犬が膝に乗りたがるのはなぜ?

犬 膝に乗ってくる 犬の育て方 16週間で行う犬のしつけ

なんでうちの犬、膝に乗ってくるの?

「あっ、また来た!」気づけば膝の上にちょこん。
愛犬が膝に乗ってくる理由には、愛情だけじゃないちょっと意外な事情もあるんです。
癒しなのか、支配なのか…真相を探りながら、ふたりの関係性をのぞいてみましょう。

ただの「甘えん坊」じゃなかった!

犬が膝に乗ってくる行動は、単なる甘えだけではありません。
確かに、飼い主さんのぬくもりを感じたい、そばにいたいという気持ちから膝に乗ることも多いですが、それだけではないのです。
例えば、犬が膝に乗ってくることで、自分の存在をアピールしたり、安心感を得ようとしている場合もあります。
また、飼い主さんの反応を見て、膝に乗ることで注目を集められると学習していることも。
このように、膝に乗る行動にはさまざまな心理が隠されているのです。

安心基地=あなたの膝説

犬にとって、飼い主さんの膝は安心できる場所です。
特に、不安やストレスを感じているとき、膝の上に乗ることで安心感を得ようとします。
雷の音や知らない人の訪問など、犬が不安を感じる状況では、飼い主さんの膝の上が安全な避難所となるのです。
このような行動は、犬が飼い主さんを信頼している証拠でもあります。

犬の気温センサーは意外と敏感

犬は体温調節が得意ではありません。
特に寒い季節には、飼い主さんの膝の上で暖をとろうとすることがあります。
小型犬や短毛種は特に寒さに弱く、膝の上が暖かくて快適な場所と感じているのでしょう。
このような行動は、犬が快適さを求めているサインとも言えます。

「好きだから」だけじゃ語れない本音

犬が膝に乗ってくる理由は、「好きだから」だけではありません。
中には、自分のテリトリーを主張するために膝に乗る犬もいます。
これは、飼い主さんに自分の匂いをつけることで、他の犬に対して「ここは自分のものだ」とアピールしているのです。
また、飼い主さんよりも自分が上位だと感じている場合、膝に乗ることでその優位性を示そうとすることもあります。

犬 膝に乗ってくる

犬種によって“膝率”はちがうのか?

「うちの子、ずっと膝にいるんです」って話を聞いても、「うちの柴はぜんぜん来ない」なんてケースも。
膝の上が大好きな犬種、ちょっと距離を取りがちな犬種など、性格と本能が交差する犬種別の“膝事情”を解説します。

チワワ・トイプーは乗ってなんぼ

チワワやトイプードルなどの小型犬は、飼い主さんの膝の上が大好きです。
これらの犬種は、もともと人とのスキンシップを好む傾向があり、膝の上でくつろぐことで安心感を得ています。
また、小さな体で寒さに弱いため、膝の上で暖をとることも多いでしょう。

柴犬・秋田犬はマイペース主義

柴犬や秋田犬などの日本犬は、比較的自立心が強く、飼い主さんの膝の上に乗ることは少ないかもしれません。
これらの犬種は、自分のペースで行動することを好み、過度なスキンシップを避ける傾向があります。
しかし、信頼関係が築かれると、膝の上に乗ってくることもあるでしょう。

大型犬の「ちょっとだけ」膝乗りの切なさ

大型犬が膝の上に乗るのは物理的に難しいですが、前足だけを乗せてくることがあります。
これは、飼い主さんとのスキンシップを求めているサインです。
大型犬も甘えたい気持ちは同じで、体の一部を飼い主さんに預けることで安心感を得ようとしているのです。

性格>犬種のこともあるからややこしい

犬種による傾向はありますが、個々の性格によって膝に乗るかどうかは異なります。
同じ犬種でも、膝の上が好きな子もいれば、そうでない子もいます。
犬の性格や育った環境、飼い主さんとの関係性が大きく影響しているのです。

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「膝から降りない」問題、どうする?

