刑事コロンボの犬「ドッグ」はバセット・ハウンド

刑事コロンボといえば、くたびれたトレンチコート、古びたプジョー403、そして「うちのかみさんがね」で知られる名探偵です。
そんなコロンボのそばで、事件とはあまり関係なさそうな顔をして寝そべっているのが愛犬の「ドッグ」です。
犬種はバセット・ハウンド。
長い垂れ耳と短い脚、重たそうな体つき、少し困ったような表情が印象的な犬です。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| コロンボの犬は何犬? | バセット・ハウンド |
| 名前は? | ドッグ |
| 初登場は? | 第10話「黒のエチュード」 |
| ずっと同じ犬? | いいえ。複数のバセット・ハウンドが演じています |
ドッグは第10話「黒のエチュード」で初登場
ドッグが初めて登場するのは、第10話「黒のエチュード」です。
この回では、コロンボが新しく迎えたバセット・ハウンドを獣医に連れていく場面が描かれます。
名探偵の相棒だからといって、俊敏に犯人を追う警察犬ではありません。
むしろ寝ていることが多く、動きもゆっくり。
この「まるで役に立ちそうにない感じ」が、コロンボという人物の飾らなさと妙によく合っています。
コロンボは収容所からドッグを引き取った
英語の台詞では、コロンボはドッグを「pound」から引き取ったと話しています。
ここでいうpoundは犬などを収容する施設の意味で、収容期限が迫っていた犬をコロンボが迎えたという設定です。
日本語版では「池で溺れていた」と受け取れる表現で知られていますが、英語脚本の内容をたどると、野犬収容所から迎えた犬と考えるのが自然です。
何げない設定ですが、行き場のない犬をそのまま家族にするところに、コロンボの人柄がよく表れています。
名前を考えた末に結局「ドッグ」
「ドッグ」は英語でそのまま「犬」です。
コロンボは「黒のエチュード」の中で新しい犬の名前をあれこれ考えますが、結局ぴったりくる名前が決まりません。
そのまま「Dog」と呼ばれるようになった、という何ともコロンボらしい名前です。
しゃれた名前ではなく、犬を犬と呼ぶ。
この力の抜け方も、ドッグがシリーズに自然になじんだ理由のひとつでしょう。
コロンボの犬はビーグルではない
写真を見て「ビーグルかな」と思う人もいますが、ドッグはビーグルではなくバセット・ハウンドです。
どちらも優れた嗅覚で獲物を追うハウンドで、垂れ耳という共通点があります。
ただし、バセット・ハウンドは脚がずっと短く、体は地面に近く、骨太で重量感があります。
長い耳と、ゆっくりした独特の歩き方まで含めて見ると違いが分かりやすいでしょう。
| 比較 | バセット・ハウンド | ビーグル |
|---|---|---|
| コロンボの犬 | ○ | × |
| 脚 | 非常に短い | バセットより長い |
| 体つき | 低く重厚 | 比較的軽快 |
| 共通点 | 嗅覚ハウンド | 嗅覚ハウンド |
ドッグの魅力は役に立たないくらいのマイペースさ

刑事ドラマの主人公が犬を連れていると聞くと、犯人のにおいを追ったり、危機を知らせたりする名犬を想像するかもしれません。
ところがドッグは、そういう期待を見事に裏切ります。
コロンボが忙しくしていても自分のペースを崩さず、寝る、座る、動きたくなければ動かない。
そこがドッグの最大の魅力です。
のんびり屋で急ぐ気がない
バセット・ハウンドは落ち着いた印象の強い犬ですが、ドッグも画面の中でその性格を存分に見せています。
コロンボが話しかけても、やる気満々で反応するわけではありません。
車の中で待っていたり、足元でくつろいだり、何となくそこにいる。
殺人事件を扱うドラマの中で、この脱力感がちょうどいい間を作っています。
「愛情の計算」では犬の学校を退学
第23話「愛情の計算」では、ドッグの性格を象徴するような犬の訓練学校のエピソードがあります。
名探偵の犬なのに、訓練された優秀な犬になる方向へはなかなか進みません。
人間の思惑とは関係なく自分のペースを守るドッグと、それを無理に変えようとしないコロンボ。
この組み合わせが、二人の関係をよく表しています。
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コロンボはドッグを無理に変えない
コロンボは犯人には粘り強く食い下がりますが、ドッグに対しては驚くほどおおらかです。
言うことを聞かなくても、俊敏に動かなくても、それを欠点として責める感じがありません。
ドッグも飼い主にべったり従うタイプには見えませんが、いつの間にかコロンボのそばにいる。
この少し距離のある親しさが、いかにも大人と犬の関係らしく見えます。
ドッグがいるとコロンボの人間味が見える
コロンボは犯人の前では、わざと頼りなく見せながら鋭く追い詰めていく人物です。
一方、ドッグの前では駆け引きも何もありません。
犬に話しかけ、車に乗せ、獣医へ連れていく姿から、仕事を離れたコロンボの生活が少しだけ見えてきます。
ドッグは事件解決の道具というより、コロンボを一人の生活者として見せる存在なのです。
実はドッグを演じた犬は1匹ではない

