愛犬の鼻をよくみてください。鼻の皮膚にシワが寄ってますよね。
その鼻のシワは犬一匹づつ違っているのです。そして生まれてから死ぬまで、一生変わらないものだそうです。
人間なら個人を識別するために「指紋」を使いますよね。
2013年に発表されたiPhone 5sでは、セキュリティに「Touch ID」が採用され、それまでの「パスワード」に加えて「指紋」によってiPhoneのセキュリティが守られるようになったのです。
(それも本日(2018/9/13)発表のiPhoneXS XS MAX XRでは指紋認証が廃止され、FACE ID 顔認証に切り替わりましたけれど。)
そのように一人一人の識別に、人間の場合なら「指紋」を使いますが、動物の「指紋」にあたるのが「鼻紋」なんですね。
犬だけではなく牛や猫にもあるそうですが、一卵性双生児や、体細胞クローン牛であっても、鼻紋はそれぞれ違うことが確認されているそうです。
和牛については、トレーサビリティの観点から、すでに「鼻紋」の登録が行われています。仔牛が生まれるとすぐに鼻紋の登録を行い、個体管理や血統管理に利用しているそうで、和牛の血統書には、証明のための「鼻紋」スタンプが押されているんですね。
ところが犬の場合、個体の識別のために「鼻紋」は活用されていませんね。
獣医さんに行っても「鼻紋」スタンプを取られたことないですものね?
日本で主流なのは生体にマイクロチップを埋め込む手法なのですが、こちらもあまり広がっていません。普及率は15%程度。
価格的な問題と、愛犬にマイクロチップを埋め込むことに対して抵抗感を感じる飼い主が多いためです。
愛犬が迷子になった時や、災害時にはぐれてしまったときなど、マイクロチップで個体認識ができることは必要だと思いますけれど、確かに愛犬の体を傷つけたくはないですね。
そこでリクルートテクノロジーズが「ほぼ日刊イトイ新聞」「シロップ」「日本アイ・ビー・エム」と協働して「鼻紋」写真を使った犬の個体識別に関する実証実験を始めたそうです。
※参考→AIがスマホ写真で「犬の鼻」判別 迷子犬の捜索に リクルートが実証実験
犬と一口に言っても犬種がたくさんあります。
鼻の位置もそれによって違うし、同じ犬種のなかでも違いますよね。
そこで
「鼻の位置特定のために犬の顔に6点のポインターを付与して学習させた「顔のパーツ位置検出モデル」を利用し、撮影時に自動で鼻へフォーカスし、鼻のポインターを中心に画像を正方形でトリミングする「自動検知・撮影技術」を開発」
したそうで、有効な鼻紋写真を確実に撮影できるシステムをまず作り、AIに学習させて自動照会させる手順だそうです。
リクルートテクノロジーズは、これらの技術を使って、「迷子犬の捜索を容易にするアプリ」の制作などを想定しているそうで、犬猫写真投稿SNS「ドコノコ」を運営する「ほぼ日刊イトイ新聞」や、ペットテックスタートアップの「シロップ」、「日本アイ・ビー・エム」との協働していくそうです。
ワンコの体にマイクロチップなどの人工物を入れないで、個体認証できるならそれに越したことはありませんよね。
リクルートテクノロジーズさんの取り組みに注目していきたいと思います。