犬がトイレで寝るのは、飼い主にとって驚きかもしれませんが、実はそれほど珍しいことではありません。この記事では、犬がトイレで寝る理由と、正しい対処法について詳しく解説します。
犬がトイレで寝るのは大丈夫?
トイレで眠る姿を見ると、「しつけに失敗したのかな」「このままで大丈夫?」と心配になりますよね。
トイレで寝る行動だけで、すぐに大きな問題と考える必要はないでしょう。
まずは年齢、季節、寝るタイミング、寝床との位置関係を見てみましょう。

子犬がトイレで寝るのは珍しくない
迎えたばかりの子犬は、トイレと寝床の役割をまだ十分に区別できていないことも。
月齢が低いほど睡眠時間も長いため、たまたま落ち着いたトイレトレーで眠ってしまうケースも珍しくありません。
子犬の眠り方そのものが気になる場合は、子犬の睡眠時間と夜中に起きる理由も参考にしてください。
トイレで寝るとトイレを覚えなくなる?
トイレで寝ること自体が、すぐにトイレトレーニングの失敗につながるわけではないのです。
ただし、寝床でもトイレでも排泄してしまうなど、場所の区別そのものがついていない場合は、配置や誘導の方法を見直したいところです。
トイレの境目で失敗しやすい犬については、犬のトイレ失敗を減らす「境目」の考え方も合わせて読むと分かりやすいです。
飼い主から離れたトイレで寝るのは嫌われているから?
飼い主のそばよりトイレを選んだからといって、嫌われていると考える必要はありません。
犬は人との距離だけでなく、室温、静かさ、床の感触、囲まれ方なども合わせて寝る場所を選んでいます。
「自分とは寝ないから嫌われた?」と不安になったら、犬が一緒に寝る人を選ぶ理由も参考になります。
犬がトイレで寝てしまうのはなぜ?
犬がトイレで寝てしまう原因はさまざま。以下に代表的なものを紹介します。

本来の寝床が落ち着かなくて気に入っていない
犬は居心地の良い場所で寝ることが必要です。
もし寝床が居心地が悪い場所にある場合、犬はトイレで寝ることを選ぶ可能性があります。また、素材や感触が嫌いな場合も同様です。
特に暑い時期は、ふかふかのベッドより床やトイレトレーのひんやりした感触を選ぶ犬もいるでしょう。
寝床を避ける理由については、犬がベッドで寝ないで床で寝る理由も参考にしてください。
トイレが落ち着く場所に
犬は自分の排泄物から生じる匂いが好きです。
そのため、トイレを自分の居心地の良い場所として認識している可能性も。
ただし、すべての犬が排泄物のにおいを好むわけではありません。自分のにおいが残る場所に安心感を持つ場合がある、と捉えると自然です。
飼い主がかまってくれる
犬は飼い主にかまってもらうことが好きです。
犬がトイレで寝たことに大騒ぎをしてしまうと、飼い主にかまってもらいたくて同じことを繰り返す場合も。
トイレと寝床の違いがわかっていない
トイレトレーニングをしなければならない時期に、トイレと寝床の違いがわからない場合があります。そのため、トイレで寝ることがあるかもしれません。
ハウスの中で寝床とトイレを分けながら教えるなら、子犬のハウストレーニングとトイレトレーニングでも詳しく紹介しています。
トイレトレーが落ち着く トイレシートが好き
犬は、自分の匂いがする場所を好むことがあります。トイレトレーやトイレシートには、犬の匂いが残っている場合があります。そのため、そこで寝ることがあるかもしれませんね。また、犬が自分の排泄物を近くで感じていることで、排泄行動と睡眠を関連づけてしまっている可能性もあります。
愛犬がトイレで寝る理由を様子から見分けよう
原因を一つに決めつけるより、「いつトイレで寝るのか」を見る方が愛犬の傾向をつかみやすいでしょう。
次の表で当てはまるものから確認してみましょう。
| 愛犬の様子 | 考えやすい理由 | まず試したいこと |
|---|---|---|
| 夏場によくトイレで寝る | トレーの涼しさや感触が好き | 通気性のよい寝床や冷感マットを試す |
| 子犬で迎えたばかり | 寝床との区別がまだ曖昧 | 寝床とトイレを分けて分かりやすくする |
| ベッドにはほとんど入らない | 素材・大きさ・場所が合わない | 寝床を一つずつ見直す |
| 留守番中だけ寝る | 不安や環境変化の影響 | 留守番環境と寝床の安心感を確認する |
| トイレで寝ると飼い主を見る | 飼い主の反応を期待している可能性 | 大騒ぎせず寝床へ誘導する |
| 急に始まり元気や食欲もない | 体調変化の可能性 | 動物病院に相談する |
犬は寝床についてどう感じている?
犬は、自分の寝床に関してとても敏感な動物です。
犬にとって、寝床は安心できる場所であり、日々のストレスから解放される場所でもあります。犬は、自分の寝床に慣れ親しむために、その場所を自分の匂いで満たしたり、ふかふかのマットレスやクッションを置いたりします。それだけ、快適な環境をよく見ています。