シリーズを続けて見ていると、「ドッグの顔や体の模様が少し違う?」と気づくことがあります。
その感覚は間違いではありません。
劇中では同じ「ドッグ」として扱われていますが、実際には複数のバセット・ハウンドが役を引き継いでいます。
長期シリーズならではの、犬好きには気になるポイントですね。
第10話と第16話では体の模様が違う
初登場の第10話「黒のエチュード」と、第16話「断たれた音」のドッグを見比べると、体の模様に違いがあります。
バセット・ハウンドは白、黒、タンなどの斑が個体ごとに異なるため、見比べると別の犬だと分かります。
ドラマの設定としては同じドッグでも、撮影では早い段階から別の犬が演じていたと考えられます。
第23話から長く出演した三代目ヘンリー
ファンによる出演犬の比較では、第23話「愛情の計算」から登場する犬が三代目の「ヘンリー」とされています。
その後、「ビデオテープの証言」「忘れられたスター」「魔術師の幻想」「死者のメッセージ」「秒読みの殺人」「攻撃命令」などでも、顔や背中の模様が共通するドッグを確認できます。
旧シリーズで私たちが思い浮かべるドッグのイメージは、この三代目の印象がかなり大きいのかもしれません。
新・刑事コロンボでは別のドッグに交代
1980年代以降の「新・刑事コロンボ」では、旧シリーズとは顔や毛色の印象が違うドッグが登場します。
シリーズ全体ではさらに複数の犬が演じたとする検証もあります。
つまり「ドッグ」という一つのキャラクターを、何頭ものバセット・ハウンドが長い時間をかけて受け継いできたわけです。
見比べるなら顔より背中の模様
バセット・ハウンドは顔つきもそれぞれ違いますが、映像で見分けるなら白と黒、茶色の入り方を見ると分かりやすいです。
とくに背中や眉間の白い部分は比較しやすいポイントです。
昔見たときには気づかなかった違いを探しながら見直すのも、長寿ドラマならではの楽しみ方でしょう。
ドッグの犬種バセット・ハウンドとは

ドッグののんびりした姿だけを見ると、最初から家庭でゆっくり暮らすために作られた犬のように見えます。
しかし、バセット・ハウンドの本来の仕事は狩猟です。
短い脚で地面に近い位置を歩き、優れた嗅覚を使って獲物のにおいを追う嗅覚ハウンドとして発達してきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犬種 | バセット・ハウンド |
| タイプ | 嗅覚ハウンド |
| 体高の目安 | 33〜38cm |
| 特徴 | 長い垂れ耳、短い脚、骨太で重厚な体 |
| 性格の傾向 | 落ち着きがあり愛情深い一方、マイペースな面もある |
フランスの短脚ハウンドからイギリスで現在の姿へ
バセット・ハウンドの祖先は、フランスで作られた脚の短い「バセー」タイプのハウンドにさかのぼります。
その後イギリスへ渡り、現在知られている重厚なバセット・ハウンドへ発展しました。
「バセット」という名前も、丈が低い、脚が短いという意味に由来します。
愛玩犬のような外見ですが、ルーツはしっかりした猟犬です。
長い耳と短い脚は猟犬らしい特徴
短い脚は速く走るためのものではありません。
地面に鼻を近づけながら、においを粘り強く追うのに向いた体です。
長い耳やたるみのある皮膚も、この犬ならではの外見を作っています。
コロンボの横をのそのそ歩く姿はユーモラスですが、その体には嗅覚ハウンドとしての歴史が刻まれています。
穏やかだけど自分の意思を持っている
バセット・ハウンドは一般に落ち着きがあり、愛情深い犬とされています。
一方で、何でも飼い主の指示どおりに動くタイプとは限りません。
においに夢中になると周囲への関心が薄くなったり、気が乗らなければ動かなかったりすることもあります。
ドッグの「言われても急がない」感じは、犬種のイメージともよく重なります。
短く見えても小さな犬ではない
体高は33〜38cmほどなので、写真では小さな犬に見えることがあります。
しかし、実際には骨太で胴が長く、かなり重量感のある犬です。
成犬では20kgを大きく超える個体も珍しくありません。
「短足だから軽く抱き上げられる」と考えると、実物を見て驚くかもしれません。
バセット・ハウンドは飼いやすい?見た目より手がかかる
ドッグを見ていると、「こんなにおとなしい犬なら飼いやすそう」と思います。
たしかに、バセット・ハウンドは穏やかで家庭犬として魅力のある犬です。
ただし、穏やかであることと、手がかからないことは同じではありません。
実際に暮らすなら、体の重さやよだれ、抜け毛、耳、床や階段など、見た目からは分かりにくい点を知っておく必要があります。

