Modified on: Jul 28, 2019
「伏せ」のしつけがなかなかうまくいかないと嘆く飼い主さんは多いようですねー。
犬に「伏せ」を教えるのは難しいらしくて「伏せ」は服従項目の中でも、最後に教えることが多いようですよ。
実は、「伏せ」のしつけの目的は「ワンコに長時間待ちやすい姿勢を覚えてもらうことで、『待て』が教えやすくなる」ことなんですねー。「伏せ」と「待て」はセットですし、これらが身につけられれば人間社会で格段に共存しやすくなります。
子犬をどこにでも連れていけるようになりますよ!
では「伏せ」とはどういうものでしょうか?
「伏せ」というしつけは犬がおなかを床や地面につけた状態にさせることです。
犬が伏せた状態になると、筋肉の収縮が一気になくなり、犬には体を休めてゆったりした気持ちにさせます。
ですから長時間「待て」をさせるときに「伏せ」を覚えていれば身体的に楽になります。
もちろん「おすわり」でも動き回る犬をお尻を地面に付けさせて、その場にいさせることができます。
でも「おすわり」ではお尻を地面に付けているだけ。
「伏せ」ではお尻だけでなくお腹も地面につけるので、より落ち着いた姿勢をとらせることができるんですね。
また「伏せ」の姿勢は犬が動き出すまでに時間がかかります。
それだけに犬の突発的な動きをより制限できるという飼い主側のメリットもあります。
安全面だけではなく、カフェで犬と過ごすときに「伏せ」が身についていれば飼い主は犬の動きにいたずらに煩わされずゆったり過ごすことができるようになります。案外これが最も実用度が高いかもしれないですね。
カーミングシグナルとは、ワンコが不安やストレスを感じて自分自身を落ち着かせようとしているときや、目の前の相手に戦う気や敵意はないと伝えようとしている状況の時によく見られるしぐさのこと。
カーミングシグナルは約20個以上あると言われています。その中に「伏せ」の姿勢が入っているのですよ。
カーミングシグナルとしての「伏せ」の意味は「私はあなたに何もしません」と相手に敵意がなく服従している気持ちを表しています。
もちろん、飼い主に対しても服従のフセを見せるわけですが、「伏せ」の意味が飼い主に対して「つまらない」という意思表示している場合もあるのだそうですよ。退屈そうに「伏せ」をしている場合はそうかもしれません。
たとえば、楽しく遊んでしたおもちゃを急に取り上げられたり、期待していたことが得られずに、逆に叱られたりなどした場合にこのような態度になるみたいです。
その他にも
・興奮しすぎた自分をひとまず落ち着かせる
・散歩で出会ったはじめての犬に「あなたに敵意はないよ」と知らせる
・欲しいものが目の前にあるときに嬉しい気持ちを抑えて平常心を保とうとしている
などの気持ちを表すそうです。
カーミングシグナルとしてすでに意味を持っている「伏せ」なので、コマンドとして新しく認識させるのが難しいのかもしれないですね。
ですから普段、犬が自分から「伏せ」の格好をしたときに「伏せ」とコマンドをかけ、褒めてやることから始めるのがいいですね。
まず環境を整えましょう。
部屋の中で子犬の気が散りそうなものは片付けちゃってくださいね。床におもちゃが転がっているようなら、どこかに持っていって見えないようにしてください。
「伏せ」のコマンドで大切なのは、座っている状態から伏せることではなくて、伏せている「姿勢」を覚えさせることです。
コマンドとご褒美によって犬に「伏せ」の姿勢と、その姿勢を取らせることを覚えさせます。
1. まず飼い主が、地面にお尻をつけ、左足を前に投げ出して右足は折って座ります。2. 左足の左側に犬を置き、右手に握ったフードを左足の内側の下からくぐらせ犬の鼻に差し出し匂いを嗅がせます。
3. 左足を犬が伏せないとくぐれない程度の高さに膝を曲げておきます。右手をゆっくり右に移動させ子犬を誘導します。
4. 犬が右手のフードを持って足の下をくぐろうとして、「伏せ」の格好になったら、「伏せ」とコマンドをかけ、フードを与えます。
5. 「OK」で解除します。
1. 右手の中にフードを5粒ほど隠し、飼い主は立ち膝で子犬に「おすわり」のコマンドをかけます。2. 右手を子犬の前足と前足の間にゆっくりおろしてください。子犬もつられて頭を下に落としてくるはずです。
3. 鼻が床に着いたら、手の甲を子犬に向けます。子犬は自然と「伏せ」の格好になります。このときに「伏せ」とコマンドをかけ、フードを与えます。一粒づつ与え、一定時間「伏せ」を続けさせます。
4. 最後に「OK」のコマンドで解除します。
1. 犬にリードをつけ、犬に近いところを踏んでおきます。2. そのままリードを引っ張っていくと子犬の首が地面に徐々に近づき、最後は「伏せ」の形を取ります。
3. 犬がその姿勢をしたら「伏せ」のコマンドをかけてください。一定時間できたら、フードをやりその後「OK」で解除します。
4. 最初は犬が嫌がるかもしれませんから、少しづつ慣らしていってください。
「伏せ」のコマンドはとても大切なものですが、習得には根気が必要です。
「伏せ」ができるようになったらいよいよ「待て」のコマンドです。
両方とも難易度はやや高いのですが、外出する時に犬連れできるかどうかの分かれ道になるコマンドとも言えます。
ワンコの幸せはいつも飼い主と一緒にいることです。
そのためには「伏せ」「待て」は必須のコマンドですよ。