1. コロンボの犬はバセットハウンド
「刑事コロンボ」覚えていますよね。
まず殺人の現場が明かされて、「世間的に成功して、権力を持つ」犯人と、風采の上がらない万年刑事のやりとり。
「うちのカミさんがね・・」の口癖も懐かしいですね。
そのコロンボが劇中で飼っていたのが「バセットハウンド」です。
そうです。ハッシュパピーのマスコットでも有名ですね。
池で溺れているのを助けて以来、一緒にいるのですが、いいかげんなコロンボらしく、その犬の名前は「DOG」。日本語では「ワン公」って感じですかね。
「うちのカミさん」と「ドッグ」が共演しているのが「ミセスコロンボ」のオープニングですね。
→(動画)ミセスコロンボのオープニングでバセットハウンドの「ドッグ」が出演!
このバセットハウンド ですが、実際にコロンボ役のピーターフォークがかっていた犬だそうで、犬好きだったんですね。
劇中でもなんども「ドッグ」に語りかけるシーンがあって、好きなんだなあ、と感じたものです。
コロンボにドッグが登場するのは
第16話「断たれた音」(The Most Dangerous Match)第2シーズン
第23話「愛情の計算」(Mind Over Mayhem)第3シーズン
第30話「ビデオテープの証言」(Playback)第4シーズン
第32話「忘れられたスター」(Forgotten Lady)第5シーズン
第36話「魔術師の幻想」(Now You See Him)第5シーズン
第41話「死者のメッセージ」(Try and Catch Me)第7シーズン
第43話「秒読みの殺人」(Make Me a Perfect Murder)第7シーズン
第44話「攻撃命令」(How to Dial a Murder)第7シーズン第47話「狂ったシナリオ」(Murder, Smoke and Shadows)第8シーズン
第49話「迷子の兵隊」(Grand deceptions)第8シーズン
第50話「殺意のキャンバス」(Murder, a Self-Portrait)第9シーズン
第57話「犯罪警報」(Caution:Murder Can Be Hazardous to Your Health)第10シーズン
第62話「恋におちたコロンボ」(It’s All In The Game)第10シーズン
第67話「復讐を抱いて眠れ」(Ashes to Ashes)第10シーズン
の15話。けっこう出演してるんですね。
2. モンローもバセットハウンド
さて、このバセットハウンドですが、実はマリリンモンローの愛犬もバセットハウンドでありました。
モンローにはいろいろ有名な言葉があるのですが、犬に絡んだものもあって
「犬に噛まれたことなんて無いわ。噛みついてくるのはいつも人間」
ですって。
孤児という生い立ちや、複雑な恋愛関係、人間関係に悩んだモンローらしい言葉だと思います。
バセットハウンドを飼っている有名人といえばアニメ「攻殻機動隊」の押井守監督がいます。
押井監督の作品に何度も登場していますから、ご覧になった方も多いと思います。
「攻殻機動隊」に登場するキャラクター、「バトー」の飼い犬でもあります。
3. バセットハウンドってどんな犬?
写真を見ても分かる通り、垂れ耳で短足胴長の中型犬ですね。標準的な体高は33−38㎝くらい、体重は20キロ前後です。毛色は3色と2色。3色はブラック&ホワイト&タン、2色はレッド&ホワイトやレモン&ホワイトですね。その他の組み合わせもあり得るようですよ。
バセットハウンドは16世紀頃から存在したそうです。もともとはベルギーの寺院で繁殖していたものが元になっているようです。
18世紀後半から19世紀になると、庶民の間でも猟がさかんになりました。庶民の猟は馬に乗らず、歩いて行うので、それと同じスピードで歩けるバセットハウンドは重宝されたんですね。ウサギ・キツネ等の小動物の猟にもちいられました。
その後イギリスで繁殖され、1880年代後半からアメリカに輸出され人気が上がっていったようです。
バセットハウンドは賢く穏やかでのんびりです。猟犬なのにね(笑
一方で何かに熱中していたりすると、自分の世界に入り込むことが多いようです。そこからなのか、マイペース、頑固と評されることもありますね。しつけはそれなりに苦労しそうです。
体力があり、太りやすくもあるため、1日1時間程度の散歩が必要です。
胴長ですからね、ヘルニアになりやすい傾向があるようです。気をつけてあげましょう。また、耳が長いために水に浸かりやすく、ウィルスが繁殖しやすいそうです。
4. 古畑任三郎に登場した犬は?