よだれと抜け毛は覚悟しておきたい
バセット・ハウンドは口元の皮膚が垂れているため、よだれが出やすい犬です。
短毛なので毛の手入れが楽そうに見えますが、抜け毛もあります。
家具や床を常にきれいに保ちたい家庭では、想像していたより掃除が増えるかもしれません。
「犬がいる生活らしさ」をある程度受け入れられるかは、相性を考える大切なポイントです。
独特の体臭と長い耳のケア
バセット・ハウンドには犬種特有の体臭を感じる人もいます。
また、長く垂れた耳は通気性がよくないため、日常的に状態を確認して清潔を保つことが大切です。
ドッグの大きな耳はチャームポイントですが、実際に飼えばかわいさとお手入れはセットです。
階段と滑る床には注意
短い脚と長い胴、そして重い体を持つため、足腰に余計な負担をかけない生活環境を考えたい犬種です。
階段の上り下りや滑りやすい床をできるだけ減らし、体重管理と適度な運動を続けることが重要です。
体が重いので「階段だけ抱っこすればいい」と思っても、成犬では簡単に抱き上げられないことがあります。
おとなしく見えて声は低くよく響く
バセット・ハウンドは落ち着いた犬ですが、ハウンドらしい低く響く声を持っています。
普段おとなしいからといって、吠え声まで小さいとは限りません。
集合住宅や住宅が密集した場所で暮らすなら、留守番時の吠え方や生活音への反応も考えておきたいところです。
バセット・ハウンドを迎える前の7チェック
- よだれが多くても受け入れられる
- 抜け毛の掃除を続けられる
- 犬種特有の体臭を理解できる
- 20kgを超えることもある犬を扱える
- 階段や滑る床を対策できる
- 低く響く声への対策を考えられる
- マイペースでも根気よく付き合える
ドッグが登場する主なエピソード

