子犬のやんちゃ期、どこまで続くの?
子犬のやんちゃ期。
それはもう、元気いっぱい、パワー全開!
飼い主さんが「今日もまたやられた……」とつぶやく毎日は、決して珍しくありません。
けれど、その“嵐のような時期”にも終わりは来ます。
生後の時期や犬種、環境によってその終わりのタイミングは違うのですが、おおむね生後1年くらいが目安と言われています。
ただし、ラブラドールやゴールデンなど、体力も欲求も旺盛な大型犬は、2歳、時には3歳くらいまで“やんちゃ盛り”が続くことも。
それでも、きちんとしつけや環境を整えていけば、徐々に落ち着きが見えてきますよ。
やんちゃのピークはいつ来る?
多くのワンちゃんは、生後6か月から1歳の間に“やんちゃのピーク”を迎えます。
この時期、特に柴犬やトイプードルなどの人気犬種でも、例外なく暴れん坊になります。
なんでもカミカミ、走ってはぶつかり、おしっこもうっかりそこらへんで……。
これは体力がぐんと増えてきて、脳の発達がまだ追いついていないから。
つまり、行動をコントロールするブレーキがまだ弱い状態なんですね。
この時期は、しつけと並行して“生活リズムの安定化”が重要です。
トレーニングと遊び、睡眠のバランスを整えることで、やんちゃのピークをうまく乗り越えられる可能性が高まります。
月齢ごとの変化をざっくり紹介!
子犬の成長はジェットコースターのようなもの。
生後2か月頃にはトイレトレーニングが始まり、3か月を過ぎると好奇心旺盛に。
4か月あたりからは甘噛みや吠えが目立ちはじめ、5〜6か月ではマウンティングや要求吠えが混ざる子も出てきます。
そして、7か月から10か月にかけて“反抗期”のような行動が。
「わかってるのに、わざとやってるでしょ!?」と思う場面が増えてきます。
ここが正念場。
しっかりと「ダメ」と「よくできたね」の線引きを伝えつつ、信頼関係を深めていくことが大切になります。
犬種で違う!? チワワとラブの比較
チワワなどの小型犬は、一般的に早熟で精神的にも落ち着きやすい傾向があります。
それに対して、ラブラドール・レトリーバーなどの大型犬は、体力とエネルギーが桁違い。
やんちゃな行動が長く続くケースも多く、特に運動不足が原因でいたずらが増えることも。
ここで大切なのが“犬種に応じた生活設計”。
「チワワは抱っこ中心」「ラブはドッグランで発散させる」など、タイプに合った関わり方をすることが、やんちゃ期の短縮にもつながります。
やんちゃ=元気?それとも問題行動?
「やんちゃで元気なのはいいこと」と思っていたら、それが“問題行動”だった……というのは、よくある話。
たとえば、興奮状態で飼い主に飛びついたり、おもちゃを離さなかったり。
これがエスカレートすると、無視してもしつこく吠えたり、トイレ失敗を繰り返したりという悪循環に。
やんちゃと問題行動の違いは“自制心が育ってきているかどうか”で判断できます。
「少しずつ言葉を理解してきているか?」をチェックポイントにしてみてください。
なぜそんなに落ち着きがないの?
「もう、なんでこんなに暴れん坊なの〜!」と嘆く飼い主さん、多いですよね。
でも、そのやんちゃにはちゃんとした“原因”があります。
脳の発達段階、ホルモンバランス、環境の刺激、そして何より“ワンちゃん本人の性格”。
つまり、飼い主がしっかり理解して対応すれば、ムダに怒ることも減るはずです。
ここでは、落ち着きのない行動の“中身”を、もう少し細かく見ていきましょう。
子犬の脳みそはまだ発展途上
子犬の脳は、いわば「建設中のビル」みたいなもの。
フロアは増え続けているけど、エレベーターはまだ動かない……そんな状態です。
つまり、考えるよりも先に体が動いてしまう。
だからこそ、やんちゃな行動が多く見られるのです。
「なんでそんなことするの!?」と思っても、本人にとっては“つい、やっちゃった”。
この段階では、あくまで根気よく教え続けることが重要。
トレーニングというより“学習の手助け”と考えた方が気持ちもラクになりますよ。
エネルギーが有り余ってるだけ説
子犬はとにかくエネルギーのかたまり。
朝から晩まで走り回っても、まだ「遊んで〜」と目を輝かせてきます。
運動不足や睡眠不足があると、興奮状態が長引き、やんちゃ行動に拍車がかかります。
ここでカギになるのが「発散」と「タイミング」。
朝の散歩、昼のトレーニング、夜の休息——このリズムが整うと、かなり落ち着くことが多いんです。
留守番が長い家庭では、ケージでの過ごし方や、おもちゃの工夫がポイントになります。
怖いもの知らず期っていつ終わる?
ワンちゃんの「怖いもの知らず期」は、生後3〜6か月がピークです。
この時期は、物音や他の犬に対する警戒心がまだ薄く、いわば“全方位に対してオープンマインド”。
人間でいえば小学生男子が自転車で坂道を全力疾走するようなもの。
「あとで怖くなるけど、今は楽しくて仕方ない!」という状態です。
この時期の失敗体験はトラウマになることもあるので、刺激は“ちょい足し”くらいがちょうどいい。
段階的に慣らしていくことが、のちの安定感につながります。
「好奇心が勝つ」時期をどう乗り切る?
この「なんでも知りたい!」「とにかく試したい!」という欲求は、やんちゃの原動力です。
でも、好奇心に振り回されると、飼い主さんはヘトヘト。
そのために必要なのが“選択肢のコントロール”。
遊んでいいもの、かじっていいもの、入っていい部屋などをルールとして明確にしておくことで、興味の矛先を正しい方向へ向けることができます。
社会化期に合わせて、いろんな刺激を“ポジティブ体験”として与えることも、ぐっと落ち着きを早める近道になります。
しつけがカギ?やんちゃ卒業への道
やんちゃ期を“嵐のような日々”で終わらせるか、“絆を深める時期”に変えるかは、しつけ次第。
もちろん、怒鳴ったり無理に従わせたりするのではなく、信頼関係をベースに「こうするといいよ」と教えていくスタイルが理想です。
最近では「褒めるしつけ」「コマンドトレーニング」「パピー教室」など、方法も多様化。
飼い主さんの“気持ちのゆとり”も、成功の秘訣になりますよ。
子犬の“覚えたいスイッチ”はここだ!
子犬の集中力は、とても短い。
でも「今、覚える気あるな!」という瞬間が、たしかにあるんです。
それが“覚えたいスイッチ”。
たとえば、おやつを見せたとき、褒められた直後、遊んだあとなどがチャンスです。
このタイミングで「おすわり」や「まて」などのコマンドを繰り返すことで、学習効果がぐんと上がります。
ちなみにトレーニングは“1回5分”が基本。
だらだら続けるより、パッと集中して褒めて終わる方が、犬にとっても楽しい記憶になります。
叱るより褒めるが勝ち
やんちゃ行動が目立つと、ついつい「ダメ!」と声を荒げたくなりますよね。
でも、実はその「ダメ!」が犬にとっては“かまってくれた”サインになることもあるんです。
だからこそ、悪さをしている時は“無視”、良い行動をした時は“即座に褒める”が鉄則。
褒美としてのおやつや、声がけ、なでなでは、犬の行動をコントロールする上でとても効果的です。
興奮している状態で怒っても、犬は何を怒られているか理解できないことも。
「よくできたね!」を100回言うつもりで接してみてください。
そのポジティブな積み重ねが“お利口さん”への一歩になりますよ。
やんちゃを“遊び”で消化しよう
やんちゃな行動は“余った体力と欲求不満”の現れでもあります。
それなら、そのパワーを遊びでうまく消化してしまいましょう。
ボール遊び、ひっぱりっこ、トレーニングを兼ねた知育おもちゃなど、選択肢はいっぱいあります。
ただし、遊び方にもルールは必要。
「やめ」の合図、「ちょうだい」などのコマンドを交えて遊ぶことで、遊びの中でも主従関係や信頼関係を育てることができます。
室内であっても、毎日10〜15分の集中した遊びタイムを取り入れると、夜の落ち着き具合が変わってきますよ。
家族全員でルールを統一しよう
子犬にとって“家庭内ルール”がバラバラだと、混乱します。
お父さんはソファに乗るのを許すのに、お母さんは怒る——なんてこと、ありませんか?
こうしたバラつきは、犬の“行動の基準”をあいまいにしてしまいます。
なので、家族全員で「これはOK」「これはNG」とルールを明確にし、行動の一貫性を保つことが大切です。
また、子犬のしつけや対応方法についての意識を“共有”しておくと、いざという時も安心。
リーダーシップを持つことと、みんなで支えることは、両立できるんです。
去勢・避妊手術とやんちゃの関係
「手術したら急に落ち着いた!」という声、よく聞きます。
でも、その効果って本当?
実は、去勢や避妊にはホルモンの変化があるため、性ホルモン由来の行動(攻撃性やマーキング)がやわらぐ可能性はあります。
けれど、手術=魔法ではありません。
個体差もあれば、環境やしつけの影響も無視できません。
このセクションでは、ホルモンとやんちゃ行動の関係、手術のメリット・デメリットについてチェックしていきましょう。
ホルモンと行動の密な関係
犬も人間も、ホルモンの影響はあなどれません。
特に発情期前後や思春期にあたる月齢では、オスはマウンティングやマーキング、メスは情緒不安定になりがち。
これは性ホルモン(テストステロンやエストロゲン)による“興奮状態”が原因です。
そのため、去勢・避妊をすることでこのホルモンバランスが変わり、落ち着いた行動に変化する子もいます。
とはいえ、これも“その子次第”。
すべての犬に効果が出るとは限らないので、過剰な期待は禁物です。
手術はいつがベスト?月齢の目安
一般的に、去勢・避妊手術の適齢期は生後6か月から8か月頃。
ただし、犬種や体格、健康状態によって前後するため、かかりつけの獣医師に相談するのがベストです。
早すぎると成長に影響が出ることもありますし、遅すぎると発情が始まって行動が定着してしまう可能性も。
迷ったら「その子にとって一番いいタイミングはいつか?」を、一緒に考えてくれる先生を頼りましょう。
手術しても落ち着かないケースもある
「去勢したのに全然変わらない……」という声も、じつは珍しくありません。
これは、性ホルモン以外の理由——たとえば、育て方、環境、学習のクセなどが関係していることが多いです。
甘やかしすぎた結果、自分がリーダーだと勘違いしてしまったり、強いストレスがかかっていたり。
だからこそ、手術の有無だけで判断せず、日頃の生活や接し方を見直すことが必要になります。
「落ち着く」は個体差ありまくり
“落ち着く”という言葉ひとつとっても、その定義は実にあいまいです。
「吠えなくなったから落ち着いた」「散歩中にリードを引っ張らなくなったから落ち着いた」など、人によって基準が違います。
それに、トイプードルのようなエネルギッシュな犬種は、元気が落ち着く=病気かも?と不安になる飼い主さんもいるほど。
結局は、その子の性格や家庭環境に応じて、“落ち着いたね”と思えるラインを探していくしかありません。
答えはいつも「その子の中」にあるんです。
落ち着いてきたサイン、見逃すな!
「あれ? 今日はいたずらしなかったな」「最近、よく寝るなあ」——
そんな小さな変化、見逃していませんか?
やんちゃ期の終わりは、ある日突然ピタリと止まるわけではなく、徐々に少しずつやってきます。
それは睡眠時間の変化だったり、トイレの成功率の上昇だったり、行動に“余裕”が出てくる感じ。
これらのサインを見逃さずに観察できる飼い主さんこそ、名トレーナーへの第一歩です。
子犬の変化は、まるで天気のよう。
晴れたり曇ったり、でも確実に春はやってくるのです。
睡眠時間がぐんと増える
やんちゃな時期を過ぎると、自然と睡眠時間が増えてきます。
これは、精神的にも身体的にも「落ち着き」が出てきた証拠。
成犬に近づくにつれて、活動のリズムが整っていくため、無理な体力消耗をしなくなるのです。
特に生後8か月〜1歳前後にかけて、「あれ、昼間のいたずら減った?」と感じることが多くなります。
一緒に過ごす時間の中で、「今が寝どきかな」「今なら集中できそう」とリズムを読む力がついてくると、飼い主さん側のストレスもかなり減りますよ。
破壊活動がピタリと止まる
ソファがボロボロ、スリッパは何足目かわからない……という日々が、少しずつ静まってきたら、それも“卒業”のサインかもしれません。
子犬は、歯の生え変わり時期やストレスがたまっていると、物をかじることで発散しようとします。
しかし、感情のコントロールや欲求不満の対処法を覚えてくると、わざわざ家具をターゲットにしなくなるのです。
「そういえば最近、おもちゃ以外かじってないな〜」と思ったら、もうやんちゃ期後半戦に突入です。
指示に少しずつ反応してくれる
「おすわり」「まて」「だめ」など、基本的なコマンドに反応できるようになると、かなり落ち着いてきた証拠。
この段階に入ると、“自分の行動がどう影響するか”を学習し始めているサインです。
ここで気をつけたいのは、命令口調になりすぎないこと。
飼い主の声のトーンや、タイミングがうまく伝わることで、より深い信頼関係が築けます。
おやつをうまく使いながら、「やればできるじゃん!」と犬に自信をつけさせるのも大切なポイントです。
他の犬との遊び方がマイルドになる
ドッグランでの振る舞いにも変化が出てきます。
以前は全力で突進していたのに、最近は相手の様子を見ながら動いたり、自分から離れてひと休みしたり。
こうした“間”が取れるようになるのは、社会性が身についてきた証です。
また、マウンティングが減ったり、攻撃的な吠えが落ち着いたりと、行動に「自制」が見られるようになるのもこの時期。
ここまで来れば、もう立派な“お兄さん”“お姉さん犬”。
新しく仲間入りするパピーの良き先輩にもなれるかもしれません。
やんちゃ期を楽しむ“心の余裕”講座
「この子、もしかして一生やんちゃなんじゃ……」と不安になったときこそ、深呼吸を。
やんちゃ期は、実は飼い主との絆を深めるチャンスでもあります。
今しかない仕草、今しかない行動、そして今しか撮れない写真があるのです。
どうせなら、イライラして過ごすよりも「この時期ならではの楽しみ方」を見つけてみませんか?
ここでは、やんちゃ期を“うんざり”ではなく“思い出”に変える方法をご紹介します!
写真・動画を撮って“思い出化”しよう
とびはねてる姿、部屋中ぐちゃぐちゃにした直後のキョトン顔——
どれも「今しか撮れない宝物」です。
やんちゃ行動があまりに続くと、気持ちが沈んでしまいがちですが、そこでちょっと視点を変えてみましょう。
「こんな姿もいつか笑える日が来る」と思って、スマホを構えてみてください。
Instagramなどにアップすれば、同じ悩みを持つ飼い主さんとのつながりもできるかもしれませんよ。
「完璧を求めない」が最強のコツ
子犬のやんちゃ行動をすべて直そうとすると、飼い主さんの心が折れてしまいます。
でも、ちょっと考えてみてください。
人間の子どもだって、走り回って叫んで転んで、ようやく大人になりますよね。
それと同じで、犬も“失敗の中で学ぶ”存在です。
「今日はトイレ1回失敗したけど、3回は成功した!」という見方をすれば、毎日がちょっとずつ前向きになります。
完璧じゃなくて大丈夫。
犬だって人間だって、間違えて、迷って、少しずつ“お利口さん”に近づいていくのです。
トレーニングをゲームにしちゃえ!
やんちゃを叱るより、楽しいトレーニングで正しい行動に誘導する方が、犬も人もハッピー。
「おすわりできたらごほうび!」「ハウスに入ったらテンションMAXで褒める!」
そんなふうに、遊び感覚でしつけをするのがコツです。
犬にとっては「褒められる=嬉しい」経験が積み重なることで、学習効率もぐっと上がります。
また、トリック(お手、おかわり、スピンなど)を教えるのも、運動不足の解消とコミュニケーションの両方に効果的。
遊びと学びをセットで楽しめば、飼い主さんもきっと笑顔になれますよ。
成長を喜べば、しんどさ半減!
昨日できなかったことが、今日はできた。
「ごはんを待てるようになった」「散歩中に落ち着いて歩けた」——
そんな小さな“できた!”に気づくことが、育犬のモチベーションを保つ秘訣です。
大事なのは、1日単位での変化ではなく、1週間、1か月、半年という長いスパンで見てあげること。
成長の波には“揺り戻し”もつきものですから、あせらず、じっくり。
「大変だったけど、あの時期がいちばんかわいかったな」って、きっと後で思えますよ。
いま感じている“困った!”は、未来の“宝もの”になるんです。
まとめ
子犬のやんちゃ期は、生後6か月ごろから1歳くらいまでがピークですが、犬種や性格によっては2歳近くまで続くこともあります。
エネルギーの発散不足、社会化不足、ホルモンの影響など、やんちゃ行動の“背景”を理解しつつ、適切なしつけや環境整備をしていくことで、少しずつ落ち着きが見えてきます。
飼い主さんにとっては大変な毎日かもしれませんが、その分、ワンちゃんとの絆も深まるチャンスです。
焦らず、比べず、我が家の子のペースで育てていくこと。
それが“いっしょに暮らす”ということの、いちばんの楽しさかもしれません。
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