コロンボときたら、古畑任三郎をあげないわけにはいきません。
実はこの二人にも因縁があります。
古畑任三郎役の田村正和が『新ニューヨーク恋物語』(2004)撮影中、宿泊者専用のクラブにいたところ、田村夫人が目で合図をするので振り返ると『刑事コロンボ』のピーター・フォークいたそうです。
もちろん、ピーターフォークはコロンボに影響された「古畑任三郎」のことなど知らなかったと思いますが、ファンとしては不思議な縁を感じますよね。
そもそも「古畑任三郎」は脚本家の三谷幸喜が大のコロンボファンで、そのオマージュとして作られています。
特に第1作目の「死者からの伝言」はコロンボの「死者のメッセージ」をベースに「私だったらこう考える」とした三谷幸喜からコロンボへの返信とも言える内容です。
その第一話の前口上で、古畑任三郎は
「犬を飼っている人に一言。名前を呼ぶ時は“ちゃん”を付けるのは止めてください。“ちゃん”を付けると犬は“ちゃん”までが自分の名前だと思い込んで“ちゃん”を付けないと振り向かない場合があります。犬には…」
と語っていますね。
いかにも犬を飼っている人の感覚だと思います。
田村正和さんも「子供はあまり好きではないが、犬にはよく好かれる」といっていますから、きっと犬好きなのでしょう。
劇中には犯人の「小石川ちなみ(中森明菜)」の飼い犬のゴールデンレトリーバー、万五郎が登場します。
三谷幸喜さんの以前の飼い犬はラブラドールレトリーバーでしたねー。
5. ラブラドールってどんな犬?
ここでラブラドールを説明しておきましょう。様々な用途の使役犬として用いられるラブラドールはどんな犬種なんでしょう?
ラブラドールレトリバーのルーツはニューファンドランド半島ですね。16世紀頃、入植者が連れてきたセント・ジョンズレトリバーがその祖先となります。当時から泳ぎが得意で猟師を手伝い、漁網の牽引や、落ちた魚の回収などに使われていたようですね。
現在のラブラドールと違い、セント・ジョンズレトリバーは黒の毛色しかなかったらしいです。今や人気のチョコレートやイエローの毛色が生まれるようになったのはずっと後のようですね。
その後、高い知能と水中や水辺で様々なものを回収してくる能力に感銘を受けた貴族が、1820年頃に水鳥の狩猟用猟犬としてセント・ジョンズレトリバーをイギリスに持ち込みます。そのイギリスにおいて、繁殖と選択交配が進み、イギリス原産となりました。
ラブラドールは世界で最も飼育頭数の多い純血種です。その人気を支えるのは賢さや、穏やかさ、性格の良さです。
・ラブラドールの体の特徴
ラブラドールレトリバーは欧米では中型犬とされることも多いようですが、日本では大型犬とされています。
1番目の特徴としては水かきがついていることです。
ラブラドールは、別名『king of water fowl(水鳥回収の王)』と呼ばれているくらい泳ぎが得意な犬なのですからねー。
体高はオス56~57cm、メス54~56cm、体重25kgから35kg。
体は骨太で筋肉質。密集している短毛は、水をよく弾く上毛と冷気を通さない厚い下毛があります。
そして抜け毛が激しいことは覚悟しましょう。
・ラブラドールの性格
ラブラドールは穏やかで攻撃性が少ない性格です。
飼い主への服従性の高さと自分で判断する能力の両方のバランスが良いので、場所や状況を良く見て判断することができます。
むだ吠えなどはほとんどありません。縄張り意識も薄く、人間が大好きです。他の犬種とも友好的です。
6. 犬好きなら泣ける「ステキな金縛り」の名シーン
三谷幸喜さんの「犬愛」が存分に発揮されるのは、映画「ステキな金縛り」です。
その中で、霊界から連れてこられてしまったすでに亡くなった愛犬のラブラドールを中井貴一さんが、生前のようにじゃれて慈しむシーンがあります。
これ、犬を飼っている方なら、泣けます。もちろん、笑えます。
このシーンだけで「ステキな金縛り」は名作だと思っているのですが。
そして中井貴一さんが実際に飼っているのもラブラドールなのですね。
犬関係のつながりは面白いですねえ。
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