このサイトは「子犬の記念日」ですが、犬にまつわる記念日は日本にも外国にもあるのですね。
例えば日本で古くから言われているのは「戌の日」。
あまり知られていませんが、実は1日1日に干支(えと)が割り振られています。「戌の日」はその11番目。だから、12日おきに「戌の日」がやってくるのですが、日本では妊娠5ヶ月目の最初の戌の日に腹帯を巻き、安産を祈願する風習があります。それは、犬は多産であるのに、お産が軽いことから「安産の守り神」とされているからです。
記念日というのは誰が決めるのでしょう?
日本では「日本記念日協会」という民間団体があり、各種記念日の登録と認定を行っています。記念日の名称・日付・由来・目的・活動内容・今後の予定などを審査され適当と判断されたものが「〇〇記念日」として認定されるのです。合格・不合格があるんですよ。
その中には次のような記念日があります。
出典 dameblo.asablo.jp
1959年1月14日、南極に置き去りにされた南極観測隊の犬、カラフト犬のタロとジロが生存していることが確認された日。
置き去りにされても、人を信じ、希望を失わずに生き抜いたタロとジロの勇気と生命力をたたえて、「愛と希望の勇気の日」とも呼ばれています。
タロとジロといえば、ハチ公と同じくらい有名ですよね。その剥製が同じ博物館にあるんですね。
南極観測隊に連れて行かれたタロとジロの話を知らない人のために補足しますと
1957年に南極に到着した第一次南極観測隊で、犬ぞりを引くために同行したんですね。
1958年の帰還時に天候の悪化から基地からの帰還が叶わず、繋がれたまま昭和基地に置き去りにされてしまいます。
1959年、第3次越冬隊のヘリコプターから、昭和基地に2頭の犬が生存していることが確認され、それがタロとジロだったのです。
この話だけなら感動的な話なのですが、「野犬化させないため」鎖に繋いで置き去りにしたことや、南極の生態系に異質な樺太犬を残したことなど、ネガティブな面も指摘されたようです。
あまり語られませんが、実際7頭(ゴロ・ペス・紋別のクマ・クロ・ポチ・モク・アカ)が首輪に繋がったまま死亡していましたし、6頭(風連のクマ・シロ・リキ・アンコ・デリー・ジャック)が行方不明だったそうです。
タロとジロは、首輪をうまく抜けて、ペンギンやアザラシを狩って生き延びたようです。
ペンギンにしてみれば大迷惑だったことでしょう。
※詳しくは→タロ ジロ の剥製があるって知っていた? 樺太犬とは?南極物語で有名
※写真 victor
日本ビクター(現在のJVCケンウッド)のトレードマークとして知られている「ニッパー」ですが、生誕130年を迎えた年に日本ビクターによって制定された記念日です。
あのトレードマークはイギリスの画家によって書かれたものが由来になります。その絵のタイトルは「His Master’s Voice」。
絵のモデルになった犬の名前は1884年に生まれた「ニッパー」(人間の足をやたらに噛むためそう名付けられたそうです)。
犬種はフォックス・テリア系の雑種で、あの絵のイメージと実際は随分違ったそうですよ。
「ニッパー」の飼い主は「フランシス・バロウド」というイギリスの画家です。
しかし、もともとは彼の兄であるマークがかっていた犬でした。
マークが亡くなり、フランシスが「ニッパー」を引き取ったのでした。
ある日、フランシスの家にあった蓄音機で「ニッパー」に兄の声を聞かせてみると、「ニッパー」は熱心に耳を傾け、もうすでに亡くなってしまった主人の声に聞き入っていたのです。
その姿に心を動かされたフランシスが「His Master’s Voice」を書き上げました。
絵はもともと、エジソンが発明した円筒型蓄音機「フォノグラフ」を聴く姿で描かれていたんですね。
そこでフランシス・バロウドはこれを「フォノグラフ」の製造・販売をするエジソン・ベル社に持ち込んだところ、「犬は蓄音機を聴かない」と拒否されてしまったんだそうです。いやー、身もふたもないですね(笑
しかし諦めきれなかった彼は、今度はレコード盤を再生する円盤式蓄音機「グラモフォン」を製造・販売するイギリスのベルリーナ・グラモフォン社に持ち込んだんですねー。
すると円盤式蓄音器の発明者の、「エミール・ベルリナー」は、ニッパーの姿に感動して、そのまま「米国ビクタートーキングマシーン」の商標として使用したそうです。もちろん、蓄音機の部分は書き直したんでしょうね。
この「米国ビクタートーキングマシーン」は日本ビクター(現在は「JVCケンウッド」)の親会社だったんです。
こんなエピソードを知ると、音響機器ブランドであった「ビクター」にふさわしい由来だなあと思いますね。
※詳しくは→ビクター犬「ニッパーくん」の犬種はなに? その子供と一緒の動画も!
もう完全に「子犬の記念日」なのですが、子犬から与えられる幸せを無条件にお祝いする日で、正式名称は「Nathional-puppyday」。
もちろん、さまざまな悲惨な状況に置かれている子犬の救済イベントも多く行われる日でもあります。
※出典 どだすか大舘
4月8日は、一度、戦争のために供出されてしまった渋谷駅前のハチ公の銅像が、再び設置され、その除幕式が行われた日です。
今でも、4月8日には、ハチ公の慰霊祭が行われています。
さて、主人の死後、毎日渋谷駅に通った、というのが「忠犬ハチ公」のメインテーマなんですが、実はこれには異論があるんです。
ハチ公が亡くなった後、解剖されたのですが、腹のなかには折れた焼き鳥の串が入っていたそうです。
串が刺さって死亡、ではないのですが、ここが問題で、「ハチが駅前に現れたのは駅前の屋台でもらえる焼き鳥や、餌が目当てだったため」という説があったんですね。ハチは主人の上野英三郎の通勤時間ではない時間帯でも駅前をふらふらしていたという証言もあり、そのように考える人もいたようです。
これらに対して
① ハチは屋台が出ない朝も9時に必ず駅に行っていた
② 焼き鳥などがもらえたのはハチが駅に通った9年間のうち、たった2年間で、それ以前は駅員や駅周辺の人々からいじめられていた
③ ハチが座っていたのは上野が出てくる改札口に接する小荷物窓口の近くであって駅前の屋台の近くではない。
などなど異論を否定する証言があり、今ではご存知の通り「忠犬」を拝命しているわけです。
※詳しくは→忠犬 ハチ公の犬種 秋田犬はどんな犬? お墓や剥製があるって知っていた?
国際盲導犬連盟(IGDF)の前身である国際盲導犬学校連盟が発足したのが1989年4月12日の水曜日。それを記念して、4月の最終水曜日を「世界盲導犬の日」として制定されました。
5月13日は、「ジャパンケンネルクラブ」の前身「日本警備犬協会」が設立された日を記念して制定されました。
日本で補助犬と言うと、盲導犬、聴導犬、介助犬のことを言います。
2002年5月22日に身体障害者補助犬法が参議院本会議において可決成立、同年10月1日に施行されたことにちなみ、日本介助犬協会によって、この両日が補助犬の日と制定されました。
ファシリティドッグとは、病院に常勤して医療の分野で子供達の心のケアを行う訓練を受けた犬です。知っていましたか? 初代のベイリーが、子供病院で働き始めた7月1日が記念日とされました。
狂犬病にかかった犬に噛まれた少年に、世界で初めて狂犬病ワクチンが接種された日。感染症から予防できるワクチンの象徴の日として知られています。このコロナ禍のただ中なのに、まったく話題にならなかった気がしますね・・・。
2005年アメリカで制定。純血種だけでなく、雑種やミックス犬のすばらしさを広め、殺処分や、飼い主によってシェルターに持ち込まれるような不幸な犬を減らそうとする目的で制定されました。大切な考え方ですね。
出典 スヌーピーHP
アメリカの漫画ピーナッツに登場するビーグル犬「スヌーピー」の誕生日を記念して、2015年に日本の公式スヌーピーサイトが制定しました。
実はスヌーピーは、元の飼い主に手放された後、チャーリーブラウンの元に行くんですよ。元の飼い主はライラといいまして、彼女が引っ越し先のマンションがペット禁止のため飼えなくなってしまい、いったん生まれ故郷のデイジーヒル子犬園へと戻されるんですね。
私はこの辺がスヌーピーの屈折に関係してるんじゃないかと思っています。
そのデイジーヒル子犬園にやってきたチャーリーに見初められてチャーリーのうちに引き取られます。
スヌーピーの名前の由来は「スヌープ」という単語。「うろうろと嗅いでまわる、詮索する」という意味ですね。作者のお母さんが「次に飼う犬の名前」として考えていたものを拝借したようです。
※詳しくは→スヌーピーの犬種、モデルのビーグル どんな犬?オラフ以外の兄弟は?最終回はどうなった?
2004年、アメリカで制定された記念日です。
正式名称は、National-Ⅾog Day。
多くの犬たちが助けを求め、家族を待っていることを認識すること、多くの犬たちが人間に無償の愛をささげてくれることに感謝することを目的に制定されました。
動物虐待のない世界を目指すことを目的として、非営利一般社団法人日本動物虐待防止協会によって制定されました。
ペットの健康診断の受診の重要性を広めるために、10(じゅう)13(いさん)の10月13日をペットの健康診断の日として、動物医療の啓発・普及活動を行っているTeam HOPEによって制定。
なんとなく不吉そうだったり、地味だなど、黒い犬への偏見から守り、差別されることなく、黒犬でも幸せに暮らせるよう願いを込めて、アメリカで制定されました。
今の飼い犬、ノーフォークテリアの前は、黒のラブラドールでした。もちろん黒い犬が不吉なんて思ったこともありませんが、(でも黒ラブの通り名は「黒い悪魔」でしたね)そんな記念日があるんですね。
日本の社団法人、ペットフード協会によって制定された記念日です。
1(わん)1(わん)1(わん)のごろ合わせで、この日に合わせて、日本の人気犬種のランキングが発表されたり、愛犬の写真コンテストなどが開催されるので定着してきましたよね。
犬の鳴き声と猫の鳴き声にちなんでペットに感謝する記念日として制定されました。
3月3日 金魚の日
4月28日 象の日
6月6日 ひつじの日、カエルの日
9月6日 カラスの日(The Crows Day)
10月24日 文鳥の日
11月11日 チンアナゴの日
毎月28日 鶏の日(にわとりの日)
1月21日 リスの日(Squirrel Appreciation Day)
3月1日 豚の日(National Pig Day)
4月12日 世界ハムスターの日
4月25日 世界ペンギンの日
5月25日 世界カワウソの日
6月21日 世界キリンの日(World Giraffe Day)
6月22日 世界ラクダの日(World Camel Day)
7月16日 世界ヘビの日
7月最終金曜日 コアラの日
7月29日 世界トラの日
8月10日 世界ライオンの日(World Lion Day)
8月12日 世界ゾウの日
9月22日 世界サイの日
10月4日 世界動物の日(World Animal Day)
犬の日はいっぱいありまして、それぞれがメジャーになりつつありますね。
その他の動物の日はチンアナゴの日なんてなんか笑ってしまいますが、海外で制定されている記念日のほとんどは絶滅から守ろうという意味からの制定が多いようです。実は日本でも、10種以上の犬種が絶滅しているそうです。
最近、絶滅が心配された犬種としては「大東犬」がいます。
※画像https://ameblo.jp/eriko08081973/entry-11506921465.html
※詳しくは→ターンスピット「産業革命」が殺した犬 絶滅した犬種
記念日を知って一年に一度しっかり思い出し、毎日の生活を見つめ直すことは大切ですね。