ずっと膝にいるのはカワイイけど、さすがに足がしびれる。
だけど降ろすと目がうるうる…。
そんなジレンマに悩む飼い主さん必見。
上手な距離のとり方と、愛をキズつけない降ろし方を伝授します。

「あと5分だけ…」が命取り

最初は「ちょっとだけね」のつもりが、気づけば1時間なんてこと、よくありますよね。
けれども、長時間膝にいるのが当たり前になると、ワンちゃんにとってもそれが習慣になります。
「乗るのが当然」と思い込むと、今度は降りたくないモードに突入します。
その結果、降ろされると「なんで!?」という顔で見つめてきて、こちらも罪悪感マシマシ。
ここで重要なのは、時間を決めてあげることです。
時計をチラチラ見るのもありですし、一定時間が経ったら「おしまいだよ」と声をかけて、日常の合図にしていくと良いでしょう。
甘やかすだけでは、いずれワンちゃんの「要求行動」を加速させる原因にもなります。

降ろすタイミング、ちゃんと選ぼう

「さぁ、降りて!」と急にどかすのはNG行為です。
犬にとっては驚きとショックのWパンチになります。
自然な流れで膝から降りてもらうには、まず声をかけ、次に視線を合わせ、最後にゆっくり手を添えて促しましょう。
また、遊びのおもちゃやおやつを使って別の場所へ誘導するのも有効な方法です。
ポイントは、「降りる=イヤなこと」にならないようにすること。
信頼関係をキズつけずに、安心して自分の場所に戻れるように工夫しましょう。

犬クッションという逃げ道

「膝が恋しい…でも乗せてあげられない…」そんなときの強い味方が“犬専用クッション”です。
膝の代わりにクッションに乗ってもらえば、ワンちゃんも満足感を得られるかもしれません。
そのクッションに飼い主さんの匂いがついていれば、より安心できますし、なんならひざ掛け代わりに乗せてあげても良いですね。
大切なのは、ワンちゃんにとって“第二の膝”と思える場所を用意することです。
お気に入りの場所ができれば、自然とそちらに向かうようになりますよ。

それでも乗ってくるときの最終兵器

あらゆる手段を尽くしても膝から離れない…そんなときは、飼い主さんが“移動”するのが一番手っ取り早い方法です。
ワンちゃんの性格によっては、「強引にどかされる」よりも、「いなくなっちゃった!」の方がダメージが少ないこともあります。
トイレに立つふりでもOK。
移動した先でクレートやベッドに誘導し、そこで褒めてあげると、「ここにいるとイイことがある」と思うようになる可能性もあります。
“抱っこマン”化してしまう前に、やさしく対処してあげましょう。

犬 膝に乗ってくる

膝に乗ってくる行動から読み解く犬の心理

「言葉が通じたらいいのに」と思ったこと、ありますよね。
でも、犬は行動で気持ちを伝えてくれます。
膝に乗る行動から見える、愛犬の“今のキモチ”を心理学風に読み解いていきます。

「今さびしい」が80%を占める説

犬が膝に乗るタイミングって、だいたい決まってると思いませんか。
一人で部屋にいた時間が長かったあと、雨の日、夜の静かな時間帯。
こういったとき、ワンちゃんは“さびしさ”を感じていることが多いんです。
これは人間の「誰かにくっついていたい」という気持ちと似ています。
特に分離不安ぎみの子や、子犬の時期に甘え癖がついた子にはよく見られる行動ですね。
「今さびしいから、そばにいたいな」っていう小さなサイン。
気づける飼い主さんって、すてきだと思います。

警戒中の「見張り台」になってるかも

膝の上=安心、と言いたいところですが、逆に「警戒モード」のサインであることもあります。
たとえば、来客時や他のペットがいるとき。
膝の上に乗って、高い場所からまわりの様子をうかがっているのは、いわば「見張り台」。
愛犬は飼い主さんのそばにいながら、状況を把握しようとしているのです。
この行動には、「自分が守るぞ!」という強気な気持ちや、「守ってほしい…」という不安な気持ちがまざっています。
どちらにしても、ワンちゃんが心の中でいろんなことを考えてる証拠なんですよ。

主導権を握りたい!という欲望

ときに、犬の“膝乗り”は甘えではなく、支配のしぐさであることもあります。
「ボクの場所はここだぞ」「この人はボクのもの」といった、マウンティング的な心理が隠れている場合もあるのです。
特に、飼い主さんがワンちゃんの要求にすぐ応えてしまう場合、犬は自分の立場が上だと“誤認識”してしまうことがあります。
これは信頼関係にヒビを入れかねないので注意が必要です。
日頃から、指示に従わせるトレーニングや、ルールのあるスキンシップを意識しましょう。
「かわいいから許す」は危険信号。
愛情としつけのバランス、大切ですね。

意外と「何も考えてない」ってことも

そして意外なことに、膝に乗ってくる理由が「とくにない」場合もあります。
ただ単にそのとき空いていたから。
なんとなく心地よさそうだから。
そんな“なんとなく乗っただけ”というフラットな理由も、犬の世界では立派な動機なのです。
人間でも「とりあえずソファに座る」みたいな行動、ありますよね。
犬もまた日常の流れのなかで、無意識に膝を選んでいることがあるのです。
それを「好きなんだ!」と過剰に受け取ると、逆に犬にとっては負担になることもあるかもしれません。
気軽な膝乗り、そんな日もあるってことで。

犬 膝に乗ってくる

膝に乗ってくるのをやめさせたいときの対策

いやカワイイよ?
でも会議中とか、料理中とか…今じゃない!って時にも膝にくるんです。
そんな時にやっておきたいしつけのヒントと、「おあずけモード」を使った工夫を紹介します。

「今はムリ」ってちゃんと伝えよう

犬は言葉は話しませんが、空気はちゃんと読みます。
「今は乗れないんだよ」とはっきり伝えるのは、実はとても大切なことです。
その場しのぎで抱っこを受け入れていると、犬は混乱します。
「乗っていいの?ダメなの?」とルールが曖昧になってしまうんですね。
たとえば、両手を軽く前に出してブロックしたり、「おしまい」とひと言だけ声をかけるなど、シンプルなサインを決めておくのがコツです。
飼い主さんの態度が安定すれば、犬も理解しやすくなります。

おすわり・待てを活用したルール作り

「膝=フリーパス」状態では、しつけとして成り立ちません。
基本的なコマンド「おすわり」「待て」を応用して、ルールある膝乗りタイムを作りましょう。
たとえば、「おすわり→抱っこOK」の流れを習慣にすると、犬は“お願いする姿勢”を覚えます。
また、乗っている時間が長すぎるときも、「待て」で一度クールダウンさせることが有効です。
犬が従うことで信頼関係も深まり、気持ちのメリハリが生まれます。
かわいいからこそ、ダメなときはダメと言える関係性を築きたいですね。

居心地のいい別席(ベッド)作戦

膝の代わりに「ここもいいよ!」と勧められる場所を用意してみましょう。
お気に入りのクッションやブランケット、飼い主さんの匂いがついた洋服などを使って、特別な“自分の場所”を演出するんです。
クレートの中に小さなおやつを隠して「宝探しゲーム」にしてみたり、「そこにいると良いことある」体験を積み重ねましょう。
そうすれば、ワンちゃんも自然とその場所を選ぶようになるかもしれません。
居場所の自由度が上がれば、膝への執着もやわらぐはずです。

しつけは怒るより“誘導”が吉

つい「ダメでしょ!」と怒鳴ってしまいがちですが、それは逆効果になってしまうこともあります。
犬は怒られている理由がわからないと、混乱したりストレスを感じたりします。
大事なのは「ダメ」ではなく「こっちにしようね」と優しく導くことです。
たとえば、膝に乗ろうとしたときにおもちゃを渡す、別の場所に案内するなど行動を“すり替える”方法が有効です。
叱らずに育てる“しつけ”こそが、信頼関係を深める近道ではないでしょうか。

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まとめ

膝に乗ってくるワンちゃんの行動には、実にたくさんの理由が隠れています。
愛情表現や不安のサイン、マウンティング的な主張まで、その心理は奥深いものです。
だからこそ、ただの「甘えん坊」で片づけてしまうのは、ちょっともったいないですよね。
膝に乗ってくるその瞬間に、飼い主さんと愛犬との“コミュニケーション”が生まれています。
それを上手に受け止め、時にはやんわり距離を取りながら、よりよい関係性を育てていけたらステキです。
犬のしぐさを読み解くことは、犬との暮らしをもっと豊かに、そして幸せにしてくれるはずです。

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