安心できる場所を寝床にしてしまう
犬は、自分が安心できる場所でしか寝たくないため、寝床が環境的に落ち着かない場合には、トイレで寝ることがあります。この場合、寝床の環境を整えることで、犬がトイレで寝ることを防ぐことができます。例えば、犬が好む素材のベッドを用意したり、周囲に何か犬にとって安心できるものを配置することができます。
犬はきれい好き
犬は、排泄物と寝床を同じ場所で行うことに対して、本能的に嫌悪感を抱きます。
しかし、犬がトイレで寝るという行動をしてしまうのは、トイレと寝床の区別がつかない場合があるからです。この場合、きちんとトイレトレーニングを行うことで、犬がトイレで寝ることを防ぐことができます。
犬をトイレで寝かせない方法
犬がトイレで寝るのを防ぐには、いくつか試せる方法があります。

寝床の環境を整える
犬が快適に眠れる環境を整えましょう。
ベッドやクッションを用意し、犬が寝やすい場所に配置すると、トイレより寝床を選びやすくなるでしょう。
寝床で寝たら褒める
犬が寝床で寝ることができたら、褒めてあげましょう。
犬は飼い主の褒め言葉によく反応します。褒められる経験を重ねるうちに、寝床で落ち着く行動が定着していくことも期待できます。
トイレのスペースをきっちり分ける
トイレと寝床のスペースを分けましょう。
トイレと寝床が近すぎると、犬が両方を混同することも。できるだけ分かりやすく区切ってあげましょう。
飼い主の匂いがするものを用意する
犬は飼い主の匂いに安心することがあります。そこで、飼い主の匂いがついた安全なものを寝床に置く方法も考えられます。
例えば、飼い主の匂いがついた毛布などを寝床に置けば、そこを落ち着ける場所として受け入れやすくなるかもしれません。
ただし、衣類をかじったり飲み込んだりする犬では、誤飲の心配がない犬用の毛布などを使いましょう。
トイレトレーを替える
犬がトイレで寝る行動を頻繁に繰り返すなら、トイレトレーを替えてみるのも一案です。
素材や感触が変わることで、トイレトレーを寝床として選ばなくなる場合もあります。
そこで、犬が嫌うメッシュ素材を使ったトイレトレーに替えてあげることも有効ですね。
ただし、メッシュの感触を嫌がるかどうかは犬によって違います。トイレそのものを避けるようにならないか様子を見ながら試しましょう。
トイレと寝床の置き場所を逆にする
犬がトイレで寝るときは、トイレと寝床の位置関係も確認したいところです。
トイレと寝床が近すぎると、両方の役割を混同してしまう可能性もあります。
そんなときは置き場所を入れ替えるだけで、寝る場所が変わることもあるでしょう。
トイレをこまめに消臭する
犬がトイレで寝る背景には、自分のにおいが残る場所に安心しているケースも考えられます。
その場合は、トイレをこまめに清潔にすることがポイント。トイレシートを定期的に替え、必要に応じて犬用の消臭用品を使ってみてください。
トイレで寝ていても叱らない
トイレで寝ている犬を大声で叱ったり、無理に追い出したりするのは避けましょう。
「トイレにいると怒られる」と覚えてしまうと、排泄場所そのものを避ける原因になることがあります。
寝床へ静かに誘導し、そこで落ち着けたときに褒める方が分かりやすいでしょう。
排泄場所をもっと分かりやすく教えたいなら、子犬にトイレのワンツーコマンドを教える方法も参考になります。
留守番・衛生・家庭環境と動物病院に相談する目安
トイレで寝る理由は、寝床だけとは限りません。
留守番や家庭環境、衛生面、体調の変化まで一緒に見ておくと安心でしょう。
留守番のときだけなら不安やストレスも確認する
在宅中はベッドで寝るのに留守番中だけトイレで寝るなら、寝床の問題だけでなく、ひとりになる不安や生活環境の変化も考えてみましょう。
留守番は短い時間から慣らし、安心して過ごせる場所を作っていきたいですね。
留守番の進め方は、子犬の留守番トレーニングも参考にしてください。
環境が変わった直後などに落ち着かない様子が続く場合は、子犬のストレスを減らすポイントも確認してみましょう。
トイレで寝るなら衛生面にも注意する
トイレで寝る習慣がすぐに変わらなくても、使用済みのシートを長時間そのままにしないことは大切。
被毛や皮膚が尿で濡れたままになっていないか、赤みやかゆみが出ていないかも見てあげましょう。
トイレで寝る犬の衛生チェック
- 使用済みのトイレシートをこまめに交換している
- トイレトレーを定期的に洗っている
- 被毛や皮膚が濡れたままになっていない
- 赤み・かゆみ・強いにおいなどの変化がない
多頭飼いなら寝床を取られていないか確認する
多頭飼いでは、別の犬がベッドを使っていたり、寝床の周辺が落ち着かなかったりして、トイレを避難場所のように選ぶケースも。
それぞれの犬が邪魔されずに休める場所を用意できているか確認してみましょう。
家族の出入りや騒音で寝床が落ち着かないこともある
ベッドがテレビの前や人の通り道にあると、静かなトイレの方を選ぶ犬もいるでしょう。
ベッドの素材だけではなく、置き場所そのものも見直してみてください。
突然始まり体調にも変化があるなら動物病院へ
トイレで寝る行動だけで、病気かどうかを判断することはできません。
ただし、急に寝る場所が変わったうえに、元気がない、食欲が落ちた、痛がる、排泄の回数や量が変わったなど、いつもと違う様子が重なる場合は動物病院に相談しましょう。
犬がトイレで寝るときのFAQ

