では犬は人間のうんちを食べて栄養を補充していることから、「現代の飼い犬の食事は脂肪分やタンパク質が豊富で全てが消化されず、うんちに含まれて出てくるため、第二の栄養分として魅力があるのではないか」と語っています。
なんかこっちのほうが腑に落ちますよね。
3. 犬以外にもうんちを食べる動物は?
「第二の栄養分」説がもっともらしいのは、他の動物の中にも同じような理由で食糞するものがいるからです。
うさぎ
たとえばうさぎ。うさぎって一度食べたものをしっかり消化できないんですよね。だから改めて消化し直すために糞を食べるんですって。
うさぎはすべての糞を食べるのではなく、「盲腸糞」(あるいは「夜便」)と呼ばれる、栄養素のつまった糞だけを排泄後すぐに食べてしまうそうです。
フンコロガシ
また、フンコロガシも動物の糞に含まれる未消化の栄養を目的にしてます。
幼虫のときには糞をかじり、成虫になると液体部分を吸い上げて摂取するそうです。フンコロガシにとってはうんちは栄養豊富なごちそうなんでしょうねえ。
コアラ シマウマ
コアラの子供も母親のうんちを食べます。
コアラはユーカリを食べるのですが、子供のコアラはユーカリを消化する能力がなく、そのまま食べられません。
そこで授乳期が終わると子供のコアラはユーカリが未消化になっている母親のうんちを食べます。うんちをたべることで母親の体内あるユーカリを分解できる微生物を体内に取り込むのだそうです。
シマウマの子も母親の糞から、草のセルロースを分解する微生物を体内に取り込むために食べます。
人間
そしてじつは人間も食糞します。
といっても医療としてですね。
腸内に問題を抱える人に健康な人のうんちを移植する「糞便移植」という医療があるんですって!大腸炎や腸疾患の治療に効果があるらしく、日本でも2015年に施術されているそうですよ。
4. どうやったらうんちをたべることを止められるのか?
うんちを食べるワンコに悩む飼い主の皆様には申し訳ないことに、一番初めの研究では「うんちを食べさせないようにする市販品」は効果ゼロだったとも結論づけています。
その前提でできることを考えてみます。
うんちを食べる原因が「栄養を補充する」ことなら、普段の食事の栄養バランスや量を確かめてみてはいかがでしょうか。また消化不良を起こすような病気という可能性もありますよね。獣医に相談してみましょう。
ひょっとすると、飼い主の気を引くためにそんな行動に出ているかも知れませんね。としたら運動や遊びは足りているかなどをチェックしてみましょう。
5. まとめ
とくに子犬のころに食糞するという気もします。
以前のラブラドールも若い頃にパクっと行ってましたが、成長すると見向きもしなくなりました。
原始的ですけど、うんちに近づかない、リードを短く持って注意を怠らないこと、他のワンコのためにも飼い犬のうんちはしっかり持ち帰るなどから始めないといけませんね。
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