観音崎灯台は駐車場(第一)から750m、徒歩11分 歴史や展示物を詳しく紹介

1. 森から突き出て見えるのが観音崎灯台ではない

Last modified on: 1月 14, 2020

天気が良かったので、何回も通いつめている観音崎でも行ったことのなかった観音崎灯台にいってみました。三浦にきたらこの灯台気になりますよね。

外側から見ていたときは、この森から突き出ているのが観音埼灯台と思っていましたが、違いました。

そりゃあ、こんなハイテクなわけないですね。あれは東京湾海上交通センターの電波塔なんだそうです。

地名の「観音崎」と灯台名の「観音埼灯台」はビミョーに字が違うんですよね。

観音崎だけの話かな、と思ったら違うんですよ。

例えば、石廊崎と石廊埼灯台のように、一般的な使い分けなんですね。

なぜか、を調べてみると、
「「埼」は明治時代、旧海軍水路部が、海洋に突出した陸地の突端部を示す字として採用したのですが、一方、国土地理院が作成する地図帳では、海に突き出た陸地全体や集落を意味する「崎」を、旧陸軍地測量部が使っていたことに由来しているそうです。
「埼」と「崎」の統一を図ろうと、昭和35年には海上保安庁水路部と国土地理院が、「地名等の統一に関する連絡協議会」で協議しましたが双方とも譲らず、水路部の海図では、「埼」、国土地理院の陸図では「崎」のまま現在も表記されています。」だそうです。→出典「灯台で 気になり始める 崎と埼」

へえええ! 知りませんでした!

このサイトでは検索数から「観音崎灯台」を採用しています(笑)

2. 県立観音崎公園の入り口から結構歩く

県立公園の入り口から入ります。10月も中旬になろうとしているのに今日は真夏日になろうかという陽気のため、BBQのテント、さらに海に入ってる人までいました!

公園の入り口から5〜600メートルあるくと、高浜虚子の歌碑があらわれ、そこからすぐに灯台に通じる道がでてきます。

この道を右手に折れると灯台に続くつづら折りの上り坂です。

天気がいいのに上り坂はけっこう暗く、少し不安になりますが、元気に登っていってください。

3. 観音崎灯台現る

何回か折り返して登っていくとようやく灯台が現れました。

1925年(大正14年)6月1日の建立ですから、93年めの灯台です。

思ったより小さく感じますね。

k灯台は日本初の洋式灯台で、この灯台の着工日を記念して11月1日が灯台記念日に指定されたんです。

 

事務所で200円を払うと「資料展示室も見ていってくださいね〜」と声をかけられたので、灯台に登る前に入ってみます。

入るとまず、初代の灯台を設計したレオンス・ヴェルニーの胸像があります。

そうなんです。今立っている灯台は実は3代目なんですね。

初代はレンガ造りがたたったのか、1869年2月11日(明治2年1月1日)に完成、初点灯したのですが、1922年に大きな亀裂のために取り壊しになったんですね。

二代目は1923年にコンクリート造で再建されたのですが、関東地震(関東大震災)により、わずか半年ほどで崩壊しちゃったんですよね。

で、今建っているのが3代目になるんですね。

資料館には初代で使われたレンズなど、アンティーク好きであれば、何回もシャッターを押してしまいそうです。

いよいよ灯台に登ってみます。灯台の中は非常に狭く、流石にワンコはまずかろうと下で待たせます。

イメージ通り、狭いラセン階段をけっこう登ります。

小さな窓の上に写真が並んでいますが、どうやら日本各地の灯台の写真のようですね。

観音崎灯台は1988年に日本の灯台50選に指定されていますから、同じく50選に選ばれた観音崎灯台以外の灯台ではないでしょうか。

それを見ながらくるくる登っていくと、ほどなく頂上にたどり着きました。頭をぶつけないように気をつけて小さな出口から外に出ます。

正直にいいましょう。私は高所恐怖症のけがありまして、そういう人にとってこの灯台の高さは「怖く感じる高さ」です。

階段の出口から外へ出るとぐるりと一周回ることができますが、ずっと「壁側」に張り付いていました。

高さどのくらいだろう? 

12,3メートルですかね。全体が小さいのでその高さでも結構な高所感あるんですよ〜。

それを抜かせば景色がよく、この季節なら快適に展望できますよ。

200円だけど、かなり楽しめると思います。

4. ブラッドベリの「霧笛」

下に降りてくると、灯台の周りにもアンティークが展示されています。

その中でも「霧信号吹鳴器」、なんだか仰々しいですが、つまり「霧笛」が良かったですね。

いまやGPSやレーダーで出る幕もないですが、霧がでて船から灯台の光が見えないようなときに、音で陸地の場所を知らせたんですね。これを「霧笛」といいます。

レイ・ブラッドベリというアメリカのSF作家の作品に「霧笛」というのがありまして、私、大好きなんです。

たった一匹だけの恐竜の生き残りが海の底で灯台の霧笛を聞き、自分の仲間の声だと思って、一年に一度やってくる という話なのですが、ノスタルジックで怖くてほんとに素晴らしい短編です。

「ウは宇宙船のウ」という短編集に収録されているのでぜひお読みください。

 

その「霧笛」を漫画にした萩尾望都さんが以前観音崎灯台で「霧笛」の朗読をしたとか。いきたかったなあ。

てなわけで、今日はちょっと思い入れのあった観音崎灯台に登れてよかったです。

koinunokinenbi

子犬の記念日 管理人

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