刑事コロンボは全69話の長いシリーズですが、ドッグは毎回登場するわけではありません。
犬好きが見返しやすいよう、ドッグの姿やエピソードを確認しやすい主な回をまとめます。
同じ「ドッグ」でも出演犬が途中で替わっているので、模様を見比べる楽しみもあります。
| 話数 | タイトル | ドッグの見どころ |
|---|---|---|
| 10 | 黒のエチュード | 初登場。新しく迎えた犬として獣医へ |
| 16 | 断たれた音 | 初代とは体の模様が違うドッグ |
| 23 | 愛情の計算 | 犬の学校のエピソード。三代目とされる犬が登場 |
| 30 | ビデオテープの証言 | 三代目の背中の模様を確認しやすい |
| 32 | 忘れられたスター | アイスクリームをもらう姿が印象的 |
| 41 | 死者のメッセージ | 散歩中のドッグが登場 |
| 43 | 秒読みの殺人 | テレビを見るドッグ |
| 44 | 攻撃命令 | 犬の訓練にまつわる場面 |
| 49・50など | 新・刑事コロンボ | 旧シリーズとは印象の違うドッグが登場 |
| 64 | 死を呼ぶジグソー | ラスト付近の車内にドッグが登場 |
まず見るなら「黒のエチュード」
ドッグ目的で1本だけ見るなら、やはり「黒のエチュード」です。
コロンボが犬を迎えたばかりで、名前にも迷っている時期の空気がそのまま残っています。
後年のすっかり家族になったドッグを知っていると、最初の距離感もまた味わい深く感じられます。
犬好きなら「愛情の計算」も楽しい
「愛情の計算」は、ドッグのマイペースさを楽しみたい人に向いています。
訓練された名犬になる気配が薄いドッグと、それでも自然に付き合っているコロンボの関係がよく分かります。
事件とは別のところで、犬のいる日常がしっかり描かれている回です。
「忘れられたスター」の食べ物シーンも人気
「忘れられたスター」では、ドッグがアイスクリームをもらう場面が知られています。
特別な芸をするわけでもなく、ただ犬らしく食べているだけなのに妙に印象に残ります。
ドッグの魅力は、やはり大活躍ではなく、こうした何気ない仕草にあります。
ドッグがアイスクリームをもらう場面を見たい人はこちら
模様を見比べると別の楽しみ方ができる
旧シリーズを順番に見ている人なら、第10話、第16話、第23話と続けてドッグの顔と背中を見比べてみてください。
「同じキャラクターだけれど、演じている犬は違う」ということが分かると、再視聴の楽しみがひとつ増えます。
人間の俳優交代とは違って説明されないところも、犬の出演者ならではです。
刑事コロンボの犬についてよくある質問
刑事コロンボの犬は何犬ですか?
バセット・ハウンドです。
長い耳、短い脚、低く重厚な体つきが特徴の嗅覚ハウンドで、刑事コロンボの愛犬ドッグとして広く知られるようになりました。
コロンボの犬の名前は何ですか?
名前は「ドッグ」です。
コロンボは迎えたばかりの犬の名前を考えますが、結局これという名前が決まらず、そのままDogと呼ばれるようになります。
コロンボの犬はビーグルですか?
ビーグルではありません。
バセット・ハウンドです。
ビーグルも垂れ耳の嗅覚ハウンドなので似た印象がありますが、バセット・ハウンドの方が脚が短く、体が低く重厚です。
ドッグはずっと同じ犬が演じていますか?
いいえ。
劇中では同じドッグですが、長いシリーズの中では複数のバセット・ハウンドが演じています。
初期の回だけでも体の模様の違いから別個体と確認でき、旧シリーズ後半や新シリーズでも出演犬が替わっています。
ドッグはピーター・フォークの飼い犬ですか?
ドッグを演じた犬は1頭ではありません。
複数頭の中にピーター・フォークの飼い犬が含まれたとする資料もありますが、シリーズを通してすべて同じ飼い犬が演じたわけではありません。
「コロンボのドッグ=1頭のピーター・フォークの愛犬」と単純に考えない方がよいでしょう。
バセット・ハウンドは初心者でも飼いやすいですか?
穏やかで愛情深い魅力がありますが、誰にとっても簡単な犬とはいえません。
よだれ、抜け毛、体臭、長い耳のケア、重い体、足腰への配慮、低く響く声などを理解したうえで迎える必要があります。
ドッグののんびりした姿だけで判断せず、実際の生活まで想像して選ぶことが大切です。
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まとめ

刑事コロンボの愛犬ドッグは、バセット・ハウンドです。
第10話「黒のエチュード」で、収容所から迎えた新しい犬として登場しました。
名前を考えたものの結局「ドッグ」と呼ばれるところからして、気取らないコロンボによく似合います。
そして面白いのは、劇中では同じドッグでも、長いシリーズの中では複数のバセット・ハウンドが演じていることです。
初期の回を見比べるだけでも体の模様が違い、三代目とされるヘンリーは旧シリーズの多くの回に登場しました。
新・刑事コロンボでは、さらに印象の違うドッグを見ることができます。
実際のバセット・ハウンドも、ドッグと同じように落ち着きと愛嬌のある犬です。
ただし、見た目ほど小さく軽い犬ではなく、よだれや抜け毛、体臭、長い耳のケア、足腰への配慮なども必要です。
「コロンボの犬、かわいいな」と思ったら、そののんびりした表情の奥に、優れた嗅覚を持つ猟犬としての歴史があることも思い出してみてください。
次に刑事コロンボを見るときは、犯人との駆け引きだけでなく、助手席や足元で何となくくつろいでいるドッグにも注目してみましょう。
何もしないのに妙に記憶に残る。
それこそが、ドッグという名脇役のいちばんの魅力なのかもしれません。


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