子犬がトイレで寝るのは普通ですか?
珍しいことではありません。
迎えたばかりなら、寝床とトイレの区別がまだ曖昧だったり、トイレトレーの感触を気に入っていたりすることも。
まずは寝床とトイレを分け、犬がどちらで排泄しているかも合わせて見てください。
トイレで寝るとトイレを覚えなくなりますか?
必ずしもそうとは限りません。
ただし、寝床とトイレのどちらでも排泄するなど、場所の区別そのものができていない場合は、トイレトレーニングを見直した方がよいでしょう。
トイレで寝ていたら叱っていいですか?
叱るのは避けましょう。
トイレそのものを嫌な場所と覚えないように、寝床へ静かに誘導し、そこで落ち着けたときに褒める方法がおすすめです。
夏だけトイレで寝るのはなぜですか?
トイレトレーや床の方が涼しく、寝床より快適に感じている可能性が高そうです。
ベッドが暑すぎないか、風通しが悪くないかを確認し、必要に応じて通気性のよい寝具や冷感マットを試してみましょう。
飼い主のそばではなくトイレで寝るのは嫌われているからですか?
それだけで嫌われているとは考えなくて大丈夫です。
犬は好き嫌いだけでなく、静かさ、温度、寝心地、周囲の動きなども見ながら寝る場所を決めています。
急にトイレで寝るようになったら病気ですか?
トイレで寝る行動だけを見て、病気とは判断できません。
ただし、急な行動変化と一緒に、元気や食欲の低下、痛がる様子、排泄の変化などがある場合は動物病院へ相談してください。
成犬でもトイレで寝ることはありますか?
成犬でもあります。
暑さや寝床の好み、静かな場所を選びたいなどの理由で、トイレを寝場所にする犬もいます。
年齢よりも「いつ、どんな状況で寝ているか」を見ると原因を考えやすくなります。
まとめ
トイレではなく寝床をいかに快適にしてあげるかですね。
犬用のクッションなどで工夫してあげるのがいいのではないでしょうか。
犬がトイレで寝るときは、単にやめさせるより、寝床の温度や素材、トイレとの距離、留守番中だけかどうかなどを観察する方が理由を探りやすいでしょう。
子犬では珍しい行動ではありません。一方で、急な変化や体調不良が重なるなら、動物病院への相談を考えてください。


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