Modified on: Jul 28, 2019
ワクチンを摂取しないと本当に病気なるのだろうか?
ひょっとしたらあなたは、そんなふうに疑問を持つかもしれません。
ワクチンについてよく知ることが大切ですよね。
人間も同様なのですが、ワクチンを打てば100%その病気にかからないというわけではありません。
しかし、ワクチンを打つことでその確率を桁違いに減らすことができるんですね。
もちろん感染しなければ罹患はしませんが、ウィルスは目に見えません。感染に気をつけると言っても限界がありますよね。
あなたの子犬を守るためにも、正しいワクチンの受け方を理解しておいたほうが良いですよ。
生まれたばかりの動物は外界で初めて遭遇するウイルスや細菌などの病原体に対してとても弱いものなので、母親から免疫を受け継ぐことが不可欠です。
子犬は初乳を飲むことで、母犬の免疫を受け継ぎます。
しかし、生後約42日~150日くらいで徐々に効果が薄れそれ以降は感染症に対して無防備になってしまいます。
その代わりに子犬の体を守るのがワクチンなのです。
本来、母犬から受け継いだ免疫が薄れた後は、自分で抗体を作り出さなければいけません。
ところが、そのためには一度、その病気にかかる必要があります。それを回避するために、ワクチンを打つことで体の中に抗体を作っていくのです。
ワクチンの接種後1、2日は犬を安静にしてあげましょう。
約2−3週間で免疫を得ることができ、1年間は効果が続きます。
1年後にはもう一度ワクチンの接種を受ける必要があります。
1. 犬ジステンパー
2. 犬パルボウイルス感染症
3. 犬アデノウイルスI型感染症(犬伝染性肝炎)
4. 犬アデノウイルスII型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
5. 犬パラインフルエンザ
6. 犬コロナウイルス感染症
7. 犬レプトスピラ病黄疸出血型
8. 犬レプトスピラ病カニコーラ型
9. 犬レプトスピラ病へブドマディス
動物病院によって異なりますが、上記の9つのワクチンを5種混合~9種混合まで1回のワクチン接種としています。
1~5番までが5種混合ワクチン。それ以降は番号順に加えられます。体力のある成犬であれば9種混合ワクチンを接種すればいいよいのですが、子犬は副作用などのリスクがあるため注意が必要です。
※コロナウィルスは、生後6週齢を過ぎた犬にはほとんど感染しないことが知られているため、8種混合ワクチンのほうが最も一般的な混合ワクチンになります。
例えば感染症の大部分はペットショップへの流通時や、ショーケースでの感染がほとんどなので、しっかり管理されたブリーダーから直接購入した場合は、感染リスクが低いことから5種混合にとどめ、ペットショップから迎えた場合は9種混合ワクチンを受けるなどの判断が必要でしょう。
母親から受け継いだ免疫が消滅する前に、子犬は自分で抗体を作らなければいけません。そこで最短で生後42日目に第1回目のワクチン接種をします。
しかし一回ではしっかりと抗体を作れないリスクを考えて、その1ヵ月後(90日目)に第2回目のワクチンを、さらに念の為2回目から1ヵ月後(120日目)に第3回ワクチン接種をします。
まとめると、
生後2ヶ月(1回目)
↓1ヶ月後
生後3ヶ月(2回目)
↓1ヶ月後
生後4ヶ月(3回目・最終)
2回目ワクチンを接種後、約2週間で散歩に連れ出すことができますよ。
しつけも遊びも健康あってのことです。獣医師のもと、しっかりワクチンを受けてくださいね。
下の表は私がいつもお世話になっている獣医院でのワクチンの値段になります。
人間の場合と違って保険診療ではないため、医院によって価格が違います。
ワクチンだけお世話になるのではなくて、具合が悪い時、検診など様々な場面で通うことになります。
行きやすいのか、獣医師とコミュニケーションしやすいか などを考えて選ばれると良いと思いますよ。
犬5種混合ワクチン | 7,000円 |
犬7種混合ワクチン | 8,000円 |
犬8種混合ワクチン | 8,000円 |
狂犬病予防接種 | 3,300円 |
ワクチンについて調べていくと、「生ワクチン」「不活性ワクチン」という言葉が出てきます。
「生ワクチン」とは「生きているウィルス」を使用しているワクチンのこと。生きているといっても「弱毒株」というごく弱いウィルスです。
体内に入って増殖を開始し、軽く病気にかかった状態を作るんですね。
そうすることで抗体を体内に作ることができます。
生ワクチンで作られた抗体では免疫力が強く、持続性があることが特徴になります。
しかし、体が弱っているときに接種すると、本当にその病気を発症する危険があります。
現在の5種混合ワクチンはほとんどがこの「生ワクチン」を使っているそうです。
一方、「不活化ワクチン」の方は、死滅したウイルスを材料にしています。
そのために接種後増殖はしません。そこは安心ですが、生ワクチンと比べると作られる免疫力が弱く、持続力も劣っています。
「不活性化ワクチン」は主に狂犬病のワクチンなどに使われています。
これらのワクチンとは別に接種が義務付けられているのが、狂犬病のワクチン。
発症すると必ず死亡する最悪の人畜共通感染症(ズーノーシス)ですね。
治療方法がなく、悲惨な神経症状を示してほぼ100%死亡する極めて危険なウイルス性の感染症なのです。
狂犬病は、約4,000年前から知られていたそうですが、現在でも、世界では毎年約50,000の人と十数万の動物が発病死していると推定されています。
ちょっと古い資料ですが、1997年の世界における狂犬病の発生状況です。
日本では、ここ数十年、法定ワクチンが行われているので、1件も発生していません。
でもその周りは真っ赤ですよね。
狂犬病は世界的にみるといまだに猛威をふるっているのです。
狂犬病予防法により、ワクチン接種が法律で義務付けられていて、犬を飼い始めてから
30日以内に1回、その後も毎年1回ワクチン接種を受けなければなりません。
狂犬病予防接種を行うのは年に1度で、基本的には4月~6月。犬の登録をしておくと、毎年春に市区町村から「狂犬病の予防接種」のお知らせが郵送で届きます。必ず毎年接種するようにしてくださいね。
子犬はいつから散歩に出ても大丈夫なんでしょうか?
母犬から受け継いだ免疫が切れる前後にワクチンプログラムを受けることになります。
通常「初めての散歩に行く時」はワクチン接種後90日くらいから、と言われています。ワクチンのプログラムが終わるのは、生後13~14週くらいでしょうか。
そうすると初めての散歩はその90日後ですから生後6ヶ月たってから、ということになります。
生後4ヶ月としているサイトもあるので、ワクチンプログラム終了後どのくらいで散歩を始めるかの期間によって差が出ているようです。
子犬ごとのコンディションがありますから、獣医師と相談するのが良いと思います。
いかがですか。
予防接種をうけるのは確かに面倒なことですが、あなたの愛犬を守る行為ですから、時間を作って獣医に連れて行ってください。
また、ドッグランなどの施設に連れていくときに、初めの会員登録でワクチン接種が条件になっていることが多いです。
目当てのドッグランがあるなら、要求されるワクチン接種を調べるとよいでしょう。