フランス山公園 開港の道 港の見える丘公園に続くラストピース そしてアメリカ山公園も

桜木町から延々続く「開港の道」も山下公園までくれば終わりが見えてきます。

「世界の広場」から右に折れ、「人形の家」の横を通って大通りの上空にかかる歩道を渡ると「フランス山」に入ります。ここが終点「港の見える丘公園」の一つ手前のラストピースなんです。

フランス山

フランス領事館跡

横浜の魅力を端的に紹介したいとしたら「開港の道」を犬と行くのが良いですね。「開港の道」とは、桜木町駅前から新港地区、「赤レンガ倉庫」を通り、そこから山下公園、さらに「横浜人形の家」の横を抜けてフランス橋から「港の見える丘公園」へ至る遊歩道の散策ルートです。これが中区の観光資源をひとまとめにしたショーケースのような道なんですね。桜木町から歩くとしんどいので、赤レンガ倉庫あたりから歩いてみてください。このマークをたどるようにできています。その魅力をご紹介して行きましょう。1. 赤レンガ倉庫横浜開港祭...
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傾斜が強い階段を登っていくとフランス領事館跡をいただく公園に出ます。

大きな風車が印象的です。

「フランス山」は、かつて日本へ居留したフランス海兵隊の駐屯地だったんですね。

1860年くらいの話です。それって1853年のペリーの来航から7年しか経ってないのです。

ペリーはアメリカからの使者だったわけですが、1858年に日米通商条約を結んだ後、アメリカでは南北戦争が始まり、日本から後退します。代わってイギリスとフランスが日本に干渉してくるようになりました。

その後、フランス海兵隊から同じくフランスの駐日外交代表部に租借権が移り、1894年に領事館と領事官邸が建設されたそうです。

しかし関東大震災で倒壊、1930年に再建されるのですが、1947年に火事で焼失してしまったそうです。

現在残されている領事館跡はとっても小さく感じますが火事の際に焼け残った1階部分です。大きな風車はフランス山には当時、上水道が無かったため、風車で水を汲み上げていたことの名残ですね。

明治時代は1868年からですから、領事館がたったのはほぼほぼ江戸時代な感じですが、それにしては細工が細かいことがわかります。きれいに整備された公園内にあることも手伝ってある種の芸術作品のようにも見えます。もちろん犬連れOKなので、一緒に散歩してみたら気持ちが良いところです。

あまり有名でもない場所なので、横浜通として言っといて損はないです。

風車

風車はフランス領事館で井戸水を汲み上げるために作られたそうです。1909年頃まで使われていたようですね。

現在のフランス山のアイコンである風車は、もちろん当時を偲ぶためのモニュメントとして立て直されたもの。フランスの国旗のトリコロールで彩色されています。
同時期の「フェリス女学院の赤い風車」や「ヴィラ・サクソニアの風車」の写真から、多翼型の風車として再現されたそうです。

煉瓦造り井戸遺構

1896年、フランス山にフランス領事館と領事官邸が建設されときに設置された井戸。もちろん当時のママではなく保存整備がされています。すでに枯れているのですが、深さ30メートルあり、当時フランス山には上水道がなかったために掘られたようです。井戸の周囲からは井戸水汲み用風車の基礎部分も4基出土したそうです。

愛の母子像

これはね、フランスと関係ないのですが、青葉区に住む私も知っている1977年の米軍機墜落の墓標なんです。

母とその幼い子二人が亡くなりました。

生前に海が見たいと願っていたことから募金を募り母子像を建立したそうです。

知名度が低い割にはなかなか見どころが多いと思うのですがどうでしょうか。

さて、フランス山を抜けると港の見える丘公園、そこから外国人墓地に向かっていきます。

その直前で右に折れると、横浜地方気象台があり、その先にアメリカ山公園があるのです。

アメリカ山公園

アメリカ山公園はまだできてからさほど年月が経ってません。2012年に全面開園ですからね。フランス山と比べたらひよっこです。

アメリカ山公園が面白いのは、みなとみらい線「元町・中華街駅」の駅舎上部に整備された全国初の立体都市公園だということです。外国人墓地から地続きでくるからそんな感じがしないかもしれませんが、言ってみれば空中庭園ですよね。

実際ビルの5階程度の高さがあって、眺望もいいんですよね。

マリンタワーや横浜ベイブリッジ、横浜ランドマークタワーなどが見えます。また、樹木や芝生・ベンチがしっかり整備されていて、冬にはにイルミネーションなどもしつらえられているようです。

エレベーターやエスカレーターなどがあって駅舎からも直接入園できます。でも犬はダメなんですねー。残念。

にしても、なぜアメリカ山? それは明治初頭に米国公使館予定地となっていたことや、戦後にアメリカ軍に接収された歴史などがあり、土地柄アメリカにゆかりがある高台ということから命名されたそうです。いやいや、近くにフランス山があったからですよね。イタリア山もあるしね。

元町貝塚

アメリカ山公園のまわりには、古くから縄文時代中期の貝塚(元町貝塚)が知られてたんですね。

公園整備に先立ち2006年発掘調査が実施、その後、貝塚は2013年11月15日付で「元町貝塚」として市の史跡に指定。公園内にはプレートが設置されています。

公園内に入っちゃうと、元町まで降りていけないのでもう一度入り口まで戻ります。

外国人墓地とアメリカ山公園の間の緩やかな階段を降りていくと(この階段がまた風情があって良い)元町「ウチキパン」の前にでます。

ここから元町でお茶をしてもよし、中華街をあるいてもよしですね。

横浜媽祖廟

今回は朱雀門から中華街を横切り山下公園に戻りましょう。

テクテク歩いていくと「横浜媽祖廟」が見えます。

日本のお寺のイメージからすると極彩色ですよねー。

でも京都に行くたび思うのですが、僕らの見ている寺って1000年モノですからね。

そりゃあ退色してますよ。建立当時の京都の寺はこれと同じように極彩色にちかかったのではないかなと。

それはさておき「横浜媽祖廟」はよこはままそびょうと読むのですが、祀られているのは、航海の安全を守るといわれている天上聖母・媽祖(まそ)。媽祖は「天后」ともよばれています。

ほかにも玉皇上皇(/国泰平安)や月下老人(縁結びの神様)、註生娘娘(子宝の神様)、文昌帝君(学問の神様)、臨水夫人(安産の神様)、福徳正神(ご利益/金運招財・財産安全)がまつられており、コンビニエントな内容となっています(笑

ホテルニューグランド 中庭

何回か泊まっているのですが、中庭があることに気が付きませんでした。いやー、何していたんだ。

これがとっても雰囲気がいいんですよ。だれでも入れるのでぜひ行ってみてください。犬もOKです。

ここも薔薇園のようですが、横浜市の花が薔薇なんですね。

関東大震災時に受けた援助のお礼として横浜市がアメリカ、シアトルへ桜の苗木を送ったそうです。

そのお礼のお礼として 200 種 3000 本のバラが横浜に届き、市民に愛され1989 年に横浜市の花に指定されましたんですね。ニューグランドの本館 中庭は、人々を癒す旅の守護者「天使ラファエル」がいるパワースポットとして人気の場所でもあります。

まとめ

「開港の道」いかがでしたでしょうか。結構歩きますよ。そして全編にわたって雰囲気がいいです。

晴れた日に犬連れで適当な距離の区間を歩いてみてはいかがでしょう? ヨコハマを堪能できること請け合いです!

koinunokinenbi

子犬の記念日 